デジタルテスターの使い方|電圧・抵抗・導通の測り方を解説
デジタルテスターで最初に確かめるのは、ダイヤルの位置ではなく赤いテストリードがどの端子に挿さっているかです。
電流用の端子に挿したまま電圧を測ると、テスターの内部で電源を短絡させることになり、ヒューズが飛ぶだけで済まない場合もあります。
ダイヤルをVに合わせていても、端子がA側のままなら回路は短絡します。
測定の順番は、端子を決める、ダイヤルを合わせる、リードが生きているか確かめる、それから当てる、という流れになります。
本記事では、端子とダイヤルの合わせ方・電流測定で直列につなぐ理由・ヒューズが飛ぶ失敗とその直し方を解説します。

GOOD DIY編集部
測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
デジタルテスターの使い方は端子の挿し位置から
多くの機種は端子が3つか4つあり、黒のテストリードを挿すCOM端子は1つだけです。
黒はCOMから動かさないと覚えてしまえば、以降は赤をどこに挿すかだけの判断になります。
赤の挿し先は、電圧・抵抗・導通なら「VΩ」と書かれた端子、電流なら「mA」または「10A」の端子です。
10A系の端子が独立しているのは、大きな電流を通すぶん内部のヒューズや配線が別になっているためです。
ダイヤルは測る量の種類で選ぶ
交流電圧はACVまたは波線のVマーク、直流電圧はDCVまたは直線のVマークです。
コンセントや分電盤の二次側は交流、電池や直流電源は直流で、ここを取り違えると値がまったく出ないか、極端に低い数値になります。
オートレンジ機ならレンジの桁は自動で切り替わりますが、マニュアルレンジ機では予想より1段上のレンジから始めて、値が小さければ下げていくほうが安全です。
当てる前にリードが生きているか確かめる
導通モードにして赤と黒の先端どうしを触れさせ、ブザーが鳴って0Ωに近い値が出れば、リードは断線していません。
この確認を省くと、断線したリードで「0V」と読んでしまい、充電部を無電圧と判断する事故につながります。
被覆の割れや先端のぐらつきも同時に見ておいてください。
電圧・抵抗・導通で変わるリードの当て方
電圧は回路と並列に、抵抗と導通は回路から切り離して測ります。当て方が逆になると、どちらも正しい値になりません。
電圧は通電したまま並列に当てる
コンセントなら左右の極に1本ずつ、端子台なら測りたい2点に1本ずつ当てます。
デジタル表示は当てた瞬間に数字が動き、1秒前後で落ち着くので、安定した値を読んでください。
活線に当てる以上、できるだけ片手で操作し、もう一方の手は接地物に触れない位置に置きます。
測り終えたら「本当に0Vか」を別の既知の電源で確かめ直すと、テスター側の不具合を切り分けられます。
抵抗と導通は電源を切ってから
抵抗測定はテスター側から微小な電流を流して、その電圧降下から値を求めます。
通電したまま当てると正しい値が出ないどころか、テスターや測定対象を壊す可能性があります。
コンデンサを含む回路では、電源を落としたあとも電荷が残るため、放電してから当ててください。
測る部品の両端が他の部品と並列につながっていると、そちらを回り込んだ値が表示されます。
この回り込みの見分け方はデジタルテスターの抵抗測定の手順で解説しています。
電流を測るときだけテスターを回路に直列でつなぐ
電流測定では、配線を一度外してその切れ目にテスターを割り込ませます。
負荷に流れる電流をテスターの内部に通すため、並列に当てる電圧測定とは手順そのものが違います。
赤リードはmA端子か10A端子に挿し替え、ダイヤルもA側に合わせます。
10A端子を使った大電流の測定は、連続して測れる時間に制限がある機種が多いので、取扱説明書の表記を確認してください。
実務では、通電中の回路を切ってテスターを入れる作業そのものが現実的ではない場面が多くあります。
配線を外さずに電流を読みたいなら、クランプ式のほうが手数が少なく済みます。
測れる範囲や交流専用か直流も測れるかの違いはクランプメーターの選び分けで解説しています。
使い方を間違えると、ヒューズでは済まないことがある
いちばん起きやすい事故は、電流端子に赤リードを挿したまま電圧を測ることです。
電流測定時のテスターは内部抵抗がほぼゼロで、これを電源の2点に当てれば短絡そのものになります。
保護ヒューズが切れて測定不能になるのが軽いほうで、電流の大きい回路ではアークが出て本体が破損することもあります。
