コンベックスは5.5mと7.5mどちら?測る長さで決める基準
コンベックスを選ぶとき、5.5mという数字が示しているのはテープの全長であって、伸ばしたまま支えていられる長さではありません。コンベックスのテープは幅方向に湾曲していて、その湾曲があるから伸ばしても真っすぐ保てる構造です。どこまで伸ばして倒れずに届くかは全長ではなくテープ幅と腰の強さで決まるので、同じ5.5mでも19mm幅と25mm幅では使い勝手が変わります。
もうひとつ、5.5mという表記はJIS1級を意味しません。JIS B 7512の等級は長さとは別の項目で、シンワ測定のコンベックスでも製品ページにJISの記載がある機種とない機種が分かれています。本記事では、5.5mという表記が指す範囲・JIS1級の表示が機種で分かれる理由・5mや10mクラスとの使い分けを解説します。

GOOD DIY編集部
測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
コンベックスの5.5mはテープ全長を指す表記
5.5mは、ケースからテープを最後まで引き出したときの長さです。測れる最大の距離がそのまま製品の表記になっているので、5.5mの機種で6mの距離を一度に測ることはできません。目盛はメートル目盛が基本で、刻みは1mmです。JISマーク解釈集では目量(目盛の最小の刻み)を1mm・2mm・5mm・10mm・20mm・50mm・100mmのいずれかにすると規定しているため、規格外の刻みを足した目盛はJISマーク品として認められません。
機種によっては、メートル目盛と並べて尺の目盛が入ります。1尺は10/33mで、製品に書かれた尺相当はこれをメートルに換算した値です。木造の造作で尺貫法のまま寸法が回ってくる現場なら、尺目盛のコンベックスが必要になる場面で解説しています。
先端の爪が動くのは0点を合わせるため
テープ先端の爪は、押し当てて測るときと引っ掛けて測るときで、爪の厚みぶんの差が出ます。これを打ち消すために爪の取り付け位置が前後に動く仕組みが0点補正移動爪で、新品でもがたつきがあるのは正常な状態です。ここが固まって動かなくなると、内寸と外寸で測り方によるずれが残ります。
5.5mのコンベックスで足りる作業、長さが足りなくなる作業
5.5mが受け持つのは、室内で一人が取り回す範囲です。天井高、建具の開口、壁の一辺、家具の設置スペースあたりは、ほとんどこの長さの中に収まります。長さごとの守備範囲はだいたい次のように分かれます。
| テープ長さ | 一度に測れる範囲 | 向く作業・向く人 |
|---|---|---|
| 3.5m前後 | 家具の幅や小物の採寸まで | 腰道具を軽くしたい人、点検や採寸が中心の人 |
| 5.5m | 室内の間口・天井高・建具まわり | 内装、造作、住宅まわりのDIY全般 |
| 7.5m以上 | 建物の一辺や長尺材の木取り | 外部の下地、荷役、梱包サイズの確認 |
足りない長さを継ぎ足して測ると、印を付け直すたびに読み取りの誤差が乗るので、一度で届く長さを選んだほうが結果は安定します。反対に長くすればいいわけでもなく、テープが長い機種はケースが大きく重くなり、腰袋の中で場所を取ります。外部の計測が多くて10m級を検討しているなら10mのコンベックスが要る場面、30mや50mが要るなら巻尺とコンベックスの違いで解説しています。
同じ5.5mでもテープ幅で腰の強さが変わる
5.5mのコンベックスは、テープ幅19mmと25mmのどちらかに分かれる機種が多くあります。幅が広いほど湾曲の断面が大きくなり、伸ばしたときにテープが折れにくくなるので、脚立に乗って天井まで一人で当てるような測り方では25mm幅のほうが扱いやすくなります。そのかわりケースも大きくなり、重さも増します。幅ごとの差は19mmと25mmで変わるテープの腰で解説しています。
テープの表面処理も確認したい項目です。シンワ測定のフィットギアは、スマートギアに比べてメートル目盛がJIS1級で、摩耗に強いナイロンコートテープを使っています。テープとバネをステンレスにしたタフギアHGシリーズは水洗いができる仕様で、屋外や水まわりで泥を噛む使い方をする人に向きます。ホルダーを使うなら対応も見ておきたいところで、品番80825のワンタッチ式ホルダーはタフギアシリーズに対応しています。
