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クランプメーターの漏れ電流測定|許容値の目安と測り方の手順

クランプメーターを1台持っていても、分電盤の漏れ電流は読めないことがあります。

負荷電流用の機種は最小表示が0.01Aの製品が多く、10mA未満は表示が動きません。

漏れ電流は0.1mA単位で追う対象なので、挟んでも0.00Aのまま終わります。

もう一つ、挟み方でも結果が変わります。

ケーブルを1本だけ挟めば出るのは負荷電流で、漏れ電流を読むには行きと帰りをまとめて挟む必要があります。

定格感度電流30mAの漏電遮断器が時々落ちる、という症状を追うときに、この2点を外したまま測ると原因にたどり着けません。

本記事では、分電盤で漏れ電流が負荷電流に埋もれる理由・漏れ電流用クランプメーターに必要な分解能と口径・容量分の漏れ電流で判断を誤る場面を解説します。

GOOD DIY編集部

測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

分電盤の漏れ電流は負荷電流に埋もれて見えなくなる

クランプメーターは、挟んだ内側を通る電流の合計を磁界として読む道具です。

単相2線の回路なら電圧線と中性線の2本、単相3線なら3本、三相3線なら3本を同時に挟むと、行きと帰りが打ち消し合って合計はほぼゼロになります。

打ち消し残りとして出てくるのが、対地へ逃げている分、つまり漏れ電流です。

ここで1本だけ挟むと、打ち消す相手がいないので負荷電流がそのまま表示されます。

20Aの負荷が動いていれば20Aと出て、その中に混ざっている数mAの漏れ電流は桁として現れません。

分電盤で「漏電していないか調べたい」のに値が大きく出てしまう場合、たいていは挟んだ本数が足りていません。

逆に全線をまとめて挟んだのに0.00Aから動かないなら、測定レンジが粗すぎます。

負荷電流用の機種はA表示の最小桁までしか追えないので、数mAの差は表示の下に沈みます。

挟む本数と機種の分解能、この2つが揃わないと漏れ電流は見えません。

挟む位置と本数の基本はクランプメーターの使い方と数値の読み方で解説しています。

漏れ電流を読むには分解能が1桁ではなく2桁違う機種が要る

漏れ電流の測定に使うのは、mAレンジを持ったリーククランプメーターです。

負荷電流用との差は表示の単位だけではありません。

微小な磁界を拾うためにコアの精度と磁気シールドが作り込まれていて、外来の磁界で値が振られにくい構造になっています。

分電盤の中はケーブルが密集していて、隣の回路が作る磁界の中で測ることになるため、この差が表示の安定度に現れます。

判断の目安として使われるのが、漏えい電流1mA以下という値です。

絶縁抵抗の測定が難しい稼働中の設備では、この漏えい電流で絶縁の状態を判断する運用が取られます。

1mAを境に見るのなら、0.1mA単位、できれば0.01mA単位まで読める機種でないと、良否の判定そのものができません。

一方で、漏れ電流と負荷電流の両方を1台で測りたい場面もあります。

その場合はmAレンジとAレンジを両方持つ機種を選ぶことになり、どこまで兼ねられるかはリーククランプメーターと通常品の違いで解説しています。

計測器メーカーの日置電機のように、負荷電流用と漏れ電流用でシリーズを分けている例もあり、兼用機かどうかは型番ごとに確認してください。

AC/DC兼用機は漏れ電流の測定では裏目に出る

直流も測れるクランプメーターはホール素子を使った方式が主流です。

直流を読めるのは利点ですが、ゼロ点が温度や姿勢で動きやすく、mA領域ではそのドリフトが測定値と同じ大きさになります。

商用周波の漏れ電流を0.1mA単位で追う用途には向きません。

交流専用のCT方式が漏れ電流測定に使われているのは、この安定度の違いによるものです。

直流の漏れを追う必要があるのは、太陽光発電の直流側や蓄電池まわり、車両の暗電流調査といった場面に限られます。

交流の分電盤を見るだけなら、兼用機能は測定精度を犠牲にするだけになりかねません。

直流側の事情は直流が測れるクランプメーターの見分け方で解説しています。

もう一点、測定カテゴリの表記も確認してください。

分電盤の内部は幹線に近い位置なので、CAT III以上に対応した機種とテストリードを使います。

カテゴリ表記は耐えられるサージの大きさを示すもので、価格帯ではなく設計で決まります。

分電盤では幹線から分岐へ、順に挟んで回路を絞る

