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ハイトゲージの選び方|測定範囲とスクライバの精度

ハイトゲージの「0.01mm」という表示は、0.01mmまで正しく測れるという意味ではありません。表示の刻み(最小読取値)と、どれだけずれるかを示す器差(きさ)はカタログに別々に書かれていて、同じデジタル式でも測定範囲300mmの機種と600mmの機種では許容される誤差が違います。

もう一つ前提になるのが置き場所です。

ハイトゲージの数値は定盤(じょうばん)の上に置いて初めて意味を持ち、作業台に直接載せて測った値には台の平面度のぶんだけ誤差が乗ります。

本記事では、測定範囲と最小読取値の決め方・副尺とダイヤルとデジタルの読み方の違い・定盤を外したときに起きるずれを解説します。

GOOD DIY編集部

測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

ハイトゲージが測っているのは定盤面からの高さ

ハイトゲージは、平らな基準面の上に立てて、そこからの高さを読む道具です。

構造は、定盤に接するベース、垂直に立つ本尺(目盛の付いた支柱)、本尺に沿って上下するスライダ、スライダに付くスクライバ(けがき針)の4つに分かれます。

ベースの底面が接している面がゼロで、スクライバの刃先までの距離が表示値になります。

用途は高さの測定だけではありません。

スクライバの先端を工作物に当てて横へ動かせば、指定した高さに真っすぐなけがき線が引けます。

測ることと印を付けることを1台で行える点が、ほかの長さ測定器との大きな違いです。

ノギスが2つの面ではさんで2点間の距離を読むのに対し、ハイトゲージははさまずに基準面からの片側だけを読みます。

そのため、箱物の上面高さや穴の中心高さのように、片側に測定器を当てられない形状でも数値が出せます。

副尺(ふくしゃく)の読み方そのものはノギスと共通なので、読み取りに慣れていない段階ならノギスの最小読取値の考え方を先に押さえておくと、ハイトゲージの目盛もそのまま読めます。

副尺・ダイヤル・デジタルという3タイプの読み方

読み取り方式で3タイプに分かれ、同じ測定範囲でも操作感と価格帯が変わります。

タイプ読み取り方一般的な最小読取値向いている使い方
バーニヤ(副尺)式本尺と副尺の目盛が一致した位置を目で読む0.05mm・0.02mm電池を気にせず、けがき中心で使う
ダイヤル式本尺で大きい桁、ダイヤルの針で小数以下を読む0.01mm針の振れで微小な上下を見たい検査
デジタル式液晶の数値をそのまま読む0.01mm任意の位置を基準にした連続測定

デジタル式の利点は、表示が速く読めることよりも、好きな位置でゼロに合わせられることにあります。

ワークの上面をゼロにしてから段差を測れば、引き算をしなくて済みます。

代わりに電池の管理が増え、電池切れのまま現場に持ち込むとまったく使えません。

バーニヤ式は読むのに慣れが要りますが、落としても表示が消えることはなく、長期間使わずに置いていた後でもそのまま読めます。

測定範囲と最小読取値から1台に絞る

測定範囲は測る物の高さに余裕を足して選ぶ

測定範囲は0〜300mm、0〜600mm、0〜1000mmといった区切りで用意されています。

測る物の最大高さぎりぎりの機種を選ぶと、スライダを上端まで上げた状態での測定が増え、本尺のたわみやスクライバの角度の影響を受けやすくなります。

普段測る高さの上限に、ある程度の余裕を持たせた範囲を選んでください。

範囲が大きくなるほど本体は重く、定盤上での取り回しも鈍くなるので、必要以上に大きくしても扱いにくくなるだけです。

最小読取値は図面の公差から逆算する

計測では、測定器の最小読取値を公差幅の1/10程度に取るのが目安とされます。

公差が±0.1mm、つまり幅0.2mmなら0.02mmの副尺式でも足りますが、公差が0.05mm幅まで詰まる図面を扱うなら0.01mm読みのダイヤル式かデジタル式になります。

