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デジタルテスターの抵抗測定|電源を切る理由と正しい手順

抵抗測定でまず決まるのは、テスターの精度ではなく、測る前に回路から電気を抜いたかどうかです。抵抗レンジはテスター側が微弱な電流を自分で流し、返ってきた電圧から値を計算する仕組みなので、外から電圧がかかっていると計算そのものが成り立ちません。

通電した回路に当てれば、表示が狂うだけでなく内部のヒューズが切れることも、本体を壊すこともあります。基板上の部品を測るときも、片足1本を浮かせないと周囲の回路を一緒に拾ってしまい、実際より小さいΩ値が出ます。

本記事では、デジタルテスターでの抵抗測定の手順と0点の確かめ方・通電したまま当てたときに起きること・値が安定しないときの直し方を解説します。

GOOD DIY編集部

測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

デジタルテスターで抵抗を測る手順

抵抗測定は、電圧測定と違って「測る対象を回路から切り離す」工程が先に入ります。ここを飛ばすと、あとの操作をどれだけ正確にやっても正しい値にはなりません。

電源を切り、コンデンサを放電させる

ブレーカーや機器のスイッチを落としたうえで、テスターを電圧レンジに切り替えて、測る箇所に電圧が残っていないことを先に確かめてください。

スイッチを切っただけでは電源回路のコンデンサに電荷が残っていることがあり、これが抵抗レンジに飛び込むと内部回路を傷めます。

無電圧かどうかだけを素早く見たい場面では検電器の使い分けで扱っている低圧用の検電器を併用すると、確認の手間が減ります。

レンジと差し込み口を合わせる

ロータリースイッチをΩの位置に回し、赤リードはΩ・V共用の端子へ、黒リードはCOM端子へ差します。

電流測定用のA端子に赤リードを挿したまま抵抗を測ろうとすると、何も表示されないか、回路に当てた瞬間にヒューズが切れます。

マニュアルレンジ機では、見当が付かないときは高いレンジ(MΩ側)から下げていくと安全です。

オートレンジ機なら自動で切り替わりますが、切り替わりきるまで1〜2秒かかります。

テストリード同士を当てて0点を見る

測定前に赤と黒の先端を直接触れ合わせ、表示がどこまで下がるかを見ておきます。

きっちり0Ωにはならず、わずかな値が残るのが普通で、これはテストリード自身の抵抗分です。

数Ω以下の小さい抵抗を測るときは、この残り値を実測から引いて考えてください。

表示がふらつく、押さえる角度で大きく変わるという場合は、リードの断線が進んでいます。

部品の片足を基板から外す

基板に実装されたままの抵抗を測ると、その部品と並列につながっている他の経路も一緒に測ってしまい、表示は必ず本来の値より小さく出ます。

片足をはんだから浮かせれば、その部品単体の値になります。

基板から外さずに測れるのは、両端が他の部品とつながっていないと図面で確認できている場合だけです。

電圧や導通も含めた基本操作は電圧・抵抗・導通の測り方で解説しています。

通電したまま当てると表示も本体も壊れる

抵抗レンジのまま活線に当てたときに起きることは3つあります。

1つ目は誤表示で、外部電圧がテスター内部の基準電流に重なるため、数字は出ても意味のない値になります。

2つ目はヒューズの溶断で、保護回路が働いた結果なので本体は無事でも、その場で測定が止まります。

3つ目は内部回路の損傷です。

保護が間に合わない電圧が加わると、抵抗レンジだけが使えなくなったり、本体ごと使えなくなったりします。

電源に近い場所ほど、短絡したときに流れるエネルギーが大きくなります。

分電盤や動力回路を触る予定があるなら、測定カテゴリの表示が作業場所に見合った機種を選んでおいてください。

選定の考え方はCAT区分と真の実効値での選び分けで解説しています。

なお、誘導電動機の巻線や変圧器のように、インダクタンス(コイル成分)を持つ部品を測ったあとは、リードを離す瞬間に逆起電力が出ます。端子に手を触れないまま外してください。

抵抗測定でよくある失敗と直し方

数値が止まらずふらつく

MΩ台の高い抵抗を測っているときは、表示が落ち着くまで数秒かかるのが通常の動作なので、まず待ってください。

それでも揺れ続けるなら、測定箇所が湿っている、端子が汚れている、あるいは周囲のノイズを拾っています。

接点を乾いた布で拭き、リードをまとめて束ねずに離して持つと安定することがあります。

手で両端を押さえて測っている

親指と人差し指で部品の両リード線をつまむと、人体の抵抗が部品と並列に入ります。数百kΩ以上の抵抗を測るときは表示が明らかに低く出るので、片手は本体に触れないか、ワニ口クリップで挟んで手を離してください。