測定を終えたら赤リードをVΩ端子に戻す習慣が、この事故を防ぎます。
CAT区分は測る場所で決まる
テスターには、想定する設置場所の過渡過電圧に対する耐量としてCAT II・CAT III・CAT IVといった区分と、その電圧値が表示されています。
分電盤より電源側を測るのに、コンセント回路向けの区分しかない機器を使うと、サージが加わったときに内部で絶縁が持ちません。
測定値が合っているかどうかの前に、その場所で使ってよい機器かを確かめてください。
区分と真の実効値の関係はCAT区分で選ぶデジタルテスターの比較で解説しています。
デジタルテスターでよくある失敗と直し方
表示が出ない、数値が暴れる
まず電池を疑います。
電圧が下がった状態では表示が消えるより先に値がずれることがあり、電池マークが出る前から精度は落ちていきます。
しばらく操作しないと画面が消えるオートパワーオフの機種もあるので、故障と決めつける前に一度ダイヤルを回し直してください。
それでも不安定なら、リードを別の1組に替えて切り分けます。
切ったはずの回路に数ボルトが出る
デジタルテスターは入力インピーダンスが高く、長い配線に並走する活線から静電誘導で生じた電圧まで拾います。
これは負荷をつなげば消える見かけの電圧で、実際に電気を供給する能力はありません。
低インピーダンス測定モードを持つ機種なら切り替えるだけで消えます。
活線かどうかの判定だけが目的なら、検電器の低圧用と高圧用の違いで解説している専用器のほうが確実です。
ヒューズが飛んだあとの交換
電流レンジだけが反応しなくなったら、内部の保護ヒューズが切れている可能性があります。
交換するときは、定格電流だけでなく遮断容量も同じものを選んでください。
ホームセンターのガラス管ヒューズで代用すると、次の短絡時に内部で溶断しきれず、本体ごと壊れる原因になります。
アナログとの使い分けと、点検するタイミング
デジタルは数値をそのまま読めますが、値が落ち着くまでの一瞬を待つ必要があり、電池が切れれば何も測れません。
アナログは針の動きで変化の方向が分かるため、可変抵抗を回しながら追うような使い方には向きます。
両者の構造上の違いはデジタルテスターとアナログの違いで解説しています。
点検は、使う前に毎回リードの導通を見て、既知の電圧源で表示が妥当かを確かめるところまでを1セットにしてください。
落下させたあとは、表示が出ていても内部のレンジ切り替えや保護回路が傷んでいる場合があるため、既知の電圧と抵抗の両方で確認します。
校正の周期は使用頻度と、現場や社内の規定で決まるため、何か月ごとという一律の答えはありません。
試験や実務で求められる機能の範囲は電気工事士が使うテスターの要件で解説しています。
よくある質問
家庭用コンセントの100Vはそのまま測れますか
赤リードをVΩ端子、ダイヤルを交流電圧に合わせれば測れます。
差し込み口の左右に1本ずつ当て、片手で操作してください。
使用前に、その機器のCAT区分と電圧表示がコンセント回路をカバーしているかを確かめます。
電池交換はどのタイミングで行いますか
電池マークが点灯したら交換してください。
表示が出る前でも、既知の電圧源で読んだ値がいつもよりずれていれば電池が原因のことがあります。
長期間使わないときは液漏れを避けるために抜いておくほうが安全です。
導通ブザーが鳴らないのに電気は来ています
導通モードは回路から電気が切れている前提の機能なので、通電中の回路に当てても正しく働きません。
電圧が加わっている状態での確認は電圧測定か検電器で行ってください。
鳴らない原因がリードの断線である場合もあるので、先端どうしを当てて鳴るかを先に見ます。
インバータ機器の電圧が実際と合いません
波形が正弦波から崩れている回路では、平均値を基準に換算する方式のテスターは値がずれます。
真の実効値に対応した機種なら、歪んだ波形でも実効値として読めます。
インバータやLED照明の回路を日常的に測るなら、この表記があるものを選んでください。
まとめ
デジタルテスターの手順でまず決まるのは、赤リードをVΩ端子に挿すか電流端子に挿すかです。
電圧は並列、抵抗と導通は電源を切ってから、電流だけは回路に直列でつなぐ、という当て方の違いを押さえれば、測定そのものは難しくありません。
測る前にリードの導通を確かめ、使い終わったら赤リードをVΩ端子に戻してください。
ぜひ本記事の端子とダイヤルの合わせ方を手順として固定し、毎回同じ順番で測るようにしてください。



