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クランプメーターで三相を測る手順|三線式と四線式の挟み方

三相200Vの回路でも、クランプメーターのコアに通すのは1本だけです。

R・S・Tを束ねて挟むと、負荷が平衡している回路では表示がほぼ0Aまで落ちますが、これは3本の電流のベクトル和がゼロになるためで、故障でも測定ミスでもありません。

やっかいなのは2本まとめて挟んだときで、残る1相とほぼ同じ値が表示されるので、正しく測れたように見えてしまいます。

配線が束ねられた盤の中では、この取り違えが起きやすくなります。

本記事では、三相3線式での挟み方の手順・まとめて挟んだときに出る数値の意味・インバータ二次側で誤差が出る条件を解説します。

GOOD DIY編集部

測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

三相でもクランプメーターのコアに通すのは1本だけ

クランプメーターは、電線のまわりにできる磁界の大きさから電流を読む道具です。コアの中に電流の往きと還りが両方入ると磁界が打ち消し合うので、単相でも三相でも、挟むのは1本の電線だけという原則は変わりません。

挟む前に確かめる3点

  • ファンクションがAC電流(A〜、ACA)になっているか。三相動力の負荷電流は交流なので、DC電流や電圧レンジのままでは正しい値が出ません
  • コアの合わせ面に鉄粉や塗料の付着がないか。わずかな隙間でも磁気の通り道が切れて、値が低く出ます
  • 測る電線の被覆が健全か。被覆が傷んでいる電線や、裸の充電部には近づけないでください

