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巻尺が戻らない・絡んだときの直し方と分解の見極め

テープから手を離しても途中で止まり、最後は押し込まないと収まらない。この症状でまず疑うのはゼンマイのへたりではなく、テープに付いた砂と粉じんです。コンベックスは金属テープを幅方向に湾曲させて直立性を出している構造なので、ケースの出口を通るときの抵抗がわずかに増えるだけで戻りが鈍ります。

一方、ある位置でカクンと止まって動かないなら、ケースの中でテープが折れ重なっている可能性が高く、その状態で強く引くと折れ目が増えます。症状ごとに手当ての順番が変わるので、拭くか、出し切るか、修理に出すかを先に決めてください。本記事では、戻らない・出ない・爪がぐらつくの切り分け、原因別の直し方、分解に手を出してはいけない理由を解説します。

GOOD DIY編集部

測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

巻尺が戻らない・出ないときに起きている4つの原因

症状の見た目は似ていても、中で起きていることは分かれます。よくある順に4つあります。

テープに付いた汚れと砂

いちばん多いのがこれです。土間やコンクリートの上でテープを引きずると、細かい砂がテープの表面とケースの出口に残り、巻き戻る動きを止めます。戻りが全長にわたって均一に鈍いときは、まずここを疑ってください。

テープの折れとクセ

湾曲したテープは、一度折れると折れ目から先の直立性が落ちます。折れた位置がケースの出口を通るたびに抵抗が出るため、「この長さまでは戻るのに、そこから先が動かない」という症状になります。折れ目そのものは元に戻りません。

ケースの中でテープが重なっている

勢いよく巻き戻したときに、内部でテープが正しい層に乗らず重なることがあります。引き出しも巻き戻しもできず、固まったように動かないのが特徴です。

ゼンマイのへたりと破断

巻き戻す力そのものが落ちている状態です。引き出すときの手応えが軽くなっていたら、ゼンマイが弱っているか切れています。これだけは使用者側で直せる範囲を超えます。

巻尺の症状から原因を切り分ける

手を動かす前に、どの症状に当てはまるかを見てください。引き出すときの手応えと、戻らなくなる位置の2つで、ほぼ振り分けられます。

症状考えられる原因次にやること
全長にわたって戻りが均一に鈍いテープとケース出口の汚れ全長を引き出して拭く
決まった長さから先だけ戻らないその位置のテープの折れ・クセ折れ目を確認し、使う長さで判断
引き出しも巻き戻しもできないケース内でテープが重なっているゆっくり引き出せるところまで出す
軽く引き出せるが戻る気配がないゼンマイのへたり・破断修理依頼か買い替えを検討する
先端の爪がカタカタ動く0点補正移動爪の正常な動き対処は不要

最後の爪のぐらつきを故障と考えて分解してしまう例がありますが、爪が動くのは仕様です。爪を対象物に押し付けて測るときと、引っ掛けて測るときでは爪の厚さぶんの差が出るため、それを打ち消すために爪の位置が動きます。固定されているほうがむしろ異常です。

原因別の直し方は4タイプで分かれる

汚れは全長を引き出して拭き取る

テープをいっぱいまで引き出し、乾いた布で両面を挟んで、先端側から根元に向かって拭きます。ケースの出口に砂が残っていることも多いので、出口の隙間も一緒に拭いてください。戻すときは手を添えてゆっくり送り返します。勢いよく戻すと、テープのエッジで指を切るうえ、内部で重なる原因にもなります。

水洗いできるのは機種が限られる

泥が固着して拭き取れないときに水洗いしたくなりますが、丸洗いに耐えるのはテープとバネの両方がステンレス製の機種だけです。シンワ測定ではタフギアHGシリーズがこれにあたります。それ以外の機種を水に浸けると内部のバネが錆び、戻らない症状が悪化します。ナイロンコートテープのフィットギアのように表面がコートされていても、守られているのはテープの摩耗に対してであって、内部までは別の話です。

ケース内の重なりは出し切ってから送り返す

動く範囲までゆっくり引き出し、抵抗が強くなったら止めて、少し戻してからまた引きます。無理な力で一気に引くと、そこでテープが折れて恒久的な症状に変わります。出し切れたら、ロックをかけながら手で少しずつ送り返してください。これで直らなければ内部の問題です。

