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接地抵抗計と絶縁抵抗計の違い|測る対象がまったく別物

接地抵抗計と絶縁抵抗計を分けているのは、精度でも価格でもなく、測る電気の向きです。

接地抵抗計は接地極から大地へどれだけ電気が流れやすいかをΩで測り、絶縁抵抗計は電路と大地の間がどれだけ流れにくいかをMΩで測ります。

単位が6桁違ううえ、合格の向きも逆で、接地抵抗は小さいほど、絶縁抵抗は大きいほど良い値です。

一般住宅のD種接地工事なら100Ω以下、100V回路の絶縁抵抗なら0.1MΩ以上というように、根拠になる法令の条文も別になります。

片方の計器でもう片方の項目を測ることはできません。

本記事では、ΩとMΩで分かれる測定対象・定格測定電圧という絶縁抵抗計だけの表記・補助接地棒を打つかどうかという手順の違いを解説します。

GOOD DIY編集部

測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

接地抵抗計と絶縁抵抗計は、測る向きが正反対

どちらも「抵抗計」と名前が付きますが、測っている相手が違います。

接地抵抗計が見ているのは、接地極(アース棒や接地板)と大地の間の抵抗です。

地絡(ちらく)が起きたとき、漏れた電流を大地へ逃がす通り道の良し悪しを数値にしています。

接地抵抗は小さいほど合格

電流を逃がしたい側の抵抗なので、値は小さいほど良い状態です。

接地極の周りの土が乾いていたり、石が多かったりすると値は上がり、埋設深さが足りない場合も同じく上がります。

表示はΩ単位で、一般的な低圧設備の現場では数Ωから数百Ωの範囲を読みます。

絶縁抵抗は大きいほど合格

反対に絶縁抵抗計は、電線の被覆や機器の絶縁物がどれだけ電気を通さないかを測ります。

電路と大地の間、あるいは電線相互の間に直流電圧をかけて、わずかに流れる電流から抵抗を求める仕組みです。

通したくない側の抵抗を見ているので、値は大きいほど良く、表示はMΩ(メガオーム=100万Ω)単位になります。

被覆が劣化したり水が入ったりすると、この値が下がって漏電の原因になります。

ΩとMΩ、そして定格測定電圧の表記で見分ける

カタログや商品ページで迷ったときは、測定電圧の表記があるかどうかを先に見てください。

絶縁抵抗計には必ず「定格測定電圧」という項目があり、25V・50V・100V・125V・250V・500V・1000Vといった値の中から機種ごとに数種類が選べます。

これは計器が被測定物にかける直流電圧のことで、接地抵抗計の仕様表には出てきません。

見る項目接地抵抗計絶縁抵抗計
測る相手接地極と大地の間電路と大地の間、電線相互の間
表示単位ΩMΩ
合格の向き規定値以下(小さいほど良い)規定値以上(大きいほど良い)
仕様表の特徴測定レンジ、簡易測定の可否定格測定電圧(500V・1000Vなど)
主な付属品補助接地棒、長い測定コードラインプローブ、アースクリップ
別の呼び方アーステスタ、接地計メガー、絶縁計

付属品の箱を見ても判別できます。

補助接地棒と数十メートル級のコードリールが入っていれば接地抵抗計、赤いラインプローブとワニ口のアース線だけなら絶縁抵抗計です。

呼び名の面でも、現場で「メガー」と言えばほぼ絶縁抵抗計を指します。

この呼称の由来と選び方は絶縁抵抗計とメガーの関係で解説しています。

100Ω以下と0.1MΩ以上は、それぞれ別の条文から来ている

数値の根拠も別々です。

接地抵抗の基準は電気設備技術基準の解釈にある接地工事の種類で決まり、A種とC種が10Ω以下、D種が100Ω以下となっています。

D種とC種については、低圧電路に地絡を生じたときに0.5秒以内に自動遮断する装置を施した場合、500Ω以下まで緩和されます。

住宅や一般的な事務所のコンセント回路の接地は、このD種に当たります。

絶縁抵抗のほうは電気設備技術基準第58条で、使用電圧の区分ごとに値が決められています。

対地電圧150V以下(単相100Vなど)は0.1MΩ以上、300V以下でそれ以外(単相200Vなど)は0.2MΩ以上、300Vを超えるものは0.4MΩ以上です。

測定時の定格測定電圧は、100V・200V回路なら125Vまたは250Vレンジ、三相400V級なら500Vレンジというように、回路の電圧に合わせて選びます。

この2つは代替が効きません。

接地抵抗が規定値に収まっていても絶縁が劣化していれば漏電は起きますし、絶縁が良好でも接地が効いていなければ漏電時に電流が大地へ逃げず、漏電遮断器が正しく動作しない場合があります。

