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ブロックゲージとは?リンギングと等級の読み方を解説

ブロックゲージを買うとき、最初に決まるのは入っている枚数ではなく等級です。

JIS B 7506はK級・0級・1級・2級の4段階を定めていて、どれを選ぶかで許容差の桁が変わります。

呼び寸法10mm以下の長さ許容差は、0級で±0.12μm、2級で±0.45μm。

1μmは0.001mmですから、ノギスの最小読取値0.05mmとは3桁違う単位で管理される道具です。

等級は品質の格付けではなく、使う場所の指定です。本記事では、ブロックゲージの等級が示す中身・セットの刻み幅と材質の決め方・同じ「0級」でも規格によって意味がずれる理由を解説します。

GOOD DIY編集部

測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

ブロックゲージは長さの基準を実体にした測定器

ブロックゲージは、向かい合う2つの測定面の距離そのものを寸法として保証した基準器です。

目盛も可動部もなく、ブロック1個が「25mm」という長さを実体で持っています。

ノギスやマイクロメーターが寸法を読み取る道具だとすれば、こちらは読み取る側の正しさを確かめるための元になる道具です。

呼び寸法は20℃での面間距離

ブロックゲージに刻印された数値は、標準温度20℃における測定面間の距離です。

鋼製ブロックゲージの線膨張係数はJISで11.5±1.0×10⁻⁶/Kと規定されていて、100mmのブロックなら1℃の温度差でおよそ1.2μm伸び縮みします。

0級の許容差が±0.12μmであることを思えば、素手で握った数分の体温だけで等級の意味が消えます。

扱いは布かピンセットを介し、測る前に測定物と同じ室温になじませてください。

密着させて中間の寸法を作る

単体で持っていない寸法は、複数のブロックを密着(リンギング)させて作ります。

測定面が極めて平らで滑らかなため、ごく薄い油膜を挟んで押し当てながらずらすと、接着剤なしで一体になります。

ただし枚数を重ねるほど各ブロックの許容差と密着面の誤差が積み上がるので、組み合わせは3〜4枚以内に収めるのが基本です。

ブロックゲージの等級はK級・0級・1級・2級の4段階

JIS B 7506はISO 3650に整合した規格で、等級は次の4つに分かれます。許容差は呼び寸法ごとに定められていて、大きい寸法ほど段階的に広がります。

等級長さ許容差(呼び寸法10mm以下)使う場所
K級±0.20μmほかのブロックゲージを校正する参照用
0級±0.12μm測定室での基準、測定器の点検
1級±0.20μm検査用、治具や段取りの基準出し
2級±0.45μm工作現場での寸法合わせ

K級の長さ許容差は1級と同じ数字で、ここだけ見ると上下が逆に見えます。

K級が参照用とされるのは、平面度と長さの変動量の許容値が最も厳しく、実際の寸法を添付の校正証明書に書かれた値で使う前提だからです。

呼び寸法との差を個体ごとに把握して補正に回すため、刻印の数字をそのまま信じる0級・1級とは運用自体が違います。

社内でブロックゲージを校正する体制がないなら、K級を買っても持て余します。

セット選びはブロックゲージの刻み幅と材質で決まる

個数より最小の刻み幅

市販のセットは9個組のような少数組から100個を超えるものまであり、枚数が多いほど作れる寸法が増えるのは確かです。

それでも先に確かめたいのは総数ではなく、入っているブロックの最小刻みです。

0.01mm刻みまでのセットでは、1.005mmのような端数を含む寸法が組めません。

0.001mm台まで合わせたいなら、0.001mm刻みのブロックを含む構成を選んでください。

逆に、マイクロメーターの点検で決まった数点だけ確認するなら、点検用の少数組で足ります。

鋼・超硬合金・セラミックスの3タイプ

材質は3タイプあります。

鋼製は最も一般的で、線膨張係数が鋼の工作物に近いため、測る相手が鉄系なら温度差の影響が相殺されやすいという利点があります。

一方で錆びるので、使用後の防錆処理が欠かせません。

超硬合金製は耐摩耗性が高く測定面が傷みにくい反面、線膨張係数が鋼のおよそ半分以下で、鋼の部品を測るときは温度補正の考え方が変わります。

セラミックス製は錆びず、欠けにくく、重量も軽めです。

現場で毎日使って摩耗させるなら超硬かセラミックス、測定室で年に数回使うだけなら鋼製で十分といった分け方になります。

同じ「0級」でも規格が違えば中身が違う

等級の表記は規格と年代でずれます。

現在のJIS B 7506はK・0・1・2の4段階ですが、1990年代以前の国内表記では00級・0級・1級・2級、さらに古いものではAA・A・B・Cが使われていました。

