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デジタルテスターのおすすめ|CAT区分と真の実効値で選ぶ

デジタルテスターを選ぶとき、最初に決まるのは測れる項目の数ではなく、どの回路に当てるかです。本体に印刷された「CAT III 600V」のような表記がそれを示していて、ここが足りていないテスターは、機能がいくら多くても当てられない場所があります。

やっかいなのは、電圧の数字が大きいほうが強く見えることです。

CAT II 1000V と CAT III 600V を並べると後者のほうが小さい数字に見えますが、分電盤の中に当てられるのは後者のほうになります。

カウント数と確度の表記も別の項目で、表示が細かいからといって誤差が小さいわけではありません。

本記事では、測定カテゴリの読み分け・カウント数と確度表記の意味・用途から仕様を一本に絞る順番を解説します。

GOOD DIY編集部

測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

デジタルテスターの表記で最初に見るのは測定カテゴリ(CAT)

測定カテゴリは IEC 61010-2-030(国内では JIS C 1010-2-030)で決められた区分で、測りに行く回路が電源の入口にどれだけ近いかを表しています。

入口に近いほど、落雷や大きな機器の開閉で発生する過渡的な高電圧(サージ)のエネルギーが大きくなり、テスター内部で短絡が起きたときの被害も大きくなります。

区分は測れる電圧の上限ではなく、こうした突入エネルギーにどこまで耐える設計かを示すものです。

区分対象になる回路該当する人
CAT IIコンセントから先の機器側の回路家電の点検、電源アダプタや基板の確認
CAT III分電盤・配電盤、固定設置機器への屋内配線住宅・ビルの屋内配線工事、設備保全
CAT IV引込線、電力量計まわり、屋外の架空配線受電設備や引込部を扱う人

区分には必ず電圧がセットで書かれていて、読む順番は区分が先、電圧が後です。

CAT III 600V と CAT II 1000V を比べると、区分が上の CAT III 600V のほうが、より厳しい条件のサージ試験を前提にした設計になります。

住宅の分電盤やブレーカーの一次側に当てる可能性があるなら CAT III 600V 以上を基準にしてください。

機器の内部だけで完結する点検なら CAT II でも足ります。

アナログ式との使い分けを含めた全体像はデジタルテスターとアナログの違いと選び方で解説しています。

カウント数は表示の刻み、確度は誤差の幅

商品ページで数字が2つ並んでいるせいで混同されやすいのですが、この2つはまったく別のことを言っています。

カウント数が決めるのは表示できる刻みの細かさ

2000カウントの機種は最大表示が1999、6000カウントなら5999までを表示します。

600Vまで測るレンジに当てはめると、2000カウント機では1Vきざみ、6000カウント機では0.1Vきざみの表示になることが多く、同じ電圧を測っても読み取れる細かさが変わります。

古い表記の「3 1/2桁」は2000カウントとほぼ同じ意味で、先頭の桁が1までしか出ないことを指します。

細かく読めること自体に価値があるのは、微妙な電圧降下や抵抗値の差を見る場面に限られます。

確度は読み値の割合と下位桁の合計で書かれる

確度は「±(読み値の◯%+下位◯桁)」の形で書かれます。

仮に ±(読み値の1%+下位2桁) とあれば、100.0V を表示しているときの誤差は、読み値ぶんの1.0V に最小桁2カウントぶんの0.2V を足した1.2V までという意味になります。