竣工検査では両方の測定値を記録します。

測定手順の違いは、補助接地棒を打つかどうかに出る

作業の負担という点でも、この2つははっきり分かれます。

接地抵抗計の基本である3極法(電位降下法)では、測定対象の接地極をE端子につなぎ、そこから一直線上に補助接地棒を2本打ち込んでP端子・C端子へ接続します。

棒を打てる土がないコンクリート構内や舗装された現場では、この手順が取れません。

そこで2極法の簡易測定や、多重接地された系統で使うクランプ式が選ばれます。

打ち込み位置や間隔で値が変わる点は、補助接地棒の打ち方と測定手順で解説しています。3極法と簡易法で結果にどれくらい差が出るかを知りたい場合は、3極法と簡易法の測定方法の比較のほうが近い内容です。

絶縁抵抗の測定は停電が前提になる

絶縁抵抗計は補助接地棒が要らない代わりに、電路を停電させてから測ります。

ブレーカーを切り、負荷側の機器を外してから電圧を印加する流れで、活線状態のまま端子を当てると正しい値が出ず、計器側も警告を出します。

電子基板を持つ機器がつながったままだと、印加電圧で機器を傷めることがあるので、分岐ごとに切り分けて測るのが基本です。

通電させたまま漏れ電流を見たい場合は絶縁抵抗計ではなく、クランプメーターの用途別の使い分けで扱っているリーククランプが受け持ちます。

2台揃えるか、絶縁抵抗計から先に買うか

どちらを先に用意するかは、停電させられる現場に入るかどうかで決まります。

既設設備の点検や不具合の切り分けでは絶縁抵抗を測る場面のほうが多く、分電盤の分岐単位で0.1MΩを下回る回路を探す作業は絶縁抵抗計だけで完結します。

接地抵抗計の出番は、接地極を新設・改修したときと、年次点検で接地抵抗値を記録するときです。

接地抵抗計は、測る場所によって方式が変わる

接地抵抗計を買う段階では、補助接地棒を打てる現場かどうかを先に確かめてください。

土のある敷地が中心なら3極法の標準的なモデルで足り、キュービクルや既設の多重接地系統を回るならクランプ式が候補に入ります。

方式ごとの向き不向きは接地抵抗計の3極法とクランプ式の違いで解説しています。

メーカーで絞り込む段階なら、日置のFT6031とFT6380の違いや共立電気計器KEW4300ほか現行機の比較が選び分けの材料になります。

なお絶縁抵抗と接地抵抗、さらに低抵抗測定までを1台にまとめた多機能モデルも各社から出ていますが、搭載機能は型番ごとに違います。仕様表に定格測定電圧と接地抵抗レンジの両方が書かれているかを、購入前に確認してください。

よくある質問

メガー(絶縁抵抗計)で接地抵抗は測れますか

測れません。

絶縁抵抗計は数十Vから1000Vの直流を印加してMΩ域の高い抵抗を読む構造で、数Ωから数百ΩというΩ域を正確に表示する回路を持っていません。

接地抵抗の測定には、専用の交流電流を流して電位差を読む接地抵抗計が必要です。

接地抵抗計で絶縁抵抗を代用できますか

こちらも代用できません。

接地抵抗計は被測定物に高い直流電圧をかけない設計なので、絶縁物の良否を判定できる領域まで測定範囲が届きません。

竣工検査や定期点検の記録として求められるのも、それぞれ専用機で測った値です。

どちらか1台だけ持つなら、どちらを選べばいいですか

停電して既設回路を点検する作業が中心なら絶縁抵抗計、接地極の施工や接地抵抗値の記録が業務に入るなら接地抵抗計です。

第二種電気工事士の範囲で住宅の改修や点検を行う場合、先に使う頻度が高いのは絶縁抵抗計のほうになります。

ただし接地工事を伴う施工では接地抵抗値の確認が求められるため、最終的には両方必要です。

まとめ

接地抵抗計と絶縁抵抗計は、名前が似ているだけで測る対象も合格の向きも逆の計器です。Ωで小さい値を目指すのが接地抵抗、MΩで大きい値を目指すのが絶縁抵抗で、仕様表に定格測定電圧が載っていれば絶縁抵抗計だと判断できます。

買う前に決めるべきことは、補助接地棒を打てる現場に入るかどうかと、停電させて回路を切り分ける作業がどれだけあるかの2点です。ぜひ本記事の単位と定格測定電圧の見分け方を参考に、自分の作業に要る1台から揃えてください。

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