止型定規とは?止型スコヤとの違いと留め加工での出番
止型定規を選ぶときに最初に決まるのは、角度でも精度でもなく「表裏の目盛がどちらの仕様か」です。45度と90度が一本で出せるのはどの製品も共通で、違いが出るのは表裏同目か裏面角目か、ステンレスに艶消し加工が入っているかどうかという表示のほうです。シンワ測定のQ&Aでは、シルバーはステンレスに艶消し加工をして光の反射を抑えたもの、ステンは加工なしのステンレスと説明されています。精度表示の読み方も誤解されやすく、±0.3mmと書かれていれば最大で0.6mmの幅が出ます。本記事では、止型定規が何を測る道具なのか・表裏の目盛と仕上げの見分け方・JIS B 7526の等級表示との関係を解説します。

GOOD DIY編集部
測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
止型定規は45度と90度の両方を写すための定規
止型定規は、額縁や箱の角のように2枚の材を突き合わせて直角を作るとき、その合わせ面を45度に切るための墨付け(すみつけ)用の定規です。墨付けとは、切る位置や穴の位置を材料に線で引いておく作業を指します。台になる部分を材の側面に当てると、刃の部分が材の上面に対して45度に乗るため、鉛筆を沿わせるだけで留めの線が引けます。
同じ道具に90度の基準も入っているのが特徴で、直角の確認と45度の墨付けを持ち替えずに済ませられます。スコヤが直角専用なのに対し、止型定規は留め加工に軸足を置いた形です。直角だけを高い精度で出したい作業なら、スコヤの6種類の違いで解説している台付や完全スコヤのほうが向きます。
なお「止型定規」と「止型スコヤ」はほぼ同じ道具を指して売られていて、メーカーや販売ページによって呼び方が入れ替わります。どちらの名前で検索しても同じ棚にたどり着くので、名前の違いで仕様が変わると考えなくて差し支えありません。45度の墨付けそのものの手順は止型スコヤで45度の留めを引く手順で解説しています。
止型定規の表示は目盛と仕上げの2項目で分かれる
商品名に並んでいる「表裏同目」「裏面角目」「シルバー」「ステン」は、どれも角度や精度とは別の話で、目盛の種類と表面の仕上げを示しています。シンワ測定のQ&Aにある定義をそのまま表にすると、次のようになります。
| 表示 | 意味 | 該当する人 |
|---|---|---|
| 表裏同目 | 表と裏の両面に同じメートル目盛が入っている | 材をひっくり返して墨を付ける機会が多い人 |
| 裏面角目 | 表がメートル目盛、裏が角目(材木の寸法を出す目盛) | 丸太や角材から取れる寸法を出す人 |
| シルバー | ステンレスに艶消し加工をして光の反射を抑えたもの | 屋外や照明の下で目盛が光って読みにくい人 |
| ステン | 加工なしのステンレス | 反射が気にならない屋内作業が中心の人 |
角目は、丸太の直径からそこに取れる角材の一辺を読むための目盛で、木工でも使う場面が限られます。合板やSPF材を切るだけなら表裏同目で足り、裏面角目を選ぶ理由はありません。艶消しかどうかは好みではなく、作業場所の明るさで決まります。直射日光の下でステンレスの地のまま使うと、目盛の刻みが光に溶けて読み落としが出ます。
自分に合う止型定規は3つの質問で一意に決まる
選ぶ順番は、測る相手・読む目盛・使う場所の3つです。順に答えれば候補は1つに絞れます。
当てる材の幅はどれくらいか
止型定規は台を材の側面に当てて使う道具なので、刃の長さが材の幅に足りないと留めの線を一度で引き切れません。額縁の細い枠材なら小さいものでよく、棚板や框のように幅のある材を扱うなら刃が長いものを選びます。足りない場合は線を継ぐことになり、継いだ位置で角度がわずかにずれます。
角目を読む作業があるか
製材から寸法を割り出す作業がないなら表裏同目を選びます。裏面角目は、裏返したときに出てくるのがメートル目盛ではないため、両面を同じ感覚で使いたい人には向きません。
屋外で使うか
屋外や強い照明の下で使う割合が高いなら、艶消し加工のあるシルバー仕上げにします。屋内の作業台で使うだけなら、ステンのままでも目盛は読めます。
±の幅を倍で考える止型定規の精度表示
