風速計とは?ベーン式と熱式と超音波の違いと選び方
風速計を選ぶとき最初に決まるのは精度の表記ではなく、測りたい風が屋外の強風なのか、空調の吹出口から出る微風なのかです。羽根の回転で測るベーン式は弱い風では羽根が回りきらず、熱線の冷え方を読む熱式のほうが微風には強くなります。
ここに可動部を持たない超音波式、風向きまで同時に読む風向風速計、気象観測で見かける風杯型を加えると、方式は5つに分かれます。方式が変われば測れる風域も価格帯も変わるので、スペック表を見比べる前に測る相手を決めるほうが早く絞れます。本記事では、風速計の方式ごとの向き不向き・風速と風量という別の値の関係・測る高さと平均の取り方で値が動く理由を解説します。

GOOD DIY編集部
測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
風速計が測るのは風の速さで、風量は別の表示
風速計は、ある一点を通る空気の速さをm/s(メートル毎秒)で表示する道具です。気象観測や建設現場の安全管理の指標、建物のメンテナンス、工場の環境測定、空調の風量点検まで用途は広いものの、どの場面でも読んでいるのは「センサーが置かれた場所の風の速さ」であって、その場所を通る空気の量ではありません。
ダクトや吹出口の点検では、風速ではなく風量(m³/min など)の値を求められることがあります。機種によっては風量を併記して表示しますが、この表示を持たない風速計で風量を知ることはできません。点検票に風量の欄があるなら、風量表示に対応した機種かどうかを買う前に確かめてください。この違いはハンディ風速計の選び方で、使い道の分かれ目として解説しています。
建設や鳶の作業では、風速が作業中止の判断材料になります。ただし何m/sで止めるかはクレーンや足場の規則、現場ごとの安全基準で定められているため、数値は所属の安全管理の基準書で確認してください。本記事では条文を確認できていないので、具体的な数値は挙げません。
風速計の方式は3タイプに分かれる
ハンディタイプで選択肢になるのは、ベーン式・熱式・超音波式の3タイプです。どれも最終的にm/sを表示しますが、風をとらえる仕組みが違うため、得意な風域がそれぞれ別の場所にあります。
ベーン式(羽根の回転で測る)
羽根車が風を受けて回り、その回転数から速さを求めるタイプで、ハンディ機の多くがこの方式です。構造が分かりやすく、屋外のある程度強い風を測るなら扱いやすい一方、羽根を回すだけの力がない弱風では読みが落ちます。羽根の向きを風に正対させないと値が下がる点も含め、ベーン式風速計の長所と苦手な風で解説しています。
熱式(熱線の冷え方で測る)
温めたセンサーが風で冷やされる度合いから速さを求める方式で、回る部品がないぶん微風に強く、吹出口やクリーンルームのように風が弱い場所の測定に使われます。センサーが細く露出している機種もあり、扱いには気を使います。微風域を測る予定があるなら熱式風速計の仕組みと注意点を先に読んでおくと、候補の絞り方が変わります。
超音波式(可動部がない)
超音波が空気中を伝わる時間の差から風速を求める方式で、羽根も熱線も使いません。摩耗する部品がないため長期の連続観測に向きますが、価格は上の帯になります。据え置きで長く回すのか、点検のたびに持ち出すのかで判断が変わる点を超音波風速計の精度と価格の差で解説しています。
風向きまで要るなら風向風速計か風杯型
速さだけでなく、どちらから吹いているかを記録したい場面では、上の3タイプとは別の形が必要になります。風杯型は、お椀状のカップを水平に並べて回転数から風速を求める形で、気象観測の支柱に付いている見慣れた形です。向きによらず一定の回転が得られるため、定点での長期観測に使われてきました。
風向きを読むには、風向計を組み合わせた風向風速計を選びます。建物の周りの風の抜け方を把握したい、粉じんや臭気がどちらへ流れるかを記録したい、といった目的では、風速の数値だけでは判断の材料になりません。反対に、吹出口の風量点検や足場での安全確認のように、測る位置と向きが最初から決まっている作業では風向きの表示は使わないまま終わります。どちらの現場が自分の仕事に近いかは、風向風速計が要る現場の条件で解説しています。
ハンディ型が標準になった理由と、その代償