R相・S相・T相を1本ずつ3回読む

盤の中では電線が束ねられているため、まず1本だけを分離して挟める位置を探します。

ブレーカの二次側直後や、端子台から負荷へ向かう立ち上がり部分が取りやすい場所です。

電線はコアの中心に置き、開口部の端に寄せないようにします。

端に寄るほど磁界の分布が偏り、誤差が大きくなります。

表示が落ち着いてから読み、順にR相・S相・T相と記録します。

読み取りづらい姿勢になる盤内では、数値を保持するホールド機能を使って、手を抜いてから表示を確認してください。

挟む位置そのものの基本はクランプメーターの挟む位置と数値の読み方で解説しています。

三相で平衡していれば、3回の値はほぼ同じ大きさに揃います。

2本まとめて挟むと残り1相の電流が表示される

三相3線式には中性線がなく、3本の電流は瞬時値の和がゼロになります。この性質から、まとめて挟んだときの表示は挟んだ本数で決まります。

3本まとめると漏れ電流しか残らない

R・S・Tの3本を一度にコアへ通すと、負荷が正常なら表示は0A近くまで落ちます。

ここで出る微小な値は負荷電流ではなく、対地へ逃げている漏れ電流の成分です。

ただし一般的な負荷電流用のクランプメーターは分解能がmA単位まで届かないことが多く、漏れ電流の判定には使えません。

この測定を目的にするならリーククランプメーターと通常品の違いで説明している専用機が前提になります。

測り方と判定の目安は漏れ電流測定の許容値と手順で解説しています。

2本では正しい値に見えてしまう

R相とS相の2本をまとめて挟むと、表示されるのはT相の電流とほぼ同じ大きさです。

和がゼロになる以上、2本ぶんの合成は残る1相と大きさが等しくなるためで、平衡している回路では各相を単独で測った値とも一致します。

数値そのものはもっともらしく、誤りに気づく手がかりがありません。

この取り違えが響くのは、相ごとの比較をしたいときです。

負荷の偏りを調べる、特定の相だけ電流が大きい原因を探す、増設してよい余裕を見る。

どれも各相を個別に測って初めて判断できる話で、合成値を3回記録しても偏りは分かりません。

盤内で電線が重なっている場所では、隣の1本が一緒にコアへ入っていないか、挟んだ状態で目視してください。

三相の電流測定でつまずくのは挟み方より前の設定

波形がひずんでいる回路で値がずれる

インバータの二次側、電子化された照明回路、整流器を持つ装置の入力など、電流波形が正弦波から崩れている場所があります。

平均値整流型のクランプメーターは正弦波を前提に換算しているため、こうした回路では実際より低い値を示します。

ひずんだ波形を扱うなら真の実効値(True RMS)対応の機種を使ってください。

機種の表記と選び分けはAC専用とAC/DC兼用の選び分けで解説しています。

周囲の電線や磁性体を拾う

大電流が流れる幹線のすぐ横で細い分岐を測ると、外部磁界の影響で値が揺れます。

対象の電線をできるだけ他の導体から離し、コアの向きを変えて表示が動くかどうかを見てください。

表示が大きく動くなら、その位置での測定値は信用できません。

鉄製の盤枠やダクトに密着させた状態も同じ理由で避けます。

ゼロアジャストを忘れたまま直流を測る

AC/DC兼用機で直流電流を測る場合、クランプを閉じた状態でゼロ調整をしてから挟みます。

これを省くと残留磁気や地磁気ぶんのオフセットがそのまま加算されます。

三相の動力回路では交流測定が中心ですが、太陽光発電の直流側や蓄電設備を触るときは必ず調整してください。

三相の測定に要る道具と、テスターで代わりにならない範囲

必須なのはクランプメーター本体と、本体およびテストリードに記載された測定カテゴリ・最大定格電圧が測る回路に見合っていることの確認です。盤を開けて活線に近づく以上、絶縁手袋と保護メガネも合わせて用意します。

電流測定にテスターは代用できません。

テスターで電流を測るには回路を切って直列に挿入する必要があり、稼働中の動力回路では現実的ではないからです。

電圧の確認や導通チェックには引き続きテスターを使うので、役割が重なるわけではありません。

両者の守備範囲はデジタルテスターとアナログの違いと選び方で解説しています。

口径も見ておきたい項目です。

分電盤の幹線やブスバーは太く、小口径のクランプでは開口部に入りません。

測る対象のケーブル外径か、ブスバーの幅と厚みを先に確かめてから機種を決めてください。

開口径を含めた機種選びの軸はクランプメーターの選び方の5つの軸で解説しています。

なお、電流値が正常でも絶縁が劣化していることはあります。絶縁の良否は電流測定では分からないので、絶縁抵抗計とメガーの関係で扱っている測定器を別に使ってください。

測定の頻度は負荷の変動と季節で決める

三相負荷の電流値は、設備の運転状況でそのまま動きます。固定の間隔だけで決めるより、負荷が増減する節目に測るほうが実態をつかめます。

目安としては、設備の定期点検に合わせた年単位の確認に加えて、機器を増設したとき・モーターや制御盤を交換したとき・冷房や暖房の負荷が立ち上がる季節の入り口で測ります。電流が大きくなる条件のときに記録しておかないと、余裕があるのかどうかの判断材料になりません。

記録は相ごとに分けて残してください。

R・S・Tの値を並べて前回と比べると、特定の相だけ増えている、全体が底上げされている、といった変化の形が見えます。

1相だけ突出しているなら負荷の振り分けを見直す検討に入りますが、どこまでの差を許容するかは設備の条件で変わるため、電気主任技術者や保安管理業者の判断を仰いでください。

よくある質問

三相3線を3本まとめて挟んで0.00Aでした。壊れていますか

壊れていません。

三相3線式では3本の電流のベクトル和がゼロになるので、まとめて挟めば表示はほぼ0Aになります。

各相の負荷電流を知りたいなら、1本ずつ挟み直してください。

モーターの電流が銘板の定格より小さいのですが

銘板の電流値は定格出力で運転したときの値です。

軽負荷や無負荷で回っていれば、実測値はそれより小さくなります。

逆に定格を超えて流れている場合は、過負荷か機械側の異常を疑う材料になります。

三相4線式ではどう挟みますか

三相4線式でも各相を1本ずつ挟むのは同じです。

中性線にも電流が流れるため、負荷の偏りを見るときは中性線も個別に測ります。

4本すべてをまとめて挟んだ場合の表示は、3線式と同様に負荷電流ではなく漏れ電流の成分になります。

クランプに書かれた矢印の向きは守る必要がありますか

交流電流の大きさだけを読むなら向きは関係ありません。

向きが結果を変えるのは、直流電流の極性を見るときと、電力や位相角を測る機能を使うときです。

その機能を使う測定では、矢印を電流の流れる向きに合わせてください。

アース線を挟んで電流を測ってもいいですか

測定そのものはできますが、読み取れるのは接地線を流れている電流であって、負荷電流ではありません。数値が出る場合は漏電や不要な循環電流の可能性があるため、専用機での漏れ電流測定に切り替えて原因を追ってください。

まとめ

三相の電流測定でやることは、R・S・Tを1本ずつ、コアの中心に収めて3回読むという単純な作業です。

それでも誤った値が記録されるのは、2本まとめて挟んでも各相と同じ大きさの数値が出てしまうからで、表示を見ただけでは気づけません。

挟んだ状態で電線が1本だけ通っているかを目で確かめるひと手間が、いちばん確実な防ぎ方になります。

インバータの二次側を測るなら真の実効値対応かどうか、盤の幹線に当てるなら開口径が足りるかどうかも、測る前に決まる条件です。ぜひ本記事の挟み方の手順と失敗の見分け方を参考に、手元の機種で測れる範囲を確かめたうえで作業に入ってください。

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