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ノギスの使い方|外径・内径・深さ・段差の当て方の手順

ノギスで測った寸法が図面と合わないとき、原因は目盛の読み方よりも当て方にあることが多いです。

ジョウ(対象を挟む爪)を強く押し込めば金属でもわずかにたわみ、先端寄りで挟めば同じ対象でも値が動きます。

副尺で0.05mmまで読み取れる道具ですから、0.05mmを争える測り方をしないと分解能が無駄になります。

そして最初にやるのは測ることではなく、ジョウを閉じてゼロ点が合っているかを光で確かめる作業です。

本記事では、測る前のゼロ点確認・外側と内側と深さでの当て方・測定力のかけすぎで起きるずれ・バーニヤ式とデジタル式で変わる読み取り手順を解説します。

GOOD DIY編集部

測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

ノギスの使い方はゼロ点の確認から始める

ジョウを閉じて光を透かす

外側用のジョウを静かに閉じ、明るい方へ向けて合わせ面を透かして見てください。

隙間から光が線になって見えるなら、合わせ面に切粉やほこりが挟まっているか、どちらかの面が摩耗しています。

光が漏れない状態にしてから、本尺のゼロ線と副尺(バーニヤ目盛)のゼロ線が一直線に並ぶかを確認します。

ここがずれたまま測ると、その日の測定値すべてに同じ量のずれが乗ります。

汚れを落としてから測る

測る前に、ジョウの内側と外側、本尺の摺動面(しゅうどうめん)を乾いた布で拭きます。

旋盤やフライスのそばで使うと細かい切粉が面に乗り、0.05mmどころか0.1mm単位で値が変わります。

油膜も同じで、厚く残っていると挟んだときに滑って落ち着きません。

ゼロ点が合わない原因が汚れなのか摩耗なのかは、拭いてもう一度閉じれば区別できます。

拭いても隙間が残る場合はノギスの校正で解説しているゼロ点のずれの直し方を先に確認してください。

測る場所で変わるノギスの当て方

ノギスは1本で4通りの測定ができますが、使う部位ごとに当て方の作法が違います。外側用ジョウで外径や厚みを、内側用ジョウ(クチバシ)で穴径や溝幅を、デプスバーで深さを、本尺の端面と本体後端で段差を測ります。

  • 外側測定…ジョウの根元寄りで挟みます。先端は開きやすく、同じ対象でも大きく出ます。挟んだまま対象をわずかに振って、いちばん小さい値を読みます。
  • 内側測定…クチバシを穴に入れ、左右と上下に振っていちばん大きい値を読みます。斜めに入っていると実際より小さく出るためです。
  • 深さ測定…本体の端面を穴の縁に密着させ、デプスバーを垂直に下ろします。端面が浮くとその分だけ深く出ます。
  • 段差測定…本尺の端面を低い面に、スライダ後端を高い面に当てます。使える段差の範囲は機種で違います。

