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クランプメーターとは?選び方の5つの軸と用途別の使い分け

電流を測るだけならテスターでもできます。ただしテスターは回路に直列でつなぐ道具なので、測りたい電線をいったん外し、通電を止めてから配線をやり直すことになります。

クランプメーターは、この手間をなくすために電線を挟むだけで電流を読む作りになっています。とはいえ挟めば何でも読めるわけではなく、AC専用機に直流は入りませんし、mA単位の漏れ電流は負荷電流用の表示では動きません。

三相の3本をまとめて挟めば、表示はほぼゼロになります。

本記事では、テスターとの役割分担・AC専用とAC/DC兼用の違い・漏れ電流にリーククランプが要る理由・測る対象から選ぶ順番を解説します。

GOOD DIY編集部

測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

クランプメーターは電線を挟んだまま電流を読む計器

電線に電流が流れると、そのまわりに磁界ができます。

クランプメーターは開閉する輪(クランプ部)でその電線を囲い、磁界の強さから電流値を割り出す計器です。

被覆の上から挟むので、通電したまま、結線を一切触らずに測れます。

呼び方はいくつかあり、クランプテスター、カレントクランプ、現場では単に「クランプ」とも言われます。

どれも同じ道具を指す言い方で、別の計器があるわけではありません。

電圧や抵抗も測れる機種が多く、その場合はテストリードを差して使います。

挟むだけという手軽さから、分電盤での負荷の偏りの確認、機器の起動電流の確認、ブレーカーが落ちる原因の切り分けといった、停電させられない場面で使われます。

裏を返せば、回路を切ってよい場面ならテスターでも用は足ります。

クランプメーターが要るのは、活線のまま電流値を知りたいときです。

テスターでは回路を切らないと電流が測れない

デジタルテスターの電流レンジは、測定対象の回路に直列で入れて使います。

電流計そのものが回路の一部になる方式なので、配線を外して計器を割り込ませない限り数値は出ません。

動いている設備でこれをやるのは現実的ではなく、しかも入力端子を間違えたまま電圧をあてるとヒューズが飛びます。

加えてテスターの電流レンジは測れる上限が低めに設定されているのが一般的で、数十アンペアの負荷電流をそのまま入れる使い方は想定されていません。モーターや空調の電流を知りたい場面では、はじめからクランプメーターを使うほうが安全です。

一方で、電圧・抵抗・導通の確認はテスターのほうが扱いやすく、プローブも細い端子に届きます。

両方を持って使い分けるのが普通の運用で、テスター側の選び方はデジタルテスターとは?アナログとの違いと選び方の4つの軸で解説しています。

AC専用とAC/DC兼用でクランプメーターの中身が変わる

交流だけを測る機種は、クランプ部を変流器(CT)として使います。

交流は向きが絶えず変わるため磁界も変化し、その変化がクランプ部のコイルに電圧を生みます。

構造が単純で、同じ測定範囲なら安い側に収まります。

直流は流れる向きが一定なので、磁界も変化しません。

CT方式では何も検出できないため、AC/DC兼用機は磁界そのものの強さを読むホール素子をクランプ部に組み込んでいます。

太陽光発電のストリング、蓄電池まわり、EV関連、自動車の電装、直流で制御している設備は、この兼用タイプでないと測れません。

選ぶときに迷いやすいのがここで、交流の設備しか触らないならAC専用で足ります。

直流が1回でも出てくるなら兼用を選んでください。

あとから足せる機能ではありません。

両者の線引きはクランプメーターのおすすめ|AC専用とAC/DC兼用の選び分けでも用途別に解説しています。

漏れ電流はリーククランプでないと読めない

負荷電流を測る一般的なクランプメーターは、アンペア単位で値を表示します。

漏電の判断に使う漏れ電流はミリアンペア単位なので、桁がまるごと足りません。

分解能が粗い機種で挟んでも、表示は0.00のまま動かないか、周囲の影響でばらつく値が出るだけです。

漏れ電流を測るには、微小電流用に分解能を上げ、外来磁界の影響を抑える設計をしたリーククランプメーターを使います。

測り方も負荷電流とは逆で、単相なら2本、三相なら3本(接地線以外の全線)をまとめて挟みます。

正常なら行きと帰りが打ち消し合ってゼロになり、残った差分が大地へ逃げている電流です。

この道具が要る場面と通常品との違いはリーククランプメーターとは?通常品との違いと必要になる場面で、許容値の考え方と実際の測り方はクランプメーターの漏れ電流測定|許容値の目安と測り方の手順で解説しています。

なお、停電させてよい回路の絶縁劣化を調べるなら絶縁抵抗計とは?メガーとの関係と選び方の4つの軸で扱う測定のほうが直接的で、活線のまま調べたいときに漏れ電流クランプを使う、という住み分けになります。

クランプメーターが正しい値を返さない3つの場面

挟めば必ず読める道具ではありません。値が出ない、または信用できない典型が3つあります。

  • 往復の2本をまとめて挟んだとき。電源コードをそのまま挟むと、行きと帰りの電流が打ち消し合って表示はほぼゼロになります。家庭のコンセント機器を測るには、2本を分離したセパレート型の変換アダプタが要ります。
  • クランプ部が完全に閉じていないとき。合わせ面に鉄粉やゴミが挟まっていたり、変形して隙間ができていたりすると磁気の通り道が切れ、実際より低い値が出ます。
  • 隣の電線が近いとき。盤内で複数の線が密集していると、隣を流れる電流の磁界を拾います。できるだけ1本を引き出し、クランプの中心に置いて測ってください。

