SHARE:

壁掛けテレビの下地の探し方|金具の耐荷重と柱位置の基準

壁掛けテレビで最初に決まるのは、テレビのサイズでも金具の形でもなく、壁の中に柱がどう入っているかです。

石膏ボードはビスを保持できないため、固定できるのは下地の木材か鉄骨、またはコンクリート躯体に限られます。

木造在来工法なら間柱の間隔はおおむね455mm、ツーバイフォーなら303mmか406mmが多く、この間隔と金具の取付穴ピッチが合わなければ、その位置には付きません。

50インチ級のテレビと金具を合わせると20kg前後になり、荷重は上側のビスに集中します。

ボードアンカーだけで受けると、数か月後に壁ごと引き抜ける事故につながります。

本記事では、壁の中で何が起きているか・下地の探し方と判断の順序・間柱の間隔と金具の穴が合わないときの対処・補強板を入れる条件を解説します。

GOOD DIY編集部

測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

壁掛けテレビの荷重は下地の木材か鉄骨でしか受けられない

住宅の内壁は、間柱や胴縁の上に厚さ9.5mmか12.5mmの石膏ボードを張った構造がほとんどです。

石膏ボードは紙と石膏でできているため、ビスをねじ込んでも母材が崩れて保持力が出ません。

カタログに「ボードアンカー使用時の耐荷重」が書かれている金具もありますが、あれは面で受ける軽量物を前提にした値です。

壁掛けテレビで荷重のかかり方が特殊なのは、重心が壁から前方へ離れている点にあります。

テレビの重さが垂直に下へかかるだけでなく、壁から離れた位置に重心があるぶん、上側のビスを壁から引き抜く方向の力が常に働きます。

アーム式で手前に引き出す金具なら、その力はさらに大きくなります。

そのため、確実に受けられるのは間柱・柱・鉄骨スタッド・コンクリート躯体のいずれかです。

木造なら間柱に長さ60mm以上の木ネジを打ち込み、軽量鉄骨なら専用のドリルねじを使います。

コンクリートならアンカーの種類と下穴径がメーカー指定で決まっているので、金具の説明書どおりに施工してください。

下地を探す手順と、方式ごとに起きる読み違え

下地の位置を知る方法は、センサーで探る・磁石で拾う・針を刺して確かめるの3タイプに分かれます。壁掛けテレビでは最終的に大きな荷重をかけるので、1つの方法だけで決めずに重ねて確認してください。

センサーで当たりを付ける

下地センサーは壁の内部の密度差を読み取って、間柱のある範囲を示します。

探知できる深さは製品ごとに違い、ボード厚12.5mmまでの機種と、19mmまで対応する機種があります。

二重貼りの壁や、壁紙の上からさらに板を張った壁では浅い機種が反応しません。

方式ごとの深さと得意な壁については下地センサーの選び方で解説しています。

磁石でビスを拾う

ボードを間柱に留めているビスは、おおむね200〜300mm間隔で縦一列に並びます。

強力な磁石を壁に這わせてビスを数点拾えば、その縦のラインが間柱の中心です。

壁紙を傷めずに確認できるうえ、センサーが拾った範囲の中心を絞り込むのにも使えます。

針を刺して幅を確定する

最後に針式の下地探しで、下地の端と端を実際に突き止めます。

針が止まった位置が下地の縁で、刺さり抜ける位置が空洞です。

間柱の幅は木造在来で40mm前後なので、両端を押さえれば中心がほぼ決まります。

針穴は爪楊枝の先ほどで、壁紙を指でなでれば目立ちません。

使い方の手順は下地探しどこ太の使い方で解説しています。

間柱の間隔と金具の取付穴が合わないときの対処

壁掛け金具の取付穴ピッチは、400mm前後か、柱2本をまたぐ幅で開いている製品が多くなっています。

木造在来工法の間柱は455mm間隔が基本で、ツーバイフォーは303mmか406mmが主流です。

穴の位置と柱の位置がずれると、片側しか柱に当たらない状態になります。

対処は2つに分かれます。

1つは、横長のスリット穴を持つ金具を選んで、柱の位置に合わせてビス位置を動かすやり方です。

もう1つは、壁の上に補強板を1枚挟んで、板と柱をビスで留め、板に金具を留めるやり方になります。

板は厚さ15mm以上の合板を使い、柱2本以上にまたがる長さを確保してください。

片側だけ柱に当たっている状態で、もう片側をボードアンカーで済ませる施工は避けてください。

荷重が柱側のビスに集中し、アンカー側は壁紙ごと浮いてきます。

なお、工法が在来かツーバイフォーかで間柱の入り方そのものが変わる点についてはツーバイフォー住宅の下地の探し方で解説しています。

壁掛けテレビの取付位置は下地より先に決めない

先に高さと左右位置を決めてから下地を探すと、どこかでずれる可能性が高くなります。座ったときの目線に画面中央を合わせたい、テレビボードの中心に揃えたい、という希望は理解できますが、固定できる位置は壁の中の柱で決まっています。