OLや1と表示されたまま動かない

OL(オーバーロード)は測定範囲を超えた、つまり事実上の断線を示します。

部品が焼損しているか、リードが対象に接触していないか、マニュアルレンジでレンジが低すぎるかのどれかです。

レンジを一段上げても変わらなければ、断線と判断してかまいません。

導通ブザーが鳴るのに抵抗値が高い

導通ブザーが鳴るしきい値は機種ごとに決まっていて、数十Ω程度でも鳴る設定のものがあります。

接触不良を探しているなら、ブザーだけで判断せずにΩレンジの数字を読んでください。

接点の酸化や圧着不良は、導通はあるのに抵抗だけが上がる形で現れます。

抵抗測定に要る道具と、代用が利くもの

必須なのは本体とテストリードの2点だけです。

そのうえで作業が楽になるのがワニ口クリップ型のリードで、両手が空くため、部品を押さえながら表示を読む動作がなくなります。

先端が細いニードル型は、コネクタのピンや狭い端子列を測るときに使います。

代用が利かないものもはっきりしています。

配線やモーターの絶縁が落ちていないかを調べる作業は、テスターのΩレンジでは測れません。

絶縁抵抗は数百Vの直流を加えてMΩ単位で見る測定で、テスターの内部電源では電圧が足りないからです。

この用途は絶縁抵抗計とメガーの関係で解説している専用機の領分になります。

同じように、回路を切らずに電流値だけ知りたいときはクランプメーターの使い分けのほうが向いています。

デジタルテスターの点検は0点確認から始める

抵抗測定の精度を日常的に左右するのは、本体よりもテストリードです。

使い始める前にリード同士を当てて0点を見る習慣を付ければ、断線しかけたリードをその場で弾けます。

被覆の付け根が折れ曲がったまま硬くなっている、先端のメッキが黒ずんでいるといった状態なら、交換してください。

電池も抵抗測定に直結します。

抵抗レンジは内蔵電池から測定用の電流を作っているため、電池が弱ると表示が不安定になったり、値が全体に大きく出たりします。

電池マークが出たら、測り直す前に交換するのが先です。

校正の間隔は、メーカーや使う現場の基準によって変わります。

業務で成績書が求められる環境なら1年ごとの定期校正が一般的で、そうでなければ値のおかしさに気づいた時点でメーカーの点検に出す運用でも実用になります。

どちらにしても、落下させた機体は表示が出ても一度確認してください。

アナログ式とデジタル式で変わる抵抗測定の待ち方

アナログテスターの抵抗測定には、レンジを切り替えるたびにリード同士を短絡させ、0Ωつまみで指針をぴったり0に合わせる工程があります。

この調整を飛ばすと読み値がそのままずれますし、目盛りは右端が0Ωで左に行くほど大きくなる逆目盛りで、間隔も等間隔ではありません。

読み取りに慣れが要る代わりに、指針の動きで接触の良し悪しや変化の方向が分かります。

デジタル式には0Ωつまみがなく、代わりに表示が安定するまで待つ時間が要ります。

高抵抗ほど待ちは長くなり、オートレンジ機はレンジが確定するまでさらに1〜2秒かかります。

この間に先端を離してしまうと、途中の数字を読むことになります。

両方式の性格の違いはデジタルテスターとアナログの違いで解説しています。

よくある質問

抵抗測定に赤黒の極性はありますか

抵抗器やケーブルを測るぶんには関係ありません。

ただしダイオードやトランジスタを含む経路では、向きによって値がまったく変わります。

半導体の良否を見たいときは、抵抗レンジではなくダイオードチェックのマークに合わせてください。

測るたびに値が少し違うのは故障ですか

末尾の桁が動く程度なら正常です。

抵抗値は温度で変わり、金属は温まるほど値が上がります。

測定直後の発熱した部品や、炎天下の盤内では、常温の規格値とずれて当然だと考えてください。

桁が変わるほど違う場合は、接触か並列経路を疑います。

電線の抵抗を測って断線を探せますか

可能です。

両端を切り離したうえで片側同士を当て、OLなら断線、数Ω以下なら導通ありと判断します。

長い配線で片側にしか手が届かないときは、遠端で心線同士を短絡させてから手元で測る方法が使えます。

資格試験と実務で求められる機能の違いは電気工事士が使うテスターの条件で解説しています。

0Ωにならないのは本体の不良ですか

リード同士を当てて0.数Ω程度が残るのは仕様の範囲です。値が1Ωを超える、押さえる力で大きく動くという場合は、リードの断線か端子のゆるみを疑ってください。

まとめ

抵抗測定でやることは、電源を落として放電を確かめ、Ωレンジに合わせ、リードの0点を見てから、測る部品を回路から切り離して当てる、この流れに尽きます。値が合わないときの原因は、通電したまま測った・並列経路を一緒に拾った・指でつまんだ・リードが傷んでいる、のどれかにほとんど収まります。

絶縁抵抗だけは専用機でないと測れない点も含めて、ぜひ本記事の手順と失敗例を参考に、手元のデジタルテスターで安全に測り進めてください。

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