けがき作業だけで仕上げ寸法の検査には使わないのであれば、0.05mm読みでも実用上は困りません。

0.01mm表示と精度は別の数字

最小読取値と器差を混同すると、選び間違いが起きます。

最小読取値は「いくつ刻みで表示できるか」であって、その値が正しいことを保証するものではありません。

実際にどこまで信用できるかは、カタログの精度欄に別記されている器差(指示誤差)で判断します。

器差は測定範囲が長い機種ほど大きい値で書かれるのが普通で、同じ0.01mm表示でも300mm機と600mm機では数値が違います。

表記の基準もメーカーで揃っていません。

多くは20℃の環境での値として書かれており、測定力や測定姿勢の条件が注記されている場合もあります。

比べるときは、表示分解能ではなく器差の数値と、その横に書かれた条件まで見てください。

精度欄に何も書かれていない商品ページもあります。

その場合は型番でメーカーの公式仕様を引くか、販売店に確認したほうが確実です。

手元でゼロ点が合っているかを確かめるには、寸法の分かっている基準が要ります。所定の高さのブロックを定盤に置いて読み、表示が一致するかを見る方法が一般的で、ブロックゲージの等級とリンギングの考え方を知っておくと、どの等級のものを基準に使えばよいかの判断が付きます。

定盤なしで使ったハイトゲージの値は基準が消える

基準面の平面度とベース底面の状態

ハイトゲージはベース底面が接している面をゼロとして読むので、その面が平らでなければ数値はそのぶんずれます。

作業台の天板や床の上で使うと、傾きと凹凸がそのまま誤差になり、どれだけ高精度な機種でも意味がありません。

定盤を架台に載せて使うときは、作業前にがたつきがないかを確かめてから測ってください。

ベース底面と定盤面に付いた切粉やバリも同じで、0.01mmを読む作業では拭き取りが前提になります。

スクライバの突き出し量と押し当てる力

スクライバを長く突き出すほど、先端はわずかにたわみます。

測定とけがきで突き出し量を変えると、同じ表示値でも実際の高さが変わるため、測るときは必要以上に出さないようにします。

押し当てる力も一定にしてください。

力を加えるほど数値は小さく出て、人や回ごとにばらつきます。

なお、穴や溝の底までの深さはハイトゲージの得意な測り方ではありません。基準面から下方向へ入り込む寸法は、深さ測定に使う3タイプの道具の違いで扱っている専用の測定器のほうが素直に測れます。

ハイトゲージの仕様はカタログのどこに書いてあるか

商品ページの仕様表で見る行は決まっています。

「測定範囲」で測れる高さ、「最小読取値」または「分解能」で表示の刻み、「器差」または「精度」で許容されるずれ、「質量」で定盤上での扱いやすさが分かります。

この4行が揃っていない商品ページは、型番でメーカーの製品ページを引き直したほうが早いです。

型番の末尾でデジタル式かどうかを見分けられる場合もありますが、記号の意味はメーカーごとに違うので、型番だけで方式を決め打ちしないでください。付属品欄も確認したい箇所で、スクライバが超硬チップ付きかどうか、予備のスクライバやスペーサが付くかどうかは機種で差があります。

検査成績書や校正証明書、トレーサビリティ体系図は、標準添付ではなく別途申し込みになることがあります。

社内の検査記録に残す用途で買うなら、注文時にどの書類が付くかを販売店に確認してから発注してください。

取扱いや納期は店舗や時期で変わります。

よくある質問

ノギスを持っていればハイトゲージは要りませんか

測る対象によります。

ノギスは2つの面ではさんで測るため、片側にしか測定器を当てられない形状や、定盤面を基準にした高さには使えません。

逆に、外径や内径のように両側からはさめる寸法ならノギスで足ります。

高さ方向の基準を1か所に固定して、複数の寸法を同じ基準から読みたい作業が出てきた時点が、ハイトゲージを足すタイミングです。

平らな机の上でも使えますか

けがき線の位置を大まかに出すだけなら使えますが、寸法として記録する測定には向きません。

机の天板は平面度が保証されておらず、そのずれがそのまま測定値に乗ります。

0.01mm読みの機種を買っても、定盤がなければその分解能は使い切れません。

デジタル式の電池が切れると測定値はどうなりますか

表示が消えるため、その場では読めなくなります。

電池交換後にゼロ点を取り直す必要があるかは機種によって異なるので、取扱説明書の原点設定の項目を確認してください。

現場で交換できるよう、使用している電池の型番を控えて予備を持っておくと作業が止まりません。

まとめ

ハイトゲージを選ぶときは、測定範囲で測れる高さを決め、図面の公差から最小読取値を逆算し、最後に器差の数値で機種を比べる順序になります。

表示の刻みが細かい機種を選んでも、定盤を使わなければその精度は出ません。

ぜひ本記事の仕様表の読み方と基準面の扱い方を参考に、自分の図面と作業場に合う1台を選んでください。

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