騒音計のJIS規格|クラス1とクラス2で何がどう変わるか
騒音計の商品ページにある「JIS規格準拠」という一文だけでは、測定結果を提出先に出せるかどうかは決まりません。現行の騒音計のJISはJIS C 1509-1:2017(電気音響-サウンドレベルメータ(騒音計)-第1部:仕様)で、国際規格IEC 61672-1:2013に対応しており、この規格の中で騒音計はクラス1とクラス2に分かれます。計量法ではクラス1が精密騒音計、クラス2が普通騒音計にあたり、さらに騒音計は計量法の特定計量器なので、用途によっては検定を受けた個体かどうかまで問われます。本記事では、JIS C 1509-1のクラス1とクラス2の違い・計量法の検定との関係・A特性や時間重み付けといった等級とは別の表記の読み方を解説します。

GOOD DIY編集部
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※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
騒音計のJISはJIS C 1509-1:2017を指す
騒音計まわりで「JIS」と書かれているとき、現在の中心にあるのはJIS C 1509-1:2017です。表題は「電気音響-サウンドレベルメータ(騒音計)-第1部:仕様」で、国際電気標準会議のIEC 61672-1:2013に対応した内容になっています。国際規格に対応しているため、海外メーカーの製品でもIEC 61672-1クラス1、クラス2という表記で仕様が書かれていることがあり、これはJIS C 1509-1のクラス表記と同じものを指していると読めます。
以前は精密騒音計がJIS C 1505、普通騒音計がJIS C 1502という別々の規格で定められていて、2005年の規格統合でこの2つがJIS C 1509-1にまとめられたという解説があります。古い機械がJIS C 1502適合と書かれているのはそのためで、規格が統合されたからといって手元の個体が即座に使えなくなるわけではありません。環境省の騒音測定マニュアルでも、JIS C 1509-1に適合する騒音計が使えない場合はJIS C 1502またはJIS C 1505に適合する騒音計を使ってよいとしています。騒音計そのものの位置づけや、精密と普通の呼び分けについては騒音計とは何かと普通騒音計・精密騒音計の違いで解説しています。
JISのクラス1・クラス2と計量法の精密騒音計・普通騒音計
読み分けが面倒なのは、規格側の呼び方と法令側の呼び方が並行して使われているところです。JIS C 1509-1はクラス1とクラス2という等級で区分し、計量法ではクラス1が精密騒音計、クラス2が普通騒音計にあたります。同じ製品が「クラス2」とも「普通騒音計」とも紹介されるのは、どちらの言葉で呼んでいるかの違いです。
| 表記 | 意味 | この表記を探す人 |
|---|---|---|
| クラス1 | JIS C 1509-1の上位等級。計量法では精密騒音計にあたる | 計量証明や、条例・指針に基づく測定で等級を指定されている人 |
| クラス2 | JIS C 1509-1の下位等級。計量法では普通騒音計にあたる | 一般的な環境騒音の測定、現場や工場の自主管理を行う人 |
| JIS C 1502 / JIS C 1505 | 統合前の旧規格。順に普通騒音計、精密騒音計 | 手元の既存機の表記を確認している人 |
等級が違うと何が変わるのか
クラス1とクラス2の差は、周波数ごとの応答や各種の性能にどこまでの許容差を認めるかにあります。許容差の具体的な数値はJIS C 1509-1の規格本文に定められています。実務上の読み方としては、クラス1のほうが許容される誤差の幅が狭く、提出先から等級を指定されるのはクラス1のほうだと考えてください。
どちらのクラスの騒音計を選ぶかは提出先で決まる
等級選びで迷ったら、測った数値を誰に見せるのかから逆算してください。順序は3つです。
- 行政への報告や計量証明に使うなら、まず提出先に等級の指定があるかを確認する。騒音計は計量法の特定計量器なので、検定を受けた個体が要るかどうかもあわせて聞く
- 社内や現場の自主管理で、傾向と対策の効果が分かればよいなら、クラス2(普通騒音計)の範囲で判断できる
- 自宅の生活音がどの程度なのかを知りたいだけなら、まず測る位置と時間帯を決めるほうが先に来る
