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尺目盛のコンベックスはなぜ必要?尺貫法が残る現場

コンベックスの尺目盛を300mm刻みだと思って読むと、6尺の時点で約18mmずれます。1尺は10/33m、ミリに直すと303.03mmであって、300mmではありません。もうひとつ押さえたいのが、シンワ測定のコンベックスに付く「メートル目盛がJIS1級」という表示で、これは文字どおりメートル側の目盛についての等級です。JISマーク解釈集では目量を1mm・2mm・5mm・10mm・20mm・50mm・100mmと規定していて、尺の最小刻みである1分(約3.03mm)はこの一覧に入りません。本記事では、尺・寸・分とミリの対応、「メートル目盛がJIS1級」という表示の読み方、尺目盛付きを選ぶべき作業の見分け方を解説します。

GOOD DIY編集部

測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

コンベックスの尺目盛は1尺303.03mmで刻まれている

コンベックスの尺目盛は、尺貫法(しゃっかんほう)の長さをメートル目盛と並べて刻んだ目盛です。基準の1尺は10/33mと決まっていて、ミリでは303.03mmになります。1寸はその10分の1で30.30mm、1分はさらにその10分の1の3.03mmなので、尺目盛の最小刻みは3mm強という半端な間隔になり、1mm刻みのメートル目盛と線の位置がほとんど合いません。並べて印刷されていても別系列の目盛なので、読むときはどちら側を見ているのかを決めてから当ててください。

表記ミリ換算目にする場面
1分3.03mm尺目盛の最小刻み
1寸30.30mm造作材の厚みや幅の指示
1尺303.03mm柱の間隔や割付の単位
3尺909.09mm合板の短辺910mmに近い寸法
6尺1818.18mm合板の長辺1820mmに近い寸法

「尺相当」という表記が指すもの

仕様欄に「尺相当」とある場合、尺をメートルに換算した値を指します(シンワ測定のQ&A)。つまり尺の数字そのものではなくミリ側の値が書かれているので、テープ全長が尺できりのいい数字になっているとは限りません。尺で指示が飛ぶ現場では、この換算値を自分で尺に戻せるかどうかで読みの速さが変わります。

コンベックスのJIS1級はメートル目盛にかかる等級

巻尺のJIS規格はJIS B 7512(鋼製巻尺)で、機械計測のJIS一覧では現行版がJIS B 7512:2018です。製品評価技術基盤機構の資料では、広幅巻尺とコンベックスルールもこの規格の試験対象に含まれています。等級は1級と2級があり、シンワ測定のコンベックスでは「メートル目盛がJIS1級」という形で表示され、製品ページにJISの記載がある機種とない機種に分かれます。

この「メートル目盛が」という限定が大事なところで、JISマーク解釈集では目量を1mm・2mm・5mm・10mm・20mm・50mm・100mmと規定し、規格外の目量を足した目盛はJISマーク品として認められないとしています。尺目盛の最小刻みである1分は約3.03mmなので、この一覧には入りません。1級と2級で許容差がどれだけ違うのかは、規格票が有料のため公開情報では確認できませんでした。

ついでに言えば、尺の道具の代表である曲尺(かねじゃく)にはJISの等級そのものがなく、精度は100mmにつき0.1mm以下と案内されています(シンワ測定のQ&A)。等級の土俵が違う道具どうしで尺の寸法をやりとりすることになるため、寸法を伝えるときは何で測った値なのかを言い添えると食い違いが減ります。

尺目盛が要るのは木造在来と畳まわりを測る人

選ぶ手順はごく単純で、自分が受け取る寸法の指示が尺・寸で来るかどうかだけを見てください。木造在来の造作、建具の割付、畳や和室まわりでは尺と寸で指示が飛ぶため、テープ上で直接読めるほうが換算の手間と計算間違いが消えます。反対に、図面も加工指示もミリだけで完結する家具づくりや金属加工、配管では、尺目盛は読まない線が増えるだけです。

迷うのは、普段はミリで、ときどき古い図面や職人の口頭指示で尺が出てくる人でしょう。その場合は尺目盛を優先するより、テープ幅・長さ・爪の形といった使い勝手の軸を先に決めて、同条件に尺目盛付きがあれば選ぶ順番で足ります。長さやテープ幅をどう決めるかはコンベックスとメジャーの違いと選び方の5つの軸で解説しています。

