SHARE:

ウッドデッキの水平の出し方|束石と根太で使う水平器の選び方

ウッドデッキで水平器を当てる相手は、仕上がりの床板ではなく、その下の束石(つかいし)と根太(ねだ)です。床板は反りも節もあるので、貼ってから測っても、その板1枚の癖を読んでいるだけになります。

精度の表記も先に意味をつかんでおくと迷いません。

1.0mm/mは1mあたり最大1mmのずれで、角度にすると約0.0573°です。

奥行き1.8mのデッキなら、カタログどおりでも端で2mm近い差が出る計算になります。

測る面より短い水平器は途中の凹凸を拾うため、長さの選び方でも読みが変わります。

本記事では、束石と根太のどこに当てるか・当て方で読みが変わる理由・水平が出ていないときに出る不具合・気泡管式とデジタル式で変わる手順を解説します。

GOOD DIY編集部

測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

ウッドデッキの水平は、床板ではなく束石と根太で決まる

ウッドデッキは下から、束石・束柱(つかばしら)・大引(おおびき)・根太・床板の順で組み上がります。

足を乗せる床板は最後に載るだけなので、デッキが水平かどうかは大引と根太の上端で決まっています。

床板を貼ってから傾きに気づいた場合、直すには床板をはがすところからやり直しになります。

束石は据えた時点の水平より、下地の締め固めを見る

束石の天端(てんば)に水平器を載せて気泡が中央に来ても、その下の砕石が締まっていなければ、数か月後に沈みます。

穴を掘って砕石を入れたら突き固め、束石を据えてから上から軽く叩いて、もう一度水平器を当て直してください。

叩く前と後で読みが変わるなら、まだ下地が落ち着いていません。

根太は長手と短手の2方向で当てる

根太1本の上で前後方向だけ見ても、デッキ全体がねじれているかどうかは分かりません。

1本の根太に沿って長手方向を測ったら、次は根太をまたぐ向きに水平器を渡して短手方向も測ります。

この2方向が揃って初めて、面として水平になっていると言えます。

水平器の当て方ひとつでウッドデッキの読みが変わる

同じ場所でも、当て方を変えるだけで気泡の位置は動きます。屋外の木部では、次の順で当ててください。

  • 当てる面の木くず・土・砂を手で払う。木くず1片でも、短い水平器なら気泡が1目盛分動きます
  • 水平器を面に置いたら、気泡管の真横に目線を下げて読む。斜め上から見ると視差で中央寄りに見えます
  • 読んだら水平器を180°回して同じ位置に置き直し、もう一度読む。両方で同じ側に寄るなら面が傾いており、逆側に寄るなら水平器自体に狂いがあります
  • ビスを締め込む前と後で2回測る。木は締め込みで引き寄せられ、下地の凹凸に沿って動きます
  • 根太の上では2本以上にまたがせる。1本の上だけだと、その材の反りを面の傾きと読み違えます

180°回して当て直す確認は、落とした直後や久しぶりに使うときに特に役立ちます。カタログの精度はあくまで出荷時の値なので、現場で狂っていないかは自分で確かめるしかありません。

