コンベックスのJIS1級とは?許容差と表示の見分け方
コンベックスの「JIS1級」は、テープ全体の精度を保証する表示ではなく、メートル目盛の等級を指す表示です。シンワ測定の場合、同じコンベックスでもフィットギアには「メートル目盛がJIS1級」の記載があり、スマートギアには記載がありません。
巻尺のJISはJIS B 7512(鋼製巻尺)で、機械計測のJIS一覧では現行版がJIS B 7512:2018とされています。NITEの資料では、この規格の試験対象に広幅巻尺とコンベックスルールが含まれると示されています。ただし、JIS1級と書かれていることと、校正証明書を出せることは別の話です。本記事では、JIS1級が指す範囲・表示の有無で変わること・校正証明書との違いを解説します。

GOOD DIY編集部
測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
コンベックスのJIS1級はメートル目盛だけにかかる等級
JIS B 7512の等級は1級と2級の2段階で、シンワ測定のコンベックスでは「メートル目盛がJIS1級」という書き方で製品情報に載ります。この書き方からも分かるとおり、等級がかかっているのはメートル目盛であって、テープがどこまで真っすぐ伸びるかや、爪の精度ではありません。尺目盛やインチ目盛を併記した機種でも、等級の表示はメートル目盛に限られます。
1級の許容差そのものはJIS B 7512の規格票に規定されていますが、規格票は有料で、公開されている範囲では具体値を確認できませんでした。許容差の読み方については、シンワ測定が直尺の質問ページで説明しています。±0.3mmと書かれていれば最大で0.6mmの幅が出るという意味で、実際の長さが10.8mmなら10.5mmから11.1mmまでが範囲内という読み方になります。なお直尺の許容差は20℃を基準とした値で、同社の直尺 ステン 15cmは±0.15mm、直尺 シルバー 1mは±0.20mmと表示されています。
JIS1級と2級、表示なしのコンベックスで変わること
1級と2級の許容差を数値で並べることはできませんが、買う側が売り場や製品ページで実際に見比べるのは、等級の数字よりも「表示があるかどうか」です。同じメーカーのコンベックスでも、製品情報にJISの記載がある機種とない機種が分かれます。シンワ測定ではフィットギアがスマートギアに比べ、メートル目盛がJIS1級で、テープも摩耗に強いナイロンコートになっています。
| 製品情報の表示 | 意味 | 選ぶ目安 |
|---|---|---|
| メートル目盛がJIS1級 | JIS B 7512の1級に適合するメートル目盛 | 測った寸法を他の職方や施主に渡す作業 |
| JISの記載がない | 規格への適合を製品情報で示していない | 自分で測って自分で加工する範囲の作業 |
| 尺目盛などを併記 | 等級の表示はメートル目盛にだけかかる | 尺貫法で寸法をやり取りする木造の現場 |
記載がない機種が規格を外れているという意味ではなく、適合を製品情報として表示していないという意味です。参考までに、曲尺にはそもそもJISの等級がなく、シンワ測定は精度を100mmにつき0.1mm以下と説明しています。等級の表示は、道具の良し悪しではなく、どの規格で検査したかを示す情報として読んでください。
等級の表示が要るかどうかは、測った寸法の渡し先しだい
自分で測って自分で切る範囲なら、等級よりテープの傷みや爪のガタのほうが寸法に出ます。別の職方に寸法を伝える、施工記録や図面に残す、検査で他人の測定値と突き合わせる、このどれかに当たるなら、メートル目盛がJIS1級と表示された機種を選んでください。測った人と切る人が違うほど、どの規格で検査された目盛かを揃えておく意味が大きくなります。
複数人で同じ寸法を共有するなら、等級だけでなく測り方も合わせてください。コンベックスの爪は、押し付けて測るときと引っ掛けて測るときで爪の厚さぶんの差が出るため、これを打ち消す0点補正移動爪になっています。爪が動くこと自体を知らずに固定しようとすると、むしろ誤差の原因になります。爪の種類ごとの扱いはコンベックスの爪の使い分けで解説しています。テープ幅や全長を含めた選び分けはコンベックスの基本と選び方にまとめてあります。
同じメーカーでもJIS表示が機種で分かれる理由
目量の組み合わせが規定から外れると表示できない
JISマーク解釈集では、目量を1mm・2mm・5mm・10mm・20mm・50mm・100mmとすると規定しており、規格外の目量を足した目盛はJISマーク品として認められません。目盛の刻み方そのものに縛りがあるということです。1尺は10/33mで、メートルの目量にそのまま重なる値ではありません。尺目盛を併記した製品の表示がメートル目盛に限定されているのは、この区別があるためです。尺目盛が残っている背景は尺目盛のコンベックスが必要な現場で解説しています。
同じブランド内でもテープの仕様が違う
シンワ測定のフィットギアとスマートギアは、メートル目盛の等級とテープの表面処理が違います。タフギアHGシリーズはテープとバネがステンレス製で、水洗いができる機種として案内されています。目盛は印刷された面が摩耗すれば読みにくくなるので、屋外や汚れる現場で使うなら、等級の表示とあわせてテープの仕様も見てください。
コンベックスの校正証明書はJIS1級の表示とは別物
等級の表示がある機種を買っても、校正証明書が付いてくるわけではありません。シンワ測定の説明では、校正証明書は通常の購入には付属せず、有償で別途依頼するものです。証明書に有効期限はなく、校正周期にも決まりがないため、使用頻度や社内のルールで周期を決めることになります。
校正にはJCSS校正と一般校正があり、対象かどうかは製品情報のアイコンで判別できます。アイコンがない製品では校正証明書を発行できません。ここで注意したいのが、同社のフィットギア(極立・ライトギアを含む)は湾曲テープのためJCSS校正の対象外で、一般校正なら対応できるという点です。テープが幅方向に湾曲しているからこそ伸ばしても真っすぐ保てるわけで、その構造がそのままJCSS校正の可否に関わっています。鋼製巻尺は同社の取り扱いがありませんが、JCSS校正は受けています。JCSS校正の証明書まで求められる管理なら、コンベックスだけで完結しないことがあります。巻尺側の長さと使い分けは巻尺とコンベックスの違いで解説しています。
よくある質問
JIS1級のコンベックスなら、尺目盛やインチ目盛も1級ですか
いいえ。シンワ測定の表示は「メートル目盛がJIS1級」という書き方で、等級がかかっているのはメートル目盛です。JISマーク解釈集で目量が規定されている関係もあり、併記された目盛まで同じ等級として扱うことはできません。
JIS1級の許容差は何mmですか
具体値はJIS B 7512の規格票に規定されていますが、規格票は有料で、公開情報では確認できませんでした。読み方だけ押さえておくと、±0.3mmという表記は最大0.6mmの幅が出るという意味で、片側だけのずれを指すものではありません。
落として曲がったコンベックスも、JIS1級のままですか
等級は出荷時点の検査にもとづく表示なので、落下やテープの折れ、爪のガタが出たあとの状態までは保証しません。校正周期に決まりはないため、手元の1本と基準にできる直尺や別のコンベックスを突き合わせ、同じ寸法を指すかを自分で確かめてください。
まとめ
コンベックスのJIS1級はメートル目盛にかかる等級で、テープの直立性や爪の精度を示すものではありません。表示がない機種が不正確という意味でもなく、適合を表示しているかどうかの違いです。測った寸法を他人に渡す作業なら表示のある機種を選び、JCSS校正の証明書まで必要なら湾曲テープが対象外になる点も先に確かめてください。ぜひ本記事の表示の読み方と校正の区別を参考に、自分の作業に合う1本を選んでください。
