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騒音計の校正は必要?検定との違いと依頼するときの流れ

騒音計の校正は、年に一度メーカーへ送る作業のことだと思われがちですが、測定のたびに使う人自身が行う感度確認も同じ「校正」と呼ばれます。音響校正器をマイクロホンに当てて表示を合わせるのが前者で、基準器と比較して器差を数値で示した成績書を受け取るのが後者です。

さらにややこしいのは、騒音計が計量法の特定計量器に指定されていて、校正とは別に「検定」という手続きがあることです。規格側の呼び名はJIS C 1509-1:2017のクラス1とクラス2、計量法側の呼び名は精密騒音計と普通騒音計で、同じ器械を指しているのに表記が揃っていません。本記事では、騒音計の校正が指す2つの作業・校正と検定の違い・クラス表記と精密/普通という呼び方の関係を解説します。

GOOD DIY編集部

測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

騒音計の校正は、使用前の感度確認と外部機関の定期校正に分かれる

同じ「校正」という言葉で呼ばれていても、作業の中身も、結果として手元に残るものも違います。測定値を他人に見せる予定があるなら、どちらをいつ行ったかを言えるようにしておいてください。

手続き行う人とタイミング分かること・残るもの
音響校正器による感度確認測定する人が、測定の前後にその場の表示が基準音と合っているか。記録は自分で残す
外部機関での校正メーカーや校正事業者に依頼基準器と比べた器差。校正証明書・成績書が残る
計量法の検定検定を行う機関に依頼国の技術基準に適合しているかの合否。検定証印が付く

音響校正器を当てて表示を合わせる

音響校正器(キャリブレータ)は、決まった周波数と音圧レベルの音を出す筒状の機器で、騒音計のマイクロホンに被せて使います。校正器に表示された基準値と騒音計の読みが一致していれば、その時点の感度は合っています。ずれていれば感度を調整してから測り始め、測定が終わったあとにもう一度当てて、前後で差が出ていないかを確かめてください。終了時にずれていたなら、その間に記録した数値はすべて疑う必要が出てきます。

機種によっては内部の電気信号で動作を確認する機能を持ちますが、マイクロホン自体の感度まで含めて見ているかどうかは機種ごとに違うので、取扱説明書の校正の項を読んでから運用を決めてください。

基準器と比較して成績書を受け取る

マイクロホンの振動板は、落下や水濡れ、粉じん、長期保管で少しずつ特性が変わります。自分の校正器で合わせられるのは「校正器の音に対して表示が合っているか」までなので、周波数ごとの特性や校正器そのもののずれは、より上位の基準器を持つ外部機関に出さないと分かりません。校正の間隔について一律の年数を示した公開情報は確認できませんでした。提出先の要求と、メーカーが取扱説明書や保証条件で示している推奨に合わせるのが現実的な決め方です。

校正と検定は別物|騒音計は計量法の特定計量器

騒音計は計量法の特定計量器で、技術基準は特定計量器検定検査規則で定められており、2015年の改正でJIS C 1516が引用されるようになりました。検定は、この技術基準に適合しているかを確かめて合否を出す手続きで、合格した器械には検定証印が付きます。

一方、校正は合否を出す手続きではありません。基準器と比べて、手元の騒音計がどれだけずれているかを数値で示すところまでが校正で、そのずれを使う側がどう扱うかは測定の目的によって変わります。校正証明書を持っていても検定を受けたことにはならず、逆に検定証印が付いていても、その後の落下や経年変化までは保証しません。行政への提出や苦情対応の記録のように、測った数値が証明として扱われる場面では検定の有無を問われることがあるので、必要かどうかは提出先に先に確認してください。

JIS C 1509-1のクラス表記と、精密・普通という呼び方の関係

現行の規格はJIS C 1509-1:2017(電気音響-サウンドレベルメータ(騒音計)-第1部:仕様)で、国際規格のIEC 61672-1:2013に対応しています。この規格での区分はクラス1とクラス2で、計量法側ではクラス1が精密騒音計、クラス2が普通騒音計にあたります。2005年の規格統合により、JIS C 1509-1からは精密・普通という呼称の区分記述が外れたという解説もあります。