水平が出ていないウッドデッキに出る不具合

傾いたまま仕上げると、まず家具が落ち着かなくなります。

テーブルの脚が1本浮き、椅子に座るたびにカタカタと動きます。

これは目で見て分かるので、気づいた時点でまだ軽いほうです。

実害が大きいのは水のほうで、床板の上に雨だまりができると、その部分だけ乾く時間が長くかかります。

木口(こぐち)は水を吸いやすいため、同じ塗装をしていても水が残る側から先に傷みます。

さらに、掃き出し窓との段差が左右で変わると、出入りのたびにつまずく高さが生まれます。

手すりを立てる場合は根太の傾きがそのまま柱の垂直に乗るので、柱を1本ずつ調整する手間も増えます。

なお、ウッドデッキを完全な水平にするか、排水のためにわずかな勾配を付けるかは設計で決まります。

勾配を取る場合、1/100勾配は1mで10mm、1/1000なら1mで1mmの高低差です。

この数値を意図して作るなら、気泡が中央に来ていること自体が誤りになるので、勾配用の気泡管を持つ機種か角度を数値で読める機種を選んでください。

よくある失敗と、その場での直し方

短い水平器で長い面を測ってしまう

300mmの水平器で3mの大引を測ると、10回に分けて測ることになり、1回ごとの読み違いが足し算になります。

600mm以上を主役にして、狭い場所だけ短いものに持ち替える使い分けが現実的です。

手元に長いものがないなら、反りのないまっすぐな角材の上に短い水平器を載せて、角材を定規代わりにします。

角材自体が反っていれば意味がないので、角材を180°入れ替えて同じ読みになるか先に確認してください。

床板の反りを面の傾きと読んでしまう

床板の上に水平器を置いて端が浮いていたら、傾いているのは板であって面ではないことがあります。

隣の板にも当ててみて、同じ側に同じだけ寄るなら面の傾き、その板だけずれるなら板の反りです。

板の反りなら、その1枚を裏返すか交換するほうが早く済みます。

完成直後だけ測って終わりにする

据え付けた直後に水平でも、束石の下が落ち着くまでは動きます。

完成から1シーズン、特に梅雨の長雨と冬の凍結融解をはさんだ後に、同じ場所へ水平器を当て直してください。

以降は年1回、木部の腐りや緩んだビスを見る点検とまとめて行うと忘れにくくなります。

沈んだ束が見つかったら、その束柱の下に調整板を入れるか、束石から据え直します。

要る道具と、ウッドデッキで代用が利く範囲

木部が相手なので、必要な機能は多くありません。

背面マグネットは鉄骨や配管に貼り付けるための機能なので、木のデッキでは使いません。

測定面のV溝もパイプに載せるためのもので、角材の上では関係がないです。

優先するのは長さと、落としても狂いにくいボディです。

アルミやアルミダイカストのプロテクタ付きなら、足場の上から落としても気泡管を割りにくくなります。

長さの考え方を含めて最初から整理したい場合は、水平器の選び方の5つの軸で解説しています。

代用が利くのは「長い定規」の部分だけです。

角材と短い水平器の組み合わせで、ある程度の長さは代用できます。

一方で、5mを超えるような距離を一度に見るのは水平器の守備範囲を外れます。

端から端まで通して見たいなら、水糸と水平器を併用する手順で扱っている張り方のほうが向きますし、束を何本も立てる規模ならレーザー墨出し器の選び方で解説している地墨とラインを使うほうが早く終わります。

気泡管式とデジタル式で手順が変わる点

気泡管式は当てた瞬間に読めるのが強みで、電池が切れて止まることもありません。

そのかわり読み手の目線に左右されるため、しゃがんで気泡管の真横から見る姿勢が前提になります。

屋外の作業では日差しで気泡管の中が見えにくくなるので、体で影を作って読むと安定します。

デジタル式は、置いてから表示が止まるまで1〜2秒待ってください。

待たずに読むと途中の値を拾います。

使い始めに平らな面へ置いてゼロ点を合わせ、180°回して同じ角度が表示されるか確かめる手順も要ります。

勾配を数値で管理したい場合や、角度そのものを記録したい場合はデジタル式が向きますが、寒い屋外では電池の消耗が早まるため、予備電池を持って出るのが前提になります。

使い分けの条件はデジタル水平器と気泡管の精度差で解説しています。

よくある質問

ウッドデッキは完全な水平にすべきですか

設計によります。

完全な水平で作る例も、排水のために1/100程度の勾配を付ける例もあります。

勾配を付けると決めたなら、気泡を中央に合わせるのではなく、勾配の量を数値で管理してください。

どちらにするか決めていないなら、まず水平で組み、水のたまる場所が出たら部分的に直すほうが戻しやすいです。

水平器は何mmを買えばいいですか

デッキの大引や根太を測るなら600mm前後を1本、束石の天端や束柱の垂直を見るのに300mm前後を1本という組み合わせが使いやすいです。

長いほど精度が高いわけではなく、長さは「どの範囲を1つの面として見るか」を決めるものです。

精度の表記は長さとは別に書かれているので、仕様表で両方を確認してください。

スマートフォンの水平器アプリで代用できますか

傾きの向きを知るだけなら使えますが、ウッドデッキの下地には向きません。

本体の底面が測定面として作られていないため、ケースの厚みや背面の出っ張りがそのまま誤差になります。

束や根太の調整のように、数mmの差で仕上がりが変わる作業では専用の水平器を使ってください。

水平器を落としてしまいました。そのまま使えますか

使う前に確認してください。

平らな面に置いて気泡の位置を覚え、水平器を180°回して同じ位置に置き直します。

両方で気泡が同じ側に寄るなら面が傾いているだけですが、逆側に寄るなら水平器が狂っています。

気泡管は割れると精度が戻らないため、ひび割れが見えた時点で交換してください。

まとめ

ウッドデッキの水平は床板ではなく束石と根太で決まるので、測る相手と測る順番を間違えなければ、仕上げてからやり直す事態は避けられます。

当て方は、面のゴミを払い、真横から読み、180°回して確かめる。

この3つが守られていれば、同じ水平器でも読みのばらつきは小さくなります。

据え付け直後に水平でも下地が落ち着くまでは動くので、1シーズン後の再確認までを1つの工程として考えてください。

ぜひ本記事の当て方と点検のタイミングを参考に、長く平らなままのウッドデッキに仕上げてください。

あなたへのおすすめ