現実的な進め方は、まず壁全体の柱の位置を一通り出し、その縦ライン上で上下方向の自由度を使って高さを決めるやり方です。

間柱は縦に通っているので、高さは比較的自由に選べます。

左右だけが制約になると考えると、計画が立てやすくなります。

金具が水平に付いているかの確認には、300mm前後の水平器を金具の上面に当てる方法が手軽です。

壁一面に基準線を引きたい場合はレーザー墨出し器を使う手もありますが、テレビ1台のためなら水平器で足ります。

長さや精度の選び分けは水平器とは?水準器との違いと失敗しない選び方で解説しています。

配線と電源の逃げ道も下地を探す段階で決める

金具が付いても、HDMIケーブルと電源コードが壁の前に垂れていると見た目が整いません。壁の中にケーブルを通す場合、通せるのは間柱と間柱の間の空洞だけで、柱そのものには穴を開けられません。

壁内に通すなら、入線口と出線口の両方が同じ空洞内に収まっているか、先に下地の位置で確かめてください。

途中に横方向の胴縁や間柱の火打ちが入っていると、そこで通線が止まります。

賃貸や、壁を開口したくない場合は、配線モールを使って壁表面を縦に下ろすほうが確実です。

電源については、壁内でのコンセント増設は電気工事士の資格が要る作業にあたります。延長コードを壁内に隠す施工も、点検できない場所に接続部を残すことになるので避けてください。

よくある質問

ボードアンカーだけで壁掛けテレビは付けられますか

重量のあるテレビでは避けてください。

アンカーの耐荷重表示は条件が整った静的な荷重を前提にしたもので、壁から前へ離れた重心による引き抜き方向の力は想定が異なります。

小型のモニター用金具で、メーカーが明確にボードのみの施工を認めている製品に限られます。

下地センサーが反応しない壁はどうすればいいですか

ボードが二重貼りになっているか、鉄骨下地で金属反応のモードが必要か、壁紙の下に金属箔を含む材料が入っている可能性があります。

磁石でビスを拾う方法に切り替えると、方式が違うぶん結果が出ることがあります。

それでも分からないときは、針式で直接確かめるのが早い手です。

コンクリート壁には下地探しは使えますか

針も磁石も使えません。

コンクリートに直接ボードを貼った壁では、GL工法といって団子状の接着材で浮かせて貼っている場合があり、ボードの裏に空洞ができています。

この壁にアンカーを打つと躯体まで届かないので、施工前にボードを貫通させて躯体の有無を確かめてください。

賃貸で壁掛けにする方法はありますか

壁にビスを打てない場合は、床と天井でつっぱる支柱タイプの金具を使う方法があります。

壁に固定しない構造なので、床の強度と天井の下地を確認してください。

退去時の原状回復の範囲は契約によるので、施工前に管理会社へ確認することをおすすめします。

手すりの下地探しと同じやり方でいいですか

探す手順は共通ですが、荷重のかかる向きが違います。

手すりは人が体重を預けるので瞬間的に大きな力がかかり、壁掛けテレビは常時一定の引き抜き力がかかり続けます。

固定できる位置の条件については手すりとホスクリーンの下地探しで解説しています。

まとめ

壁掛けテレビで決め手になるのは金具の性能ではなく、壁の中に柱がどこに入っているかという一点です。

センサーで範囲を絞り、磁石でビスのラインを拾い、針で両端を確定する。

この三段で位置が決まってから、高さと左右位置を柱に合わせて調整していきます。

柱と金具の穴が合わなければ、合板を挟んで荷重の受け面を作り直す判断になります。

取付位置を先に決めると、下地の位置と合わずにやり直しになることがあります。

ぜひ本記事の探し方の順序と補強板を入れる条件を参考に、壁の中を確かめてから金具を選んでください。

下地探しの道具そのものを揃えるところからなら、下地探しのやり方で針・磁石・センサーの選び分けを解説しています。

あなたへのおすすめ