折れたテープは元に戻らない

折れ目を指で伸ばしても、湾曲の断面が潰れている以上、直立性は戻りません。折れた位置が先端から3mのところで、普段測るのが室内の2m以内なら、そのまま使い続けても実害は小さいです。折れ目より先を日常的に使うなら交換を考えてください。コンベックスの直立性がどういう構造で出ているかはコンベックスとメジャーの違いと選び方で解説しています。

ゼンマイの分解は自分でやらない

ケースを開けて巻き直す手順が紹介されていることがありますが、内部のゼンマイは強い力で巻き締められた状態で収まっています。固定が外れた瞬間に勢いよく飛び出し、手や目にあたるおそれがあります。テープのエッジも刃物に近い鋭さなので、ばねの反発で走ったテープに触れると切創(せっそう)になります。

ゼンマイが切れていた場合、開けても部品が手に入らないので直せません。けがをしたときは自己判断で処置せず、医療機関に相談してください。分解した痕が残ると、保証期間内でも有償扱いになるのが一般的です。

修理に出すか買い替えるかの線引き

判断の分かれ目は、テープが無事かどうかです。テープが折れておらず、ゼンマイだけが弱っているなら修理の対象になります。テープが折れている、目盛が摩耗して読めない、ケースが割れているといった複数の症状が重なっているなら、買い替えのほうが現実的です。

シンワ測定はシンワサービスセンター(0120-305143)が修理窓口になっていて、電話とメールフォームで受け付けています。修理費用や購入店経由の要否は公開されていないので、症状を伝えて確認してください。タジマは1年間の無償修理を設けていますが、タジマへの製品登録を済ませていないと有償対応になります。落下など使用者側の過失があった場合は部品代のみの負担です。あわせて1年間の盗難・火災補償もあり、免責5,000円の自己負担で再購入できる仕組みになっています。型番ごとの違いはタジマのコンベックスの型番の選び方で解説しています。

精度が気になって校正を考える場合、校正周期に決まりはなく、使用頻度や社内のルールで決めます。校正証明書は通常の購入には付属せず、有償で別途依頼する形です。湾曲テープのコンベックスはJCSS校正の対象外で、一般校正なら対応できます。

やっても効果が薄い直し方

潤滑油をテープに塗る方法は、戻りが一時的に軽くなっても砂を呼び込むので、結局は元より悪化します。テープの表面に油膜が残ると目盛も読みにくくなります。

ケースを叩いて内部の重なりを解消しようとするのも、当たりどころ次第で爪やロックを曲げるだけに終わりがちです。折れ目をドライヤーで温めて伸ばす方法も、金属テープの断面形状は熱では戻らないので意味がありません。全部引き出してから手を離し、勢いよく巻き戻して詰まりを吹き飛ばすやり方にいたっては、新しい折れを作る原因そのものです。

次の1本を選ぶときは、使う場所に合わせてテープの保護を見てください。屋外や土間で引きずる機会が多いならナイロンコートなどテープ表面を守る仕様を、水や泥がかかる現場ならステンレステープの機種を選ぶと、同じ症状を繰り返しにくくなります。測る長さが30mを超えるなら、そもそもコンベックスではなく平らなテープの巻尺の領域で、こちらは巻尺の30m・50mの選び方で解説しています。

よくある質問

先端の爪がぐらつくのは故障ですか

故障ではありません。押し当てて測るときと引っ掛けて測るときの、爪の厚さぶんの差を打ち消すための0点補正移動爪という仕組みで、動くのが正常です。リベット部分が抜けかけて爪が傾く場合は別の症状なので、そのときは修理窓口に相談してください。

テープが折れた巻尺でも長さは正しく測れますか

折れ目のない範囲なら目盛そのものは変わりません。ただし折れた位置から先は真っすぐ保てなくなるため、手を添えずに伸ばして測る使い方はできなくなります。JIS1級という表示はメートル目盛に対するもので、折れた個体の状態を保証するものではありません。

100円ショップの巻尺も同じ方法で直せますか

テープの汚れを拭く、ケース内の重なりを出し切るところまでは同じです。グラスファイバー製の繊維テープはコンベックスのような湾曲がないので折れの症状は起きにくい反面、ケースの樹脂が割れると手の打ちようがありません。

まとめ

戻りが全長で鈍いなら汚れ、決まった位置で止まるならテープの折れ、手応えが消えていたらゼンマイと、症状で原因はほぼ振り分けられます。使用者側で手を入れられるのは拭き取りと重なりの解消までで、ゼンマイの分解はけがにつながるうえ部品も手に入りません。ぜひ本記事の切り分け表を参考に、拭いて済む症状か、窓口に相談する症状かを見極めてください。

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