漏電の切り分けは、全体量を押さえてから範囲を狭めていく進め方になります。

通電状態の分電盤を開けて測る作業なので、電気工事士の資格と絶縁手袋・保護メガネが前提です。

充電部に金属製の工具を近づけないよう、作業前にカバーの固定も確認してください。

主幹で全体の漏れ電流を押さえる

最初に主幹ブレーカーの二次側で、電圧線と中性線をまとめて挟みます。

単相3線なら3本すべてです。

ここで出る値が、その分電盤がぶら下げている設備全体の漏れ電流になります。

定格感度電流30mAの漏電遮断器が入っている系統で、常時の値が十数mAまで来ているなら、負荷の入り切りで跳ね上がったときに遮断に至ります。

分岐を1回路ずつ切り分ける

全体量が分かったら、分岐ブレーカーの二次側を1回路ずつ挟んでいきます。

各分岐の値を足した合計が主幹の値とおおよそ合えば、分電盤より先での漏れだと判断できます。

合わない場合は、挟み忘れた線があるか、分電盤の内部や接地線側で漏れています。

特定した回路をさらに追うときは負荷を切り離しながら測り、機器単体まで絞り込んでから絶縁抵抗計での測定に切り替えると、劣化箇所がはっきりします。

値がばらつく原因は口径とケーブルの通し方

先に決めておきたいのが口径です。

単相3線の幹線を3本まとめて挟むには、分岐回路を1本ずつ挟むときより大きな開口が要ります。

38sqや60sqの幹線が3本入る口径でないと、そもそもクランプが閉じません。

測りたい最大の束に合わせて選んでください。

口径が大きい機種は分岐回路にも使えますが、本体が大きくなるぶん、ブレーカーが密に並んだ盤内では取り回しが悪くなります。

通し方でも値は変わります。

ケーブルを開口の中央に置き、コアの合わせ面がきちんと閉じているかを確かめてください。

合わせ面にゴミや鉄粉が噛むと隙間ができ、値が低めに出たり不安定になったりします。

隣の回路やトランスに近い位置では外来磁界を拾うので、同じ場所で何度か挟み直して、表示が再現するかを見ておくと判断を誤りません。

測定値の記録では、いつ・どの回路で・どの負荷が動いていた状態かも一緒に残します。漏れ電流は湿気と経年で動くため、1回の値だけでは劣化なのか一時的なものか区別がつきません。

よくある質問

漏れ電流は何mAまでなら問題ないですか

絶縁の良否を漏えい電流で判断する場合、1mA以下という値が基準として使われます。

ただし現場では、漏電遮断器の定格感度電流に対してどの程度の余裕があるかも併せて見ます。

30mAの遮断器で常時10mAを超えているなら、数値が基準内かどうかに関わらず、原因を特定しておいたほうが安全です。

設備の規模や用途で判断の線引きは変わるため、管理基準がある現場ではそちらに従ってください。

普通のクランプメーターで代用できませんか

Aレンジしか持たない機種では代用できません。

最小表示が0.01Aだと10mA未満が表示に出ず、1mA前後の良否判定ができないためです。

選び分けの全体像はクランプメーターの選び分けで解説しています。

アース線を挟んで測ってもいいですか

測れます。

接地線を挟むと、その接地を経由して戻ってくる分の電流が読めます。

ただし機器の金属部から別経路で大地へ逃げている分は含まれないため、接地線の値と電源側をまとめて挟んだ値は一致しないことがあります。

両方を測って比べると、どの経路を通って漏れているかの手がかりになります。

漏電していないのに値が出るのはなぜですか

インバータ機器やノイズフィルタを持つ電源では、内部のコンデンサを通って対地へ流れる電流があり、これが漏れ電流として表示されます。

絶縁の劣化による抵抗分とは別のもので、台数が多い設備では合計で数十mAに達することもあります。

抵抗分だけを分離して読むには、その機能を持った測定器が必要です。

通常のリーククランプで出た値は両方を含んだ合計だと考えてください。

まとめ

分電盤で漏れ電流を追うなら、まず電圧線と中性線をまとめて挟むこと、そしてmAまで読める機種を使うこと、この2点が出発点になります。

そのうえで主幹から分岐へ順に絞り込めば、どの回路で漏れているかはクランプメーターだけで判断できます。

口径は測りたい幹線の束に合わせ、交流の盤を見るだけならAC専用機のほうが値は安定します。

ぜひ本記事の挟み方と分解能の考え方を参考に、手持ちの機種で測れる範囲を確かめてから現場に持ち込んでください。

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