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絶縁抵抗計とは?メガーとの関係と選び方の4つの軸を解説

絶縁抵抗計を選ぶときに最初に決まるのは、表示の桁数でも本体の大きさでもなく、測る電路の使用電圧です。

100Vの分岐回路を見るなら125Vか250V、低圧の設備をひと通り見るなら500V、電子機器が載った回路なら25Vや50V。

ここが合っていない機種を買うと、測れはしても判定の根拠に使えません。

判定値のほうは省令で決まっていて、対地電圧150V以下の電路なら0.1MΩ以上が下限です。テスターの抵抗レンジで代用できないのも、絶縁抵抗計だけが直流の高い電圧をかけて漏れを引き出す構造になっているからです。

本記事では、メガーという呼び名との関係・定格測定電圧の決め方・アナログとデジタルの使い分け・測る前に切り離しておくものを解説します。

GOOD DIY編集部

測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

絶縁抵抗計は電路に直流電圧をかけて漏れを測る測定器

絶縁抵抗計は、配線や機器の充電部と大地(または別の線間)に直流電圧をかけ、本来流れてはいけない経路へどれだけ電流が逃げるかを抵抗値として読む測定器です。

被覆の劣化、結露や吸湿、端子部へのほこりの堆積、金属片の噛み込みといった原因で絶縁は少しずつ落ちていきますが、見た目では分かりません。

単位はMΩ(メガオーム)で、値が大きいほど漏れが少ない状態を示します。

メガーという呼び名も同じ道具を指す

現場では「メガー」「メガテスト」と呼ばれることのほうが多く、どちらも絶縁抵抗計のことです。

別の測定器があるわけではないので、カタログで「絶縁抵抗計」としか書かれていなくても探し物はそれで合っています。

呼び名が二通りある事情はメガーという呼称の由来で解説しています。

テスターの抵抗レンジでは代わりにならない

テスターの抵抗測定は内部電池のわずかな電圧で行うため、傷んだ絶縁でも「導通なし」と出てしまいます。

絶縁は、ある程度の電圧をかけて初めて弱いところが現れます。

測っているものが違うという点はテスターとの測定原理の違いで解説しています。

定格測定電圧のレンジ構成で機種が分かれる

市販機の定格測定電圧は25V・50V・100V・125V・250V・500V・1000Vあたりから組み合わされていて、何Vを積んでいるかが型番の違いそのものになっています。