どの測り方でも、対象に対してノギスが直角に入っているかを目で確かめてください。

斜めに挟んだ場合、外径は大きく、穴径は小さく出ます。

測定面が円筒なら、軸に直交する向きで挟まないと楕円の長い側を拾います。

測定力をかけすぎると寸法は小さく出る

ノギスはマイクロメーターのようなラチェット(一定の力で止まる機構)を持たないため、挟む力が読み手の指に任されています。

強く締め込むとジョウがわずかに開く方向にたわみ、対象もつぶれて、値は本来より小さく出ます。

樹脂やゴム、薄い板金ではこの差がはっきり出ます。

力加減の目安は、挟んだ状態で対象を指でずらしたときに、かすかな抵抗を感じて止まるところです。がっちり固定されて動かないなら締めすぎています。

スライダの送りローラーは親指で軽く転がす程度にして、握り込まないでください。

構造上の限界もあります。

ノギスは目盛の線と測定面がずれた位置にあるため、ジョウの先端へ行くほど誤差が増える作りです。

そのため0.01mm台を保証したい寸法では、ノギスで追い込むよりマイクロメーターに持ち替えるほうが確実です。

どこまでをノギスの担当にするかはノギスの精度で解説している器差の目安が判断材料になります。

ノギスの使い方でよくある失敗と直し方

読む前にスライダが動いている

挟んだまま目元へ持ち上げる途中で、スライダが数十分の1mm動くことがあります。

測り終えたらクランプネジを軽く締めて固定し、それから目盛を読んでください。

締めすぎるとスライダが傾いて値が変わるので、止まる程度で十分です。

斜めから目盛を見ている

副尺を斜めから見ると、本尺の目盛と副尺の線の位置関係がずれて見え、一致している線を1本飛ばして読みます。

視線は目盛の真上に置きます。

細かい線の一致が判別しにくいなら、副尺の桁の見方をノギスの読み方で確認してから手順を固めるほうが早いです。

手で握り続けて温度が上がっている

本尺を長く握ると体温で金属が伸び、長い寸法ほど差が出ます。

長物を測るときは本体の樹脂部や指掛け部分を持ち、測定が続くなら一度置いて温度をなじませてください。

精密な比較測定では、対象とノギスを同じ室内に置いて時間を取ります。

ジョウの摩耗に気づいていない

毎日使うノギスは合わせ面が減り、閉じても光が漏れるようになります。

ここまで来ると拭いても直りません。

摩耗の進んだ個体は外側測定だけに使い、精度を要する仕事から外すのが現実的です。

バーニヤ式とデジタル式で変わる読み取り手順

バーニヤ式は挟んだ瞬間に値が確定しているので、クランプで固定してから本尺の整数部を読み、副尺の一致線で小数部を読み足します。

電池を持たないため、現場に出しっぱなしでも使えなくなりません。

読み取りに慣れが要る代わりに、止まった数字をそのまま信用できます。

デジタル式は表示が落ち着くまで一拍待ちます。

ジョウを素早く動かした直後は数字が揺れることがあり、そこで読むと最後の桁を取り違えます。

使い始めにゼロセットボタンを押す工程が加わる一方、特定の寸法を基準にしてそこからの差を読む使い方ができ、インチ表示への切り替えも1ボタンで済みます。

電池切れで止まる点だけは避けられないため、予備電池を道具箱に入れておいてください。

分解能と電池持ちの考え方はデジタルノギスの選び方で解説しています。

なお、M形とCM形では内側測定の扱いが違い、クチバシの厚み分を足すタイプがあります。手元の1本がどちらかはノギスの種類で見分けられます。

よくある質問

ノギスは0.01mmまで読めますか

一般的な副尺付きのノギスが読み取れるのは0.05mmまでで、0.01mmの桁は構造上読めません。

デジタル式は0.01mmを表示しますが、表示の細かさと測れる確かさは別物です。

0.01mm台を根拠にしたいなら外側マイクロメーターを使ってください。

毎回ゼロ点を確認する必要がありますか

使い始めと、落としたとき、測定値に疑いが出たときは必ず確認してください。連続して何十個も測る作業なら、途中で一度ジョウを閉じて確かめると、切粉の噛み込みに早く気づけます。

穴の直径が毎回ばらつくのはなぜですか

内側用ジョウが穴に対して斜めに入っていると、本当の直径より短い弦を測ることになり、値は小さい側へばらつきます。

クチバシを前後左右に振って最大値を拾う操作を入れると落ち着きます。

クチバシの先端だけを浅く掛けている場合も同じようにばらつきます。

ノギスで測れないものはありますか

弾力のある材料は挟む力で変形するため、ノギスでは安定した値になりません。

薄板の厚みや研磨後の軸径のように0.01mm単位を問う寸法、深い穴の奥の内径も不向きです。

高さを基準面から追う測定はハイトゲージのほうが適します。

まとめ

ノギスで安定した値を出す条件は、ジョウを閉じてゼロ点を確かめること、根元寄りで直角に当てること、そして握り込まないことの3点に集約されます。

外側は最小値、内側は最大値を拾うという向きの違いを覚えておけば、ばらつきの原因は自分で切り分けられます。

どこまでをこの1本で測り、どこからマイクロメーターに渡すかは精度の限界から逆算してください。

ぜひ本記事のゼロ点確認と当て方の手順を参考に、手元のノギスで一度測り直してみてください。

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