手元の騒音計が旧規格の表記でも、それだけで使えないと決まるわけではありません。環境省の騒音測定マニュアルでは、JIS C 1509-1に適合する騒音計が使えない場合にJIS C 1502またはJIS C 1505に適合する騒音計を用いてよいとしています。クラスごとの許容差がどの周波数でどれだけ違うかは規格本文で定められており、等級の選び分けは騒音計のJIS規格とクラス1・クラス2の違いで解説しています。呼び方の対応だけ知りたい場合は、普通騒音計と精密騒音計の違いも合わせて読んでください。

どこまでやるかは、測った数値を誰に出すかで決まる

校正の手間と費用をどこまでかけるかは、精度への好みではなく、測定値の行き先で一意に決まります。

自分と社内で使う数値か、外に出す数値か

工場内の作業環境を自分たちで把握する、店舗の空調音が前より大きくなっていないかを比べる、といった用途なら、音響校正器による感度確認を測定のたびに行い、その記録を残しておけば運用として成り立ちます。測った数値を行政や取引先、近隣との協議の場に出すのであれば、検定や校正の履歴が求められる前提で機器を選ぶことになります。使う日数が年に数日しかないなら、校正の管理ごと借りてしまう判断もあり、騒音計のレンタルと購入の分かれ目では日数での線引きを解説しています。

設定が目的と合っていなければ、校正は無意味になる

感度が合っていても、周波数重み付けと時間重み付けの設定を外すと、目的の数値は出ません。環境騒音の評価はA特性が基本で、低音域まで含めて見たい場合にC特性を使います。どちらで測るかの判断はA特性とC特性の違いで解説しています。時間重み付けはF(fast)とS(slow)があり、環境省のマニュアルでは、時間重み付け特性Sの騒音レベルを0.1秒以下でサンプリングして連続記録できるものをⅠ型、積分平均型をⅡ型とする区分が示されています。連続記録が要るかどうかは、デジタル騒音計の測定範囲と記録機能と合わせて決めてください。

ずれた騒音計は、エラーを出さずに普通の数値を表示する

感度がずれた騒音計でも、電源は入りますし、数値も問題なさそうな桁で表示されます。警告が出るわけでも、表示が点滅するわけでもないので、測っている最中に気づく方法がありません。マイクロホンの感度変化はゆっくり進むため、前回の測定と並べて比べても「そういうものか」で通ってしまいます。

判定の基準値ぎりぎりを測る場面では、わずかなずれで結論が逆になります。苦情を受けた側が自前で測って問題なしと判断した数値が、あとから検定済みの器械で測り直して覆るという事態は避けたいところです。測定前後の感度確認を日付入りで記録に残すこと、落下や水濡れがあった器械はその場で使用を止めて点検に出すこと、この2つを決めておけば、数値の信頼性を後から説明できます。騒音の大きさそのものの目安と測る位置については、騒音は何dBからうるさいかで解説しています。

よくある質問

騒音計の校正は自分でできますか

音響校正器があれば、基準音に対して表示を合わせる感度確認は自分で行えます。ただし基準器と比較した器差を証明する校正証明書は、校正を行う機関でなければ発行されません。校正器自体も経年でずれるので、校正器の校正状態もあわせて管理してください。

校正をしていない騒音計の数値は使えませんか

社内での比較や、自分の生活環境を把握する目的であれば使えます。使えなくなるのは、測った数値を証明として外に出す場面です。提出先が検定証印や校正証明書を求めているかどうかで、必要な手続きが変わります。

スマートフォンの騒音計アプリは校正できますか

アプリ側に補正値を入力する機能があっても、音を拾うのは通話用のマイクで、その特性は機種ごとに違います。基準音を当てて1点合わせたとしても、周波数ごとの特性まで専用機と同じにはなりません。使える場面の線引きは騒音計アプリの精度と専用機との差で解説しています。

まとめ

騒音計の校正は、測定のたびに音響校正器で感度を合わせる作業と、外部機関で器差を証明してもらう作業の2タイプがあり、計量法の検定はそのどちらとも別の手続きです。どこまで必要かは、測った数値を自分たちで使うのか、証明として外に出すのかで決まります。規格の表記はJIS C 1509-1:2017のクラス1・クラス2、計量法の呼び方は精密騒音計・普通騒音計で、同じ器械を指していることも押さえておいてください。ぜひ本記事の3つの手続きの違いを参考に、自分の測定値の行き先から必要な校正の範囲を決めてください。

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