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レーザー距離計の仕組み|位相差で距離を出す測り方

レーザー距離計が測っているのは、長さではなく時間です。レーザー光を対象面に当て、反射して戻ってくるまでの往復にどれだけかかったかを求め、そこへ光の速さをかけて距離へ直しています。ただし光は1秒で約30万km進むため、1mmの違いは往復2mmぶんでも約6.7ピコ秒、つまり1兆分の6.7秒しかありません。この短さをストップウォッチのように直接計ることはできず、ハンディタイプの多くは光の波のずれを読む別の方法で距離を割り出しています。本記事では、往復時間を距離に直す原理・位相差とパルスという2タイプの違い・精度表記と基準面の読み方を解説します。

GOOD DIY編集部

測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

レーザー距離計の仕組みは、光の往復時間を距離に直すこと

本体から出たレーザー光は対象面で散乱し、その一部が本体の受光部へ戻ります。往復にかかった時間に光の速さをかけ、2で割ると片道の距離が出る、というのが原理そのものです。英語ではTime of Flight(飛行時間)と呼ばれ、頭文字を取ってTOFと書かれることもあります。

ここで前提になるのが、光が返ってくることです。レーザー距離計は自分で光を出して自分で受け取る道具なので、当てた面が光をほとんど返さなければ計算の材料そのものが手に入りません。黒い面やガラスで数値が出ないのは、故障ではなく原理どおりの結果です。

もう一つ、測っているのが本体内部の基準点から対象面までの直線距離だという点も押さえてください。本体の後端を壁に当てて測るのか、先端から測るのかで、実寸は本体の長さぶんだけずれます。距離計に基準面の切り替え機能が付いているのは、この内部基準を使い手側の基準に合わせるためです。測れる距離の上限や精度の見方をまとめて知りたい場合は、レーザー距離計の測定距離と精度の選び方で解説しています。

位相差とパルス|レーザー距離計の測り方は2タイプ

往復時間を求める方法は大きく2タイプに分かれ、どちらを採るかで出せる精度と届く距離が変わります。建築や内装で使うハンディタイプと、数百m先の目標を狙う屋外用とでは、同じ「レーザー距離計」でも中身の考え方が違います。

タイプ何から距離を求めるか得意な範囲よく使われる用途
位相差方式強弱を付けた光の波と、戻った波とのずれ数十mまでをミリ単位で内装・建築の寸法取り、面積や体積の算出
パルス方式短い光のパルスが戻るまでの時間そのもの数百m以上を粗い単位で屋外の目標までの距離、測量用途

位相差方式がミリ単位を出せる理由

位相差方式では、レーザー光の明るさを一定の周期で変化させながら照射します。戻ってきた光は、往復した距離のぶんだけ波の山と谷の位置がずれているので、そのずれ量から距離を逆算できるわけです。時間を直接計るのではなく波の位相を比べるため、ピコ秒の世界を電子回路で追いかけなくてもミリ単位の分解能が得られます。室内で壁から壁までを測る用途の製品は、ほぼこのタイプだと考えてよいでしょう。

パルス方式が長い距離に向く理由

パルス方式は、きわめて短い光のパルスを撃ち、戻るまでの時間を計ります。瞬間的に強い光を出せるので遠くまで届きやすい反面、時間の計測分解能がそのまま距離の分解能になり、ミリ単位までは詰めにくくなります。センチ単位、場合によってはメートル単位の表記になるのはこのためです。

精度表記に「/7m」が付かないのはなぜか

レーザー墨出し器のカタログでは「±1mm/7m」という書き方が一般的で、これは7m離れた位置でのずれが最大1mmという意味です。角度のずれが基準になる道具なので、距離が伸びればずれも比例して大きくなります。一方でレーザー距離計の精度は「±1.5mm」のように、距離を伴わない一定値で書かれることがほとんどです。往復時間という一つの量を測っているだけなので、誤差が距離に正比例して増える構造になっていません。

ただし、その数値が常に保証されるわけではありません。多くのメーカーは良好な条件での代表値として表示しており、反射しにくい面を狙ったとき、上限に近い距離を測ったとき、強い日射や低温下で使ったときには、別枠の誤差が加わると注記しています。仕様表の精度欄に小さく付いている注記は、そこを読むために置かれています。