JIS1級の表示がある機種とない機種に分かれる理由
コンベックスの規格はJIS B 7512(鋼製巻尺)で、機械計測のJIS一覧では現行版が JIS B 7512:2018 です。コンベックスルールも広幅巻尺とあわせて、この規格の試験対象に含まれています。ただしJIS1級かどうかは、長さの表記とは無関係に機種ごとに決まる項目です。シンワ測定の製品ページでも、メートル目盛がJIS1級と書かれている機種と、JISの記載がない機種が並んでいます。
JIS1級の許容差が具体的に何mmなのかは、公開されている資料では確認できませんでした。等級の意味と表示の見分け方はコンベックスのJIS1級の表示で解説しています。寸法を他人に渡す仕事、図面と突き合わせる仕事なら、同じ5.5mの中でもJIS1級の表示がある機種から選ぶのが安全です。家具の組み立てや棚付けのように、同じ1本で測って同じ1本で合わせる使い方であれば、表示の有無で困る場面はそれほど多くありません。
買う前に確かめる表示はケースと仕様欄のどこにあるか
テープ長さ・テープ幅・目盛の種類は、ケースの側面か背面の銘板と、商品ページの仕様欄の両方に書かれています。「5.5m×25mm」のように長さと幅が並記されるので、長さだけで型番を決めずに幅まで読んでください。メートル目盛だけなのか尺目盛を併記しているのかも、ここで分かります。
校正証明書が要るなら対象かどうかを先に見る
校正証明書は通常の購入には付属せず、有償で別途依頼します。シンワ測定では対象かどうかが製品情報のアイコンで分かるようになっていて、アイコンがない製品は発行できません。JCSS校正と一般校正の2タイプがあり、同社のフィットギア(極立・ライトギアを含む)は湾曲したテープのためJCSS校正の対象外で、一般校正なら対応できます。校正周期に決まりはないので、使用頻度や社内のルールで決めることになります。コンベックスそのものの成り立ちから確認したい場合はコンベックスとメジャーの違いと選び方で解説しています。
よくある質問
5.5mと5mはどちらを選べばいいですか
室内の寸法だけを測るなら、どちらでも足ります。差が出るのは、あと数十センチ届かずに測り直す場面がどれだけあるかという点で、天井高や階高を下から測る機会が多いなら5.5mに余裕があります。長さより先に決めたいのはテープ幅で、同じ長さでも19mmと25mmでは伸ばしたときの扱いやすさが変わります。
5.5mのコンベックスは5.5mまで正確に測れますか
目盛としては端まで使えますが、カタログ上の精度は出荷時の値です。シンワ測定は直尺の許容差について20℃を基準にすると記載していて、金属のテープは温度で伸び縮みします。許容差の読み方にも注意が必要で、±0.3mmと書かれていれば最大で0.6mmの幅が出るという意味です。長く引き出すほどテープのたわみも加わるので、精度を求める測定ほど短い距離で測ってください。
JISの記載がないコンベックスは精度が悪いのですか
JISの記載がないことと、精度が確認されていないことは同じではありません。たとえば金属製直尺のJIS規格は2mまでで、2mを超える直尺はJISマークの表示がなく、規格に準じた検査をして出荷されています。曲尺にもJISの等級はなく、精度は100mmにつき0.1mm以下という社内基準で管理されています。記載の有無は、等級の試験を通して表示しているかどうかの違いです。
まとめ
5.5mはテープの全長を示す表記で、室内の間口や天井高をひと伸ばしで測れる長さです。選ぶときは長さだけで決めず、テープ幅19mmと25mmのどちらが自分の測り方に合うか、JIS1級の表示が要る仕事かどうかを並べて確認すると、型番は自然に絞れます。校正証明書が必要なら、対象機種かどうかを買う前に見ておいてください。ぜひ本記事の長さごとの守備範囲とケースの表示の読み方を参考に、手元の作業に合う1本を選んでください。