開口径より太いケーブルは物理的に挟めませんし、端子台の直近のように輪を回す余地がない場所も苦手です。挟む位置と読み方の作法はクランプメーターの使い方|挟む位置と数値の読み方を手順で解説で手順として解説しています。

タイプは測る電流の大きさで分かれる

製品は大きく3タイプに分かれ、どれを選ぶかは測る電流の種類と桁で決まります。

負荷電流用(AC専用)

最も数が多く、分電盤の各回路やモーターの運転電流を見る用途に向きます。

屋内配線と設備の保守が中心で、直流を触らない人はこのタイプで足ります。

電圧・抵抗・導通が測れる機種を選べば、テスターの代わりにもなります。

AC/DC兼用

ホール素子を積んだタイプで、太陽光・蓄電池・自動車電装・直流制御盤を扱う人向けです。測定前にDCレンジのゼロ調整が要る点だけ、AC専用機と手順が違います。

リーククランプ

漏れ電流専用に分解能を上げたタイプです。

漏電調査を仕事として行う人、定期点検で漏れ電流値を記録する人が対象で、負荷電流を測る用途には向きません。

負荷電流用と2台持つのが一般的です。

選ぶ順番は、測る対象から逆算する

カタログを並べて比べる前に、測る相手を先に決めてください。順番を間違えると、精度の高い機種を買ったのに挟めない、という結果になります。

見る順決めること判断の基準
1交流か直流か直流が1回でもあるならAC/DC兼用。なければAC専用
2アンペアかミリアンペアか漏れ電流を測るならリーククランプ。負荷電流とは別の道具
3挟む電線の太さ開口径が最も太いケーブルを上回るか。ケーブルラックや盤内の余裕も見る
4波形が歪む負荷かインバータ機器やLED照明が多いなら真の実効値(True RMS)方式
5使う場所の電圧と区分測定カテゴリ(CAT II/III/IV)と最大電圧が、作業する回路に合っているか

三相の設備を測る人は、三線式と四線式で挟む線が変わるため、クランプメーターで三相を測る手順|三線式と四線式の挟み方を先に読んでおくと機種の要件がはっきりします。

メーカーで絞りたい場合、国内では日置電機の機種が候補に挙がることが多く、型番ごとの違いは日置のクランプメーターはどれ?3280と3288の違いと選び分けで解説しています。

落としたクランプメーターをそのまま信用しない

カタログに載っている確度は出荷時の値です。

落下でクランプ部がわずかに変形すると、閉じたつもりでも磁気回路に隙間が残り、表示は低めに出ます。

見た目で分かるほど曲がっていなくても起こるので、落としたあとは一度確認してください。

自分でできる確認は2つあります。

閉じたときに合わせ面がぴたりと接しているかを目視し、ゴミや鉄粉が付いていれば乾いた布で拭き取ること。

もう一つは、値が分かっている負荷を測って比較することです。

別の計器が手元にあるなら、同じ電線を同じ位置で挟んで突き合わせると差が見えます。

DCレンジでは、何も挟まない状態でゼロを表示するかも確認してください。

数値そのものを保証する作業は校正になるため、メーカーまたは校正事業者へ依頼することになります。

頻度や費用は機種と依頼先で変わるので、購入時に窓口を確認しておくと後が楽です。

水濡れや分解の跡がある場合は、保証期間内でも有償扱いになるのが一般的です。

よくある質問

クランプメーター1台で電圧も測れますか

テストリードの端子を持つ機種なら、電圧・抵抗・導通も測れます。

ただし細い端子や狭い場所でのプローブ操作は、テスター専用機のほうが扱いやすいです。

電気工事を仕事にしているなら、両方を持っている人がほとんどです。

家庭用のコンセントにつないだ機器の消費電流は測れますか

電源コードをそのまま挟んでも、2本の電流が打ち消し合うためほぼゼロを示します。測るには、プラグとコンセントの間に入れて2本を分離するセパレート型の変換アダプタを使い、分かれた片側の線を挟んでください。

三相の3本をまとめて挟んだらゼロでした。故障ですか

故障ではありません。

平衡した三相では3本の電流のベクトル和がほぼゼロになるため、まとめて挟むと表示が出ないのが正常です。

各相の負荷電流を知りたいなら1本ずつ挟みます。

まとめて挟んで値が出る場合、それは漏れ電流として読む測り方になります。

AC専用機でバッテリーの電流は測れますか

測れません。

AC専用機は磁界の変化を利用する変流器方式なので、向きが変わらない直流では何も検出できません。

バッテリーや太陽光まわりを測るなら、ホール素子を使ったAC/DC兼用機を選んでください。

安いクランプメーターと高いものは何が違いますか

測定できる項目の数、真の実効値に対応しているか、測定カテゴリと最大電圧の区分、分解能、そして校正証明書が付くかどうかで差が出ます。屋内配線の負荷確認だけなら入門帯で足りますが、歪んだ波形の多い設備や、記録を残す点検業務では上位帯の仕様が必要になります。

まとめ

クランプメーターを選ぶときに最初に決まるのは、測るのが交流か直流か、そしてアンペアかミリアンペアかという2点です。

ここで機種タイプが決まり、残る変数は開口径・真の実効値の有無・測定カテゴリに絞られます。

挟めば何でも読めるわけではなく、往復線のまとめ挟み、合わせ面の異物、隣接線の影響という3つの場面では値が信用できません。

ぜひ本記事の選ぶ順番を参考に、自分が実際に挟む電線と電流の桁から逆算して機種を決めてください。

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