精度が「±0.3mm」と書かれていたら、許容されるのは片側0.3mmではなく、上下あわせて0.6mmの幅です。シンワ測定のQ&Aでは、実際の長さが10.8mmなら10.5mmから11.1mmまでが精度の範囲内にあたると説明されています。この読み方を取り違えると、2枚の材を突き合わせたときの隙間の見積もりが半分になります。
止型定規の45度についての許容値は、各社とも一律の数値が公開されているわけではありません。直角のほうはJIS B 7526(直角定規)に1級と2級の等級があり、市販品では1級が焼入れ品、2級が非焼入れ・研磨仕上げで「JIS B 7526相当」と表示される例が多くなっています。等級ごとの直角度の許容値まで踏み込んだ数値は、規格票で確かめられなかったため、ここでは等級の呼び名と作りの違いにとどめます。
焼入れしてあるかどうかは、刃先が当たりで丸まるまでの早さに関わります。毎日のように鉄の刃を沿わせるなら1級、週末の木工が中心なら2級の表示でも問題になりません。
45度が合わない止型定規を使うと留めは必ず開く
角度がわずかに狂った止型定規で引いた線は、1本では狂いに気づけません。留めは2枚を合わせて90度にする加工なので、45度のずれが2倍になって現れます。片側が0.5度浅ければ、合わせた角の内側か外側に1度ぶんの隙間が出て、そこだけ光が通ります。
刃の長さが材の幅に対して短すぎる場合も同じで、線を途中で継ぐと継ぎ目で向きが変わり、鋸(のこ)を入れたときに面がねじれます。反対に、刃が長すぎて台が材からはみ出すような使い方をすると、台が側面に密着せず、定規そのものが傾いた状態で線を引くことになります。
そもそも45度以外の角度を引く必要があるなら、止型定規では対応できません。任意の角度を写すなら角度定規で測れる角度の範囲、角度を数値で読みたいならプロトラクターの目盛の読み方のほうが合います。
止型定規の仕様はパッケージと型番の後ろで確認できる
目盛と仕上げは、パッケージの品名のうしろか、商品ページの型番の末尾に並んでいます。「止型定規 シルバー 表裏同目」のように、角度や寸法のあとに続く部分がそれにあたるので、寸法だけを見て型番を選ぶと目盛の種類を取り違えます。
等級の表示は、箱の仕様欄か刃の面の刻印にあります。「JIS B 7526 1級」と刻まれていれば焼入れ品、「JIS B 7526相当」であれば規格に準じた作りという意味で、同じ規格番号が書いてあっても中身が違います。
校正証明書については、購入時には付属しません。シンワ測定のQ&Aでは、JCSS校正または一般校正のアイコンがある製品だけ有償で発行できるとされていて、証明書そのものに有効期限はありません。校正周期にも決まりはなく、使用頻度や社内のルールで決めるものとされています。取扱いは店舗や時期で変わるので、証明書が要る現場で使うなら、発行対象の製品かどうかを買う前に確認してください。
よくある質問
止型定規と止型スコヤは別の道具ですか
ほぼ同じ道具を指す呼び名で、メーカーや販売ページによって表記が入れ替わります。45度と90度の基準を一本で持つ形という点は共通しているので、名前で仕様を判断せず、目盛の種類と刃の長さを見てください。
±0.3mmの止型定規なら0.3mm以内に収まりますか
収まるのは片側で0.3mm、上下あわせて0.6mmの幅です。シンワ測定の説明にある通り、実際の長さが10.8mmなら10.5mmから11.1mmまでが範囲内になります。留め加工では2枚ぶんが重なるため、見込む隙間はさらに大きく考えてください。
落とした止型定規はそのまま使えますか
カタログに書かれた精度は出荷時の値なので、落下のあとは自分で確認してから使ってください。確認の方法としては、平らな面に直角を当てて線を引き、定規を裏返して同じ線に合わせる方法があります。2本の線が開けば、その半分が狂いの量です。
まとめ
止型定規は45度と90度を一本で写す墨付け用の定規で、各社の違いが出るのは角度ではなく、表裏同目か裏面角目かという目盛の仕様と、艶消し加工の有無です。幅のある材を扱うなら刃の長い製品、屋外で読むならシルバー仕上げを選べば、候補はそれだけで絞れます。精度表示は±の幅を倍で見積もり、等級は刻印が「1級」か「相当」かまで確かめてください。ぜひ本記事の目盛・仕上げ・等級の見分け方を参考に、自分の作業に足りる一本を選んでください。
