コンベックスとメジャーの違いは?スケールとの呼び分け
コンベックスとメジャーは別ジャンルの道具ではありません。鋼製巻尺の日本産業規格であるJIS B 7512の試験対象には、広幅巻尺とあわせてコンベックスルールが含まれていて、規格の側から見ればコンベックスは巻尺の一種です。
売り場で呼び分けているのはテープの断面で、幅方向に湾曲して伸ばしても真っすぐ保てるものがコンベックス、平らでよく曲がるものが鋼製巻尺や繊維製のメジャーです。ここを取り違えると、曲面に沿わせられない道具で円周を測ろうとしたり、たわむテープで一人作業をして端を落としたりします。本記事では、テープ形状で変わる向き不向き・測る対象から長さとテープ幅を決める順番・JIS1級表示の読み方を解説します。

GOOD DIY編集部
測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
コンベックスとメジャーの違いはテープの湾曲にある
「メジャー」は規格に出てくる言葉ではなく、巻いて収納する測定具をまとめて呼ぶときの通称です。そのうちコンベックスだけが、金属テープを幅方向に湾曲させています。この断面のおかげで伸ばしたテープが自重で折れずに真っすぐ保てるため、離れた位置の寸法を一人でも読めます。シンワ測定もコンベックスの持ち味をこの直立性だと説明しています。
平らなテープの巻尺は反対で、曲がりやすいぶん直線以外の長さを測るのに向きます。鋼製のものは機械の測定に、繊維製のものは衣服や人体の採寸に使われ、テープ自体もコンベックスより長く作れるので、長い距離を測れるのは平テープ側です。道具としての位置づけと選ぶ軸はコンベックスとは何かと選び方の5つの軸で解説しています。
鋼製巻尺・繊維製巻尺を含めた3タイプの使い分け
呼び名で迷ったときは、テープの素材と断面で分けると用途がそのまま決まります。
| タイプ | テープ | 向く作業 | 向く人 |
|---|---|---|---|
| コンベックス | 幅方向に湾曲した鋼製テープ | 木材・建具・室内の直線寸法 | 片手で測ることが多い人 |
| 鋼製巻尺 | 平らな鋼製テープ | 敷地や基礎など長い距離 | 30m・50m級が必要な人 |
| 繊維製巻尺 | 平らな樹脂・繊維テープ | 曲面や人体の採寸 | 直線以外に当てる人 |
最初に分かれるのは、測る相手が真っすぐな面かどうかです。柱や板のように直線を当てられるならコンベックス、丸太の円周や肩まわりのように面が曲がっているなら平らなテープを選びます。30m・50mといった長さが要る測量寄りの作業は巻尺の30m・50mの選び方、その手前の10m前後でコンベックスを使うかどうかは10mのコンベックスが要る場面で解説しています。
測る対象からコンベックスの長さとテープ幅を決める
長さは測る対象のいちばん長い辺に合わせる
室内の造作やDIYの家具なら5.5mでおおむね足り、部屋の対角や住宅の間口まで一度に測るなら7.5mが候補に入ります。短いほど本体は小さく軽くなるので、腰道具に常時ぶら下げるなら長さを足すだけ重量とかさが増えると考えてください。5.5mと7.5mのどちらにするかは測る長さで決める5.5mと7.5mの基準で解説しています。
テープ幅は伸ばしたまま使うかで決まる
幅が広いテープほど湾曲の断面が大きく、伸ばしたときに折れにくくなります。19mmは軽さとコンパクトさ、25mmは伸ばしたまま保持する作業に向く、という分かれ方です。ただしメーカーが公表する最大直立長は機種ごとに異なり、幅だけでは決まりません。幅による違いは19mmと25mmで変わる腰の差で解説しています。
JIS1級の表示があるコンベックスとない機種では何が違うのか
シンワ測定のコンベックスには「メートル目盛がJIS1級」と書かれた機種があり、製品ページにJISの記載がある機種とない機種に分かれます。同社のシリーズでは、フィットギアがスマートギアに比べてメートル目盛がJIS1級で、テープに摩耗へ強いナイロンコートを使っています。1級の許容差が何mmまでなのかは、JIS B 7512の規格票が有料のため確認できませんでした。表示の有無で分かるのは等級が明示されているかどうかで、記載のない機種は等級そのものが分からないということです。等級の見分け方はコンベックスのJIS1級と表示の見分け方で解説しています。
目盛の刻み方にも規定がある
JISマーク解釈集では目量を1mm・2mm・5mm・10mm・20mm・50mm・100mmと規定していて、ここにない目量を足した目盛はJISマーク品として認められません。尺目盛付きの機種に「尺相当」と書かれているのは、1尺を10/33mでメートルに換算した値という意味です。
±の表記は幅ではなく片側の値
許容差が±0.3mmと書かれていたら、プラス側とマイナス側を合わせて最大0.6mmの差が出ます。実際の長さが10.8mmなら、10.5mmから11.1mmまでが精度の範囲内です。なお直尺の許容差は20℃が基準で、シンワ測定の直尺 ステン 15cm は±0.15mm、直尺 シルバー 1m は±0.20mmと公表されています。金属製直尺のJIS規格は2mまでで、2mを超えるものはJISマークの表示がなく規格に準じた検査で出荷されます。曲尺にはそもそもJISの等級がなく、精度は100mmにつき0.1mm以下とされています。
爪が動くのは不良ではなく0点補正のため
先端の爪を材に押し付けて測るときと、角に引っ掛けて測るときでは、爪の厚さぶんの差が生まれます。この差を打ち消すために爪の位置が動く仕組みが0点補正移動爪で、少し前後にがたつくのは仕様です。固定しようとして無理に曲げると、押し当てと引っ掛けのどちらかでずれが残ります。
ずれが気になって数値の裏付けが要るときは校正の話になりますが、校正周期に決まりはなく、使用頻度や社内のルールで決めます。校正証明書は通常の購入には付属せず、有償で別途依頼する形で、有効期限は設定されていません。JCSS校正と一般校正の2タイプがあり、シンワ測定のフィットギア(極立・ライトギアを含む)は湾曲テープのためJCSS校正の対象外で、一般校正なら対応できます。対象かどうかは製品情報のアイコンで分かり、アイコンがない製品は校正証明書を発行できません。
よくある質問
柔らかいテープのメジャーで木材の長さは測れますか
測れますが、テープがたわむので一人で長い材に当てると端が落ちます。両端を押さえられる人がいるか、短い材だけに使うなら問題ありません。
コンベックスと巻尺を両方持つ必要はありますか
測る相手に曲面や30m級の距離が含まれるなら、両方あったほうが測り直しが減ります。室内の造作だけならコンベックス1本で足り、屋外の敷地を測る日が出てきた時点で平テープを足す、という順番でかまいません。
JIS1級と書いていないコンベックスは使えないのですか
DIYや現場の仮寸法なら実用上の支障はありません。ただし納品先から寸法の根拠を求められる仕事では、等級が明示されている機種のほうが説明しやすくなります。取扱いは店舗や時期で変わるので、表示の有無は商品ページのスペック欄で確認してください。
まとめ
コンベックスとメジャーは、テープが幅方向に湾曲しているかどうかで分かれます。真っすぐな面を一人で測るならコンベックス、曲面や長い距離なら平らなテープの巻尺、と測る相手から決めれば候補は一本に絞れます。等級が要る仕事かどうかはJIS1級の表示で、校正証明書を出せるかどうかは製品情報のアイコンで確認できます。ぜひ本記事の3タイプの使い分けと表示の読み方を参考に、手元の作業に合う1本を選んでください。
