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非接触の検相器はどこまで分かる?接触式との違いと限界

非接触式の検相器は、電線に近づけるだけで相順が読める道具ではありません。

絶縁被覆の外側に出ている電界を拾う方式なので、被覆の厚いケーブルや遮へい層の入った電線に当てても、判定が出ないまま止まることがあります。

そのため仕様表で先に確かめたいのは、判定方式そのものよりも測定できる線間電圧の範囲と、測定カテゴリ(CAT II・III・IV)の区分です。

カテゴリは分電盤まで当てていいのか、引込口まで当てていいのかを分ける表記で、必ず電圧値とセットで書かれます。

本記事では、非接触式が検出しているもの・仕様表の電圧範囲とCATとIP等級の読み方・判定が出ないときに何が起きているのかを解説します。

「非接触式検相器」はどれを選ぶ?

GOOD DIY編集部

測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

非接触式の検相器が判定しているのは三相の並び順

三相交流は3本の電線が少しずつ時間をずらして電圧のピークを迎えており、そのずれる順番を相順(そうじゅん)と呼びます。

検相器が表示しているのはこの並び順が正相か逆相かという一点だけで、電圧の大きさも電流も測りません。

電圧値を知りたいならテスター、負荷電流ならクランプメーターと、道具が分かれます。

相順を確かめる理由は、三相モーターの回転方向がこの順番で決まるからです。

3本のうち2本を入れ替えて結線すると、それだけでモーターは逆に回ります。

送風機なら風量が落ちる程度で済むこともありますが、ポンプやコンプレッサーは逆回転させると短時間でも機器側を傷めるため、通電の前に確かめる工程が入ります。

相順そのものの考え方と機種の分かれ方は検相器とは何を確かめる道具かで解説しています。

正相・逆相の見せ方は機種で違う

判定結果の出し方は統一されていません。

矢印の回転で示すもの、正相と逆相それぞれのランプを点灯させるもの、ブザー音を併用するものがあります。

盤の中に手を入れたまま目で確認できない姿勢になることもあるので、音でも判定が返る機種かどうかは、使う場所を思い浮かべてから決めてください。

電流側の測定と用途が重なる場面ではクランプメーターの選び方も合わせて見ておくと、持ち出す道具の数を減らせます。

被覆の上から測れるのは電界を拾っているから

非接触式は、電圧がかかっている導体の周囲に出ている電界を、センサ部の電極で静電的に受けて相順を判定します。

導体に直接触れないため、端子のねじを緩めず、芯線を露出させずに測れるのがこの方式の全部です。

活線のまま盤内の電線を3本つまむだけで判定できるので、停止できない設備の確認では接触式より手数が少なく済みます。

その代わりに受け取る信号は小さく、導体とセンサの距離が延びるほど弱くなります。

被覆の厚い太いケーブル、遮へい層の入ったケーブル、金属管に収めた配線は、電界が外に出にくいか遮られるため判定が返らないことがあります。

3本が密着したまま配線されている箇所も、隣の線の電界を一緒に拾って誤った向きを示す原因になります。

クリップ形とプローブ形で当てられる場所が変わる

センサ部の形も確認してください。

電線を挟むクリップ形は配線に留めたまま両手が空く一方、狭い盤内では挟む隙間が要ります。

先端を押し当てるプローブ形は隙間に差し込めますが、3本を同時に当てて保持する姿勢になります。

当てる相手が渡り線なのか、ケーブルラック上の太い幹線なのかで、使いやすい形は変わります。

仕様表で読むのは電圧範囲・測定カテゴリ・IP等級

検相器の仕様表は項目数こそ少ないものの、見落とすと現場で判定が出ない行が並んでいます。読む順番は、測定できる線間電圧の範囲、測定カテゴリと電圧の組み合わせ、防じん防水の等級です。

表記何を表しているか自分の場合の確認点
測定電圧範囲(AC○○〜○○V)判定できる線間電圧の上限と下限対象が200V系か400V系か。下限を下回る回路では判定が出ない
50/60Hz対応する商用周波数両対応の表記なら東日本と西日本をまたいでも使える
CAT III 600V のような表記想定する設置場所と、その場所での耐えられる過渡的な過電圧分電盤や固定設備に当てるならCAT III以上。引込口側はCAT IV
IP等級(IP54など)1桁目が粉じん、2桁目が水の入りにくさ屋外盤・ピット内で使うなら等級を確認する
電源センサ回路を動かす電池の要否非接触式は乾電池やボタン電池を使う機種が基本