尺目盛の表示が製品ごとに揃わない理由

同じメーカーでもシリーズによって書き方が変わります。シンワ測定の場合、フィットギアはスマートギアに比べてメートル目盛がJIS1級で、摩耗に強いナイロンコートテープを使うという違いがあり、JIS表示の有無はシリーズの設計差として現れます。尺の側は「尺相当」という換算値で書かれることがあり、尺目盛の併記そのものとは別の情報です。

仕様欄は2つを別々に確かめる

確かめるのは、尺目盛が刻まれているかと、メートル目盛にJIS1級の表示があるかの2点です。この2つは連動しないので、尺目盛付き=JIS表示なし、とも、JIS1級=尺目盛も同じ精度、とも読まないでください。メーカーが違えば用語も変わるため、カタログの言葉を他社の表記に当てはめて判断するのも避けたほうが安全です。

303mmを300mmで通すと6尺で約18mmずれる

1尺を300mmで計算すると、3尺で約9mm、6尺で約18mmの差が出ます。合板の3×6板が910×1820mmであるように、流通寸法は3尺909.09mm・6尺1818.18mmに近い値で丸められているので、尺とミリを混ぜたまま足し算すると、どこで端数を丸めたのかが分からなくなります。尺で割り付けた位置をミリで指示し直すときは、換算した値を一度紙に書いてから測るほうが確実です。

精度表記の読み方も押さえておくと判断しやすくなります。たとえば「±0.3mm」は、プラス側とマイナス側の幅を合わせると最大0.6mmの差が出るという意味です(シンワ測定のQ&A)。さらに、爪を引っ掛けて測るか押し当てて測るかで爪の厚みぶんの差が出るため、コンベックスには0点補正移動爪が入っています。爪まわりの構造はコンベックスの爪の役目とマグ爪の使い分けで解説しています。なお5m級のテープで届かない距離を尺で追うなら、巻尺の30m・50mの選び方のほうが作業に合います。

仕様欄のどこに目盛の種類が書いてあるか

目盛の種類は、商品ページの仕様欄にある「目盛」の行と、パッケージ表面の表記で確認できます。テープのどちら側に尺が入るかは製品で違うので、写真でテープ面が1面しか写っていない場合は、仕様欄の記載を優先してください。目盛の向きそのものが気になる場合は、左利き用のコンベックスと目盛の向きで解説しています。

校正証明書が要る職場なら、もう一段確認が必要です。シンワ測定ではJCSS校正と一般校正があり、対象かどうかは製品情報のアイコンで分かります。アイコンがない製品は校正証明書を発行できません。湾曲テープのフィットギア(極立・ライトギアを含む)はJCSS校正の対象外で、一般校正なら対応できるという扱いです。証明書は通常の購入には付属せず有償で別途依頼する形になり、校正周期の決まりもないため、使用頻度や社内のルールで決めることになります。

よくある質問

1尺は30cmではないのですか

1尺は10/33mで、ミリに直すと303.03mmです。30cmとの差は1尺あたり約3mmで、6尺まで伸ばすと約18mmになります。30cmとして暗算すると、長い寸法ほどずれが積み上がります。

尺目盛が付いていないコンベックスでも尺の寸法は測れますか

測れます。ミリで読んだ値を303.03で割れば尺に戻せますし、尺から出すときは303.03を掛けてください。ただし現場で尺・寸の指示が続けて飛ぶ作業では、そのつど計算する手間と計算間違いが増えるので、併記のあるものを選んだほうが速く読めます。

尺目盛の精度はJIS1級として保証されますか

シンワ測定の表示は「メートル目盛がJIS1級」であり、メートル側の目盛についての等級です。JISマーク解釈集の目量の規定にも尺の刻みは含まれていないため、尺目盛の許容差を等級で示した公開情報は確認できませんでした。厳密な値が要る作業では、ミリ側の目盛で測って換算するほうが筋が通ります。

まとめ

尺目盛は1尺303.03mmという換算の上に成り立つ目盛で、300mmとして読むと6尺で約18mmの差になります。JIS1級の表示はメートル目盛にかかる等級なので、尺目盛の有無とJIS表示の有無は仕様欄で別々に確かめてください。尺・寸で指示が来る作業なら併記付き、ミリで完結する作業なら不要と割り切れます。ぜひ本記事の換算表と仕様欄の確認点を参考に、自分の現場で読む単位に合った1本を選んでください。

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