低圧の一般的な設備だけなら500V単レンジでも仕事は回りますが、電子基板や通信機器を含む回路に500Vをかけると、絶縁を測る前に機器を壊す危険があります。

そうした回路には25Vや50Vといった低い測定電圧を使います。

逆に1000Vは、高圧機器の口出し線や長い幹線など、低い電圧では判断が付きにくい対象で使う電圧です。

手持ちの1台でどこまでまかなうかは、担当する設備の範囲で決まります。

住宅の改修と点検が中心なら125V・250V・500Xの3レンジ機、工場やビルの設備も見るなら上に1000Vが載った機種、という分かれ方になります。

判定値は省令で三段階に決まっている

低圧電路の絶縁抵抗値は、電気設備に関する技術基準を定める省令の第58条で下限が決まっています。測定値が大きいか小さいかを感覚で判断する場面はありません。

電路の使用電圧の区分絶縁抵抗値
300V以下で、対地電圧が150V以下0.1MΩ以上
300V以下で、上記以外0.2MΩ以上
300Vを超えるもの0.4MΩ以上

停電させられない電路では、絶縁抵抗の測定に代えて漏えい電流が1mA以下であることを確認する扱いがあります。

この確認には漏れ電流用のクランプメーターを使うので、絶縁抵抗計だけでは完結しません。

測れる対象の違いはクランプメーターの選び方で解説しています。

アナログとデジタル、絶縁抵抗計には2タイプある

表示方式は目盛りを指針で読むアナログ式と、数値で出るデジタル式に分かれます。どちらが上位ということはなく、見たいものが違います。

指針の動きを見たいならアナログ式

絶縁抵抗はケーブルの静電容量の影響で、測り始めてから値が動き、やがて落ち着きます。

指針式はこの落ち着き方や、じわじわ下がり続ける気配が目で追えるため、同じ回路を定期的に見て傾向をつかむ使い方に向きます。

目盛りの読み取りには慣れが要ります。

記録と速さを優先するならデジタル式

デジタル式は読み値がそのまま数字で出るので、点検表へ書き写す作業が速く、判定の迷いも出ません。

バーグラフを併記して指針の代わりにしている機種もあります。

複数人で同じ記録を残す現場なら、読み取りの個人差が出ないぶん扱いやすいでしょう。

測る電路の定格から絶縁抵抗計を逆算する

決める順序を間違えると、機能の多さで選んで使わないレンジにお金を払うことになります。次の順で絞ってください。

  • 担当する設備の使用電圧を書き出し、必要な定格測定電圧を決める
  • 電子機器を含む回路があるなら、25Vまたは50Vを持つ機種に絞る
  • 停電させずに下見する場面があるなら、交流電圧測定と活線警告の有無を見る
  • 導通確認を同じ1台で済ませたいなら、低抵抗レンジの有無を見る
  • 最後に電源方式(乾電池か充電式か)と、片手で握れる大きさかを確認する

同じシリーズでも型番によってレンジ構成が変わります。

日置電機ならIR4051とIR4052の違い、共立電気計器ならKEWシリーズの中での分かれ方を押さえると候補が一気に減るので、KEWシリーズの選び分けもあわせて見てください。

メーカーをまたいで横並びで比べたい場合は電圧レンジと用途から選ぶ機種の比較で解説しています。

当てる前に確かめたい絶縁抵抗計の3点

絶縁抵抗計は測定端子から直流の高い電圧を出します。活線に当てれば機器を傷め、人にも危険が及ぶので、測定前の手順は3つです。

  • ブレーカーを切り、検電器で充電部に電圧が残っていないことを確かめる
  • 測定後はケーブルに残った電荷を放電させる(自動放電機能の有無を確認しておく)
  • 避雷器やサージ保護素子、インバータ、電子制御の機器は回路から切り離す

3つ目を飛ばすと、絶縁が正常でも値が極端に低く出たり、機器側が壊れたりします。測定電圧の選び方と測定点の取り方は絶縁抵抗計の使い方と判定値の目安で解説しています。

絶縁抵抗計の狂いは表示を見ても分からない

カタログに書かれた確度は出荷時の値であり、落下・高温多湿での保管・長期間の放置で変わります。やっかいなのは、狂っても画面には普通の数字が出るところで、使っている側は気づけません。

自分でできる確認は、値が分かっている抵抗器を測って表示と合うかを見る方法と、同型の別の個体と同じ箇所を測って読み比べる方法です。

どちらも大きなずれを見つけるためのもので、確度を保証するものではないので、記録を残す点検に使う機器はメーカーや校正事業者に出して校正証明を取ることになります。

校正の周期は、社内規定や提出先からの要求で決まります。

電池ぶたの破損やテストリードの被覆の割れは、測定値以前に感電につながるので、そこで買い替えを検討してください。

よくある質問

500Vの1レンジだけの機種で足りますか

一般的な低圧設備の点検だけなら足ります。ただし電子基板や通信機器を含む回路に500Vをかけると機器を壊す恐れがあるため、そうした対象を扱う予定があるなら25Vや50Vを持つ機種を選んでください。

接地抵抗計があれば絶縁抵抗計は不要ですか

別の道具なので、どちらも必要です。

接地抵抗計は接地極と大地の間の抵抗を測る測定器で、電路の絶縁状態は分かりません。

測り方の違いは接地抵抗計の3極法とクランプ式で解説しています。

測定値が0.1MΩぎりぎりでした。合格でよいですか

対地電圧150V以下の電路なら省令の下限は満たしますが、下限付近の値は劣化が進んでいる状態です。同じ箇所を次の点検で測り直して、下がり続けていないかを見てください。

測定中に感電する危険はありますか

あります。

測定端子には直流の高い電圧が出ているため、測定中は端子やクリップの金属部に触れないでください。

測定後のケーブルには電荷が残るので、放電を確認してから外します。

まとめ

絶縁抵抗計は、担当する設備の使用電圧から必要な定格測定電圧を決め、そこへ電子機器の有無と活線警告などの安全機能を足していくと候補が絞れます。

判定は感覚ではなく省令の0.1MΩ・0.2MΩ・0.4MΩという三段階が基準で、停電できない電路では漏えい電流1mA以下で代える方法もあります。

表示方式は記録のしやすさで選べば十分です。

ぜひ本記事の選ぶ順序と測定前の3つの確認を参考に、自分の現場に合う1台を決めてください。

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