加えて、カタログ精度は出荷時の値です。落下させた後や長く使った後も同じとは限らないので、既知の寸法が分かっている場所で定期的に当ててみてください。巻尺で確認できる3mから5m程度の壁間を一度測っておくだけでも、ずれの有無は判断できます。

黒い面やガラスで測れないのはレーザー距離計の仕組みによるもの

反射光が戻らなければ距離は出ない、という原理から、苦手な相手は先に見当がつきます。黒く艶のない面は光の多くを吸収するので、戻る量が足りず測定に失敗しやすくなります。ガラスや鏡のような平滑な面では、光が正反射して受光部へ戻らないか、ガラスを透過して奥にある面までの距離を返してしまいます。

面に対して斜めから当てた場合も同じで、散乱した光が本体の方向へ十分に返ってこないと数値が安定しません。屋外や明るい窓際で距離が出にくくなるのは、外光が受光部にとってのノイズになるためです。こうした場面では、白いターゲットプレートを対象面に当てて反射を作る方法が取られます。症状別の切り分けは黒い面やガラスで測れないときの対処で解説しています。

方式と精度と基準面は仕様表のどこに書いてあるか

仕様表で先に見る5項目

測定範囲は「0.05〜80m」のように下限と上限の両方で書かれ、下限より近い距離は測れません。精度欄は前述の代表値と注記をセットで読みます。保護等級はIP54と書かれている製品が多く、これは粉じんが入っても動作に支障がない程度、かつあらゆる方向からの水の飛まつを受けても有害な影響がない等級を指します。レーザークラスは安全に関わる表示なので、どのクラスであっても照射口をのぞき込まないでください。電源は乾電池式とUSB充電式があり、現場で電池を調達するか充電で回すかで選び分けます。

基準面の設定は仕組みの続きとして確認する

基準面は多くの機種で本体の後端と先端を切り替えられ、三脚ネジ穴を基準にできる製品もあります。設定を変えずに持ち替えると、本体の全長ぶんがそのまま誤差になります。壁に押し当てて測るなら後端、角から測るなら先端、と作業ごとに決めておくと取り違えが減ります。切り替えの手順と現場での使い分けは基準面の設定で結果が変わる使い方で解説しています。面積や体積の表示機能も、測った複数の距離を本体内部で掛け合わせているだけなので、元になる距離の基準面が揃っていなければ結果もずれます。見積りでの使いどころは面積と体積が出せるモデルの選び方で解説しています。

よくある質問

レーザー距離計とレーザー墨出し器は同じ仕組みですか

別の仕組みです。レーザー距離計は反射光から距離の数値を出す道具で、レーザー墨出し器は水平や鉛直のラインを面に照射して基準を示す道具であり、距離の数値は出しません。どちらもレーザーを使いますが、目的も内部の構成も分かれています。

巻尺より正確に測れますか

条件が揃えば有利です。長い距離ではテープのたわみや引っ張り方で数ミリの差が出るのに対し、レーザー距離計にはその要素がありません。ただし反射しにくい面を狙ったときや、本体を傾けて斜めに当てたときには誤差が増えるので、対象面の状態によって結果が変わります。

斜めの位置からでも高さを出せますか

ピタゴラス測定の機能があれば出せます。直角三角形の2辺を測り、残る1辺を内部で計算する方式で、足元に立てない天井高や外壁の高さを求めるときに使います。測る順序と当てる角度を間違えると値が合わないので、手順はピタゴラス測定で高さを出す手順で解説しています。

まとめ

レーザー距離計は光の往復時間を距離に直す道具で、室内用の多くは位相差方式によってミリ単位の分解能を得ています。精度表記に距離が付かないのはその構造によるものですが、表示値は良好な条件での代表値であり、黒い面やガラス、強い外光のもとでは前提が崩れます。仕様表では測定範囲の下限と上限、精度欄の注記、保護等級、電源方式を確認し、使う前に基準面を作業に合わせて設定してください。ぜひ本記事の方式と精度表記の読み方を参考に、自分が測る対象と場所に合う一台を選んでください。

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