測定カテゴリはIEC 61010およびJIS C 1010に基づく区分で、数字が大きいほど電源に近い側での使用を想定した設計です。

CAT IIはコンセントに接続する機器側の回路、CAT IIIは建物内の分電盤や固定設置の機器、CAT IVは引込線や電力量計の一次側に対応します。

数字だけで足りるものではなく、必ず「CAT III 600V」のように電圧とセットで読んでください。

IP54は、粉じんの侵入を完全には防げないものの動作に支障がない程度で、かつあらゆる方向からの水の飛まつを受けても有害な影響がない等級です。

判定が出ないとき、非接触式のどこで止まっているか

ランプもブザーも反応しないときは、故障よりも先に当て方と電線の構造を疑ってください。

導体とセンサの距離が原因なら、被覆の薄い箇所や端子に近い位置へずらすだけで判定が返ります。

3本が束ねられているなら、指1本ぶんでも離してから当て直します。

遮へい層のあるケーブルや金属管の上からは、位置を変えても拾えません。

もう一つ考えられるのが欠相で、3本のうち1本が来ていなければ並び順という概念自体が成立しないため、検相器は判定を返しません。

この場合はテスターで各線間の電圧を当たるほうが先で、デジタルテスターの選び方では測定カテゴリの考え方も含めて解説しています。

被覆の上から拾えないことが分かった時点で、端子に直接当てる接触式へ切り替える判断もあります。

当て方と判定の読み順は検相器の使い方と判定の読み方で解説しています。

なお、カタログに書かれた測定電圧範囲や精度はあくまで出荷時の値なので、落下させた後や長く使った機種では、相順が分かっている回路で一度確かめてから本番に当ててください。

高圧回路に低圧用の検相器を当てない

低圧用として設計された検相器は、その電圧範囲に合わせた絶縁しか持っていません。

高圧の受電設備に近づける使い方は想定外で、機器が壊れるだけでは済みません。

高圧側には専用に設計された高圧検相器があり、手順も保護具も低圧とは別に決まっています。

高圧用との手順の違いは高圧検相器の使い方で解説しています。

低圧側でも、分電盤の中で測るなら測定カテゴリの区分はCAT IIIが前提になります。メーカーごとの仕様の書き方を具体例で見たいときは、日置のPD3129の仕様と使える場面も参考になります。

よくある質問

分電盤の扉を閉めたまま測れますか

測れません。

非接触式が拾っているのは導体のすぐ周囲に出ている電界なので、扉や金属板を挟むと届きません。

被覆の上から当てられるというだけで、離れた位置から検出できる方式ではありません。

検電器と検相器は同じものですか

別の道具です。

検電器は1本の電線に電圧が来ているかどうかを見るもので、検相器は3本の電線の並び順を見ます。

検電器をいくら当てても、どの順番でピークが来ているかは分かりません。

単相100Vの回路でも使えますか

相順は3本の電線がある三相で成り立つ考え方なので、単相の回路には判定する対象がありません。

仕様表の測定電圧範囲に100Vが含まれていても、それは三相200V系の回路で下限として示されている値のことがあります。

測る対象が三相かどうかを先に確かめてください。

まとめ

「非接触式検相器」はどれを選ぶ?

非接触式の検相器を選ぶときは、判定表示の見やすさより先に、測定できる線間電圧の範囲と測定カテゴリの組み合わせを合わせてください。

当てる場所が分電盤ならCAT IIIが前提になり、屋外盤やピット内で使うならIP等級も読む行に入ります。

被覆の上から測れるという利点は、遮へい層のあるケーブルや金属管の上では失われるため、接触式で確かめ直す場面が残ることも織り込んでおくと現場で止まりません。

ぜひ本記事の仕様表の読み方を参考に、自分が当てる回路の電圧と場所から機種を絞り込んでください。

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