市販されている風速計の多くが手のひらサイズなのは、測る場所まで持っていけるからです。吹出口の真下、屋上の端、足場の上と、風を知りたい場所は固定された観測点ではありません。温度表示を兼ねた機種なら、環境測定の記録を1台でまとめられます。
そのかわり、小さくしたぶんの代償があります。羽根を小型化すると弱い風では回りづらくなり、本体を手で持つ以上、体や腕が風をさえぎって値を下げることもあります。三脚固定を前提とした据え置き機のような連続記録には向かず、風向きを出さない機種がほとんどです。
入手先についても、取扱いは店舗や時期で変わります。ホームセンターで並ぶ帯と、計測器の専門店で扱う帯では、測定範囲も表示項目も別物です。
風速計の選び方は測る場所と風の強さから逆算する
方式が5つある以上、先に仕様表を比べても決まりません。測る対象から順に条件を落としていくと、候補は自然に数機種まで減ります。
1. 屋外の強風か、吹出口の微風か
屋外で数m/s以上の風を測るならベーン式で足りますが、吹出口やフード前の弱い気流を測るなら熱式が候補に上がります。ここで方式が決まるため、最初に確かめるのはこの一点です。長期の定点観測が前提なら、可動部のない超音波式や風杯型まで視野に入ります。
2. 風向きと風量が要るかどうか
風向きが要るなら風向風速計、点検票に風量の欄があるなら風量表示に対応した機種と、必要な表示項目で機種が絞られます。どちらも不要なら、風速と温度だけのシンプルな機種で用は足ります。
3. 電源と携帯のしかた
乾電池式は現場で替えが手に入る反面、長期間放置すると液漏れの心配があります。USB充電式はモバイルバッテリーから足せるので、1日持ち歩く使い方に合います。据え置きで連続記録するなら、電源の取り回しそのものが設置場所を決めます。
なお、測定範囲や精度の表記はメーカーごとに書き方が違い、風速計に共通する等級の決まりは確認できませんでした。数値を比べるときは、同じ条件の表記かどうかを仕様表で見てください。
同じ場所でも値が動くのは測る高さと平均の取り方
風速は時間とともに変わり続けるため、同じ場所で測っても押したボタンのタイミングで表示は変わります。瞬間値だけを見て記録すると、強い一陣を拾ったのか、たまたま弱まった瞬間だったのかが残りません。平均値や最大値を表示する機能がある機種では、一定時間の平均を取ったうえで記録するほうが、後から見返したときに意味のある数字になります。
測る高さも値を大きく変えます。地面や床に近いほど風は弱まり、建物や機械の陰では流れ自体が別の向きに変わります。屋上で測るのか、足場の高さで測るのか、吹出口から何cm離して測るのかを決めておかないと、同じ現場でも日によって数字が合いません。センサーを風に正対させる向きも含め、測り方で値がどれだけ動くかは風速計の使い方と平均値の取り方で解説しています。
よくある質問
スマートフォンのアプリで風速は測れますか
スマートフォン単体には風を検出するセンサーがないため、アプリが表示しているのは気象データの予報値か、外付けセンサーの測定値です。目の前の吹出口や足場の上の風を知りたいなら、風速計そのものが要ります。
ベーン式と熱式はどちらを買えばいいですか
屋外の風や、ある程度の強さがある気流を測るならベーン式で足ります。吹出口やフード前のように風が弱い場所を測る予定があるなら熱式です。両方の場面があるなら、測定下限がどこまで書かれているかを仕様表で見比べてください。
風速から風量を計算できますか
風量表示に対応した機種なら本体が表示します。風量を併記しない機種では、ダクトの断面積から自分で計算することになります。点検で風量の記録が要るなら、風量表示を持つ機種を選ぶほうが確実です。
落としたあとも精度はそのままですか
カタログに書かれた精度は出荷時の値です。羽根や熱線のような測定部を持つ以上、落下や衝撃のあとは値が変わる可能性があるため、既知の条件で比較するか、メーカーの点検を受けてから使ってください。
まとめ
風速計は方式で向き不向きが分かれる道具で、屋外の風ならベーン式、吹出口の微風なら熱式、長期の定点観測なら超音波式や風杯型という並びになります。風向きや風量の表示が要るかどうかで機種はさらに絞られ、仕様表の数値を比べるのはそのあとで足ります。
測り方でも値は動くため、測る高さと平均の取り方を決めてから記録してください。ぜひ本記事の選び方の順番を参考に、自分が測る風に合った1台を絞り込んでみてください。