読み値が小さくなるほど下位桁ぶんの影響が相対的に大きくなるので、レンジの下のほうで使う測り方は誤差が増えます。

なお抵抗レンジは確度の条件が電圧レンジと別に書かれていることが多く、測り方そのものにも手順があります。

回路につないだまま測ると値が合わない理由は抵抗測定で電源を切る理由と手順で解説しています。

真の実効値(True RMS)が要るのはインバータと調光が入る回路

交流電圧の測り方には2タイプあります。

平均値整流実効値方式は、波形がきれいな正弦波であることを前提に校正されていて、商用電源をそのまま測るぶんには問題がありません。

ところがインバータで駆動するエアコンやモーター、位相制御のかかった調光回路のように波形が歪んだ場所では、前提が崩れて表示がずれます。

真の実効値方式は波形が歪んでいても実効値を計算できる方式で、仕様表には「True RMS」や「真の実効値」と書かれます。

乾電池や直流電源の確認、コンセントの電圧チェックが中心なら平均値方式で足ります。

一方、設備側のインバータ機器や調光器を扱うなら真の実効値方式を選んでください。

ここを外すと、測定自体は成立しているのに数値だけが信用できない状態になり、原因の切り分けが止まります。

用途からデジタルテスターのおすすめ仕様を絞る順番

条件を上から順に当てはめると、候補はかなり絞られます。

  • どこの回路に当てるか → 測定カテゴリと電圧が決まる(分電盤に入るなら CAT III 600V 以上)
  • 波形が歪む機器を扱うか → 真の実効値方式の要否が決まる
  • 電流を測るか → 本体の電流レンジを使うか、クランプで測るかが決まる
  • どこまで細かく読むか → カウント数と確度が決まる
  • どこで使うか → 防塵防水の等級、片手で持てる大きさ、バックライトの要否が決まる

電流の行だけは補足が要ります。

本体の電流レンジはテストリードを差し替えて回路を切り離し、テスターを直列に入れて測る方式なので、動いている負荷の電流を知りたいだけなら手順が重くなります。

配線を外さずに測るならクランプメーターの選び方と用途別の使い分けで解説している方式のほうが向いています。

また第二種電気工事士の技能試験や実務で何を使うかは電気工事士の試験と実務で使うテスターで解説しています。

絶縁の良否や活線かどうかの確認は、テスターの守備範囲ではありません。

前者は絶縁抵抗計とメガーの関係、後者は検電器の低圧と高圧の違いをあわせて確認してください。

合わないデジタルテスターを選んだときに起きることと、仕様表の見る場所

定格が足りないテスターを当てたときに起きること

CAT 区分が足りない状態で分電盤の一次側に当てると、通常の電圧では何事もなく測れてしまいます。

想定より大きなサージが入ったときだけ内部で絶縁が破れ、短絡電流がアーク(放電)になって外に噴き出します。

電流レンジ付きの機種に高遮断容量ヒューズが入っているのはこのためで、同等品以外で代用すると保護が成り立ちません。

逆に、過剰な定格を選んでも測定値がよくなるわけではなく、重さと価格が増えるだけです。

定格は本体とテストリードの両方に書かれている

CAT 表記は本体の表示部まわりかケース裏に刻印されていて、商品ページでは「測定カテゴリ」「安全規格」の欄に載ります。

見落としやすいのがテストリード側で、リードにも独立して CAT 区分と電圧が決められています。

本体が CAT III 600V でも、付属リードや買い足したリードがそれ未満なら、組み合わせとしては低いほうに引き下がります。

確度・カウント数・真の実効値の有無は取扱説明書の仕様表に必ず書かれているので、購入前にメーカーサイトの説明書PDFを開いて確認するのがいちばん確実です。

国内メーカーの表記の違いは三和と日置の違いで解説しています。

よくある質問

DIYで家電を直すだけなら CAT II で足りますか

コンセントから先の機器側だけを測るなら CAT II の範囲に収まります。

ただし分電盤を開けてブレーカーの端子に当てる場面が一度でもあるなら、CAT III 600V 以上を選んでください。

あとから買い替えるより、最初からそちらにしておくほうが無駄がありません。

カウント数は多いほうがいいですか

多いほど表示の刻みが細かくなるだけで、誤差の大きさは確度の表記で別に決まります。

6000カウントで確度の緩い機種と、2000カウントで確度の厳しい機種なら、どちらが正確かは確度のほうを見ないと分かりません。

導通や電圧の有無を見る用途が中心なら、カウント数を上げる意味はほとんどありません。

確度は買ったあとも変わりませんか

仕様表の確度は出荷時の値で、使用温度や経年、落下の影響で動きます。

表示が出ているかどうかでは判断できないので、数値そのものを根拠に使う仕事なら、メーカーや校正事業者の定期校正に出してください。

測定手順そのものによる読み違いもあるため、基本の当て方は電圧・抵抗・導通の測り方で解説しています。

まとめ

デジタルテスターの仕様表で先に読むのは測定カテゴリと電圧で、分電盤に入るなら CAT III 600V 以上が基準になります。

カウント数は表示の刻み、確度は誤差の幅という別々の項目であり、歪んだ波形を扱うかどうかで真の実効値方式の要否が決まります。

この4つが決まれば、残るのは大きさと防水等級くらいです。

ぜひ本記事の読み分けを参考に、自分が当てる回路から仕様を逆算して選んでください。

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