中古品や長く倉庫にあったセットには、この旧表記のラベルが残っています。

国が変わるとさらに並びが変わり、米国のASME B89.1.9ではK・00・0・AS-1・AS-2というグレード名が使われます。

名前が同じ「0」でも許容差の数値が一致するとは限らず、「0級相当」という売り文句だけでは何も確定しません。

判断の順序は決まっていて、まず準拠規格の名称(JIS B 7506、ISO 3650、ASME B89.1.9のいずれか)を確認し、次にその規格での等級を見て、最後に許容差の実数値をμmで突き合わせます。

数値まで下りれば、表記の違いに関係なく比較できます。

等級が合わないと基準の側が先に狂う

等級を外したときに起きることは、測定器の狂いとは質が違います。

工作現場で日常的に使う場所に0級を置けば、測定面の擦り傷と摩耗が進み、呼び寸法との差が許容差を超えます。

基準器が狂っていることは、その基準器では検出できません。

寸法の合わない製品が出て初めて気づく、という順番になります。

反対に、マイクロメーターの器差点検に2級を当てると、±0.45μmの不確かさを持った基準で1μm目盛の器械を見ることになり、差が出たときにどちらが原因か切り分けられません。

マイクロメーターの0.001mmまで管理するかどうかはマイクロメーターの選び方で解説していますが、その管理に使う基準側は、点検対象より1段階以上厳しい等級を選ぶのが原則です。

穴径の基準として使うピンゲージも等級の考え方は同じで、ピンゲージの等級と穴径の測り方で解説しています。

等級と校正の記録はどこで確認するか

等級は木箱やケースの内側のラベル、または製品ページの仕様欄に「JIS B 7506 1級」の形で書かれています。

あわせて確認したいのが校正証明書(検査成績書)の有無で、呼び寸法ごとの実測値と不確かさ、トレーサビリティの記載があるかどうかを見てください。

中古品で等級表示も証明書もないものは、見た目が無傷でも寸法が保証された基準器としては扱えません。

合否判定そのものを道具側に持たせたい用途なら、限界ゲージの通り側・止まり側の考え方で解説している専用ゲージのほうが向いています。

よくある質問

0級と1級はどちらを買えばいいですか

使う場所で決めてください。

測定室に置いてマイクロメーターやダイヤルゲージの点検に使うなら0級、現場に持ち出して治具の組み付けや段取りの基準に使うなら1級です。

現場用に0級を買うと、摩耗で早く値が動き、再校正の費用が増えます。

密着させたまま保管しても問題ありませんか

作業が終わったら外してください。

密着した状態を長く続けると測定面どうしが固着し、無理に剥がすと面を傷めます。

鋼製は湿気で錆びるので、外したあとに防錆油を塗ってケースに戻します。

ブロックゲージ自体の校正はいつ必要ですか

使用頻度と等級で変わるため、一律の期間は決まっていません。

日常的に現場で使うものほど摩耗が早く、間隔を詰める必要があります。

社内の校正管理規程に合わせて周期を決め、落下させた個体はその時点で点検に出してください。

まとめ

ブロックゲージの選定は、枚数でもメーカーでもなく等級から入ります。

JIS B 7506のK・0・1・2のどれが自分の使う場所に合うかを先に決め、そのうえで必要な刻み幅と材質を選べば、候補は自然に絞られます。

旧表記や海外規格の等級名は並びが違うので、迷ったら許容差の実数値まで下りて比べてください。

ぜひ本記事の等級表と確認の順序を参考に、使う場所に見合った1セットを選んでください。

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