3つ目に当てはまる人がクラス1を買っても、測り方が定まっていなければ数値は安定しません。何dBから問題になるのかという目安と測定位置の取り方は騒音は何dBからうるさいかと測る位置の決め方で解説しています。また、等級の指定がある測定を年に数回しか行わないのであれば、購入ではなく借りる選択もあります。使用日数での分かれ目は騒音計をレンタルと購入のどちらにするかの判断で解説しています。
A特性や時間重み付けは等級とは別の表記
仕様表にはクラス表記のほかに、アルファベット1文字の表記がいくつも並びます。これらは等級の上下ではなく、音をどう重み付けして測るかの設定です。
周波数重み付けのAとC
A特性は人の耳の感じ方に近づけて低い周波数の感度を落とした重み付けで、環境騒音の評価はこのA特性による騒音レベルが基本になります。C特性は低い周波数をあまり落とさない重み付けで、低周波寄りの音の成分を見たいときに使います。どちらで測るかで数値そのものが変わるため、記録には特性もあわせて残してください。使い分けは騒音計のA特性とC特性のどちらで測るかの判断で解説しています。
時間重み付けのFとS、そしてⅠ型とⅡ型
時間重み付けはF(fast)とS(slow)の2タイプで、音の変動への追従の速さが違います。これに加えて環境省の騒音測定マニュアルには、Ⅰ型とⅡ型という測定器の区分が出てきます。同マニュアルでは、Ⅰ型は時間重み付け特性Sの騒音レベルを0.1秒以下でサンプリングして連続記録できるもの、Ⅱ型は積分平均型とする区分を示しています。クラス1・クラス2という規格の等級とは別の軸なので、マニュアルでⅠ型を求められている場合は、記録とサンプリングの仕様まで確認が要ります。記録機能そのものの選び方はデジタル騒音計を測定範囲と記録機能で選ぶ方法で解説しています。
JIS適合と検定済をどこで確認するか
確認する場所は3か所です。1つ目は仕様表の規格欄で、ここに「JIS C 1509-1 クラス2」「IEC 61672-1 Class 2」のように規格番号と等級がセットで書かれていれば、どの等級として設計された製品かが分かります。等級が書かれず「JIS規格準拠」とだけある表記では、どちらの等級なのかは読み取れません。
検定証印と有効期間
騒音計は計量法の特定計量器で、技術基準は特定計量器検定検査規則で定まり、2015年の改正でJIS C 1516が引用されるようになりました。検定を受けた個体には検定証印と有効期間があるため、取引や証明に使う測定では、製品の仕様ではなくその個体の検定が生きているかを見ます。
校正証明書
校正証明書は検定とは別の手続きです。検定との違いと依頼の流れは騒音計の校正が必要になる場面と依頼の流れで解説しています。
なお、検定付きの個体は扱う販売店が限られ、取扱いは店舗や時期によって異なります。注文前に検定証印の有無と有効期間を問い合わせてください。
よくある質問
「JIS規格品」と書かれていれば、そのまま行政への報告に使えますか
使えるとは限りません。確認するのはJIS C 1509-1のクラス1かクラス2か、そして計量法の検定を受けた個体かどうかの2点です。取引や証明にあたる測定では検定済みの特定計量器が求められるため、規格適合の表記だけでは判断できません。提出先に等級と検定の要否を確認してください。
手元の騒音計がJIS C 1502適合でした。もう使えませんか
環境省の騒音測定マニュアルでは、JIS C 1509-1に適合する騒音計が使えない場合はJIS C 1502またはJIS C 1505に適合する騒音計を使ってよいとしています。旧規格だから一律に不可になるわけではありません。ただし提出先の要領が規格番号を指定していることもあるので、その点は個別に確認が要ります。
クラス2の騒音計はクラス1の代わりになりますか
なりません。クラス1は許容される誤差の幅がクラス2より狭い上位等級で、クラス1を指定された測定にクラス2の機械を持ち込むことはできません。逆に、クラス2で足りる測定にクラス1を使うのは問題ありませんが、価格は上位帯になります。
まとめ
騒音計のJISはJIS C 1509-1:2017で、クラス1が計量法の精密騒音計、クラス2が普通騒音計にあたります。選ぶ順番は、測った数値の提出先に等級と検定の指定があるかを確かめ、指定がなければクラス2の範囲で検討し、記録やサンプリングの要件があればⅠ型・Ⅱ型の区分まで見る流れになります。A特性やF・Sは等級とは別の設定なので、クラス表記と混ぜて読まないでください。ぜひ本記事のクラス表記と検定の確認手順を参考に、提出先の要件から自分に必要な騒音計を決めてください。
