SHARE:

デプスゲージの選び方|深さを測る3タイプの違いと用途

デプスゲージを選ぶとき、最初に決まるのは目盛の細かさではなく、測る相手の上面に基準面(ベース)をどれだけ安定して載せられるかです。

ノギスにもデプスバーは付いていますが、基準にしているのは本尺の端面で、細い棒の断面を押し当てているのに近い状態になります。

縁から離れた位置を測ると、わずかな傾きがそのまま深さの誤差として出ます。

読み取り側は、ノギス形で0.05mm、ダイヤル式とデジタル式で0.01mm、デプスマイクロメーターで0.001mmまでが目安です。

ただし表示の細かさと器差は仕様欄の別の行に書かれていて、同じではありません。

本記事では、デプスゲージの4タイプと読み取り値の対応・穴径や溝幅から機種を絞る手順・チェンソーやタイヤで同じ名前が別の物を指す理由を解説します。

GOOD DIY編集部

測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

デプスゲージが測っているのは基準面から底までの距離

デプスゲージは、段差・溝・止まり穴の深さを測る測定器です。

測る対象の上面にベースを当て、そこから測定子(スケールやスピンドル)を底まで降ろし、ベース面と測定子先端の距離を読みます。

ノギスやマイクロメーターのように二面で挟むのではなく、基準面と測定子の2つだけで成り立っている構造です。

基準面が傾けば数値はそのまま狂う

挟んで測る道具は、対象を挟んだ時点で向きが決まります。

デプスゲージにその働きはなく、ベースを平らに押さえているのは測る人の手だけなので、ベースが傾けば測定子は斜めに降りて実際より長い距離を読みます。

ベースの幅と長さが大きいほど傾きにくく、逆に小型品は狭い場所に入る代わりに姿勢が安定しません。

ノギスのデプスバーとの違いは基準面の広さ

ノギスのデプスバーでも深さは読めますが、基準になるのは本尺の端面だけで、載せられる面積がほとんどありません。

穴の中心付近を測ろうとすると、端面の一部しか相手に接しない状態になります。

ノギス側の構造と読み取りの仕組みはノギスの選び方で解説しています。

深さを日常的に測るなら、専用のデプスゲージを別に持つほうが姿勢の問題から解放されます。

ノギス形からデプスマイクロメーターまで4タイプの読み取り値

読み取り方式でタイプが分かれ、読める最小の値と測定範囲が連動します。

タイプ読み取り方最小読取値の目安向いている作業
ノギス形(バーニヤ)本尺とバーニヤ目盛を読む0.05mm溝や段差を0.1mm単位で押さえたい作業
ダイヤル式丸い目盛板の針を読む0.01mm同じ深さを繰り返し検査する作業
デジタル式液晶の数値を読む0.01mm任意の位置を0にして差だけ見たい作業
マイクロメータ形スリーブとシンブル、バーニヤ併用0.001mm座ぐりや止まり穴を1μm単位で管理する作業

測定範囲は読み取り方式で頭打ちになる

ノギス形はスケールの全長が測定範囲になるため、0〜150mmや0〜200mmのように広く取れます。

ダイヤル式はスピンドルのストローク分しか動かないので、深い穴には届きません。

マイクロメータ形は25mmごとの交換ロッドで範囲を伸ばす方式が一般的で、付属ロッドの本数まで含めて仕様を確認してください。

目量と器差は別の行に書かれている

0.01mm表示だから0.01mmの精度がある、とはなりません。

表示の刻みは目量で、測定器そのものの狂いは器差として別に規定されます。

カタログで見るときは、最小読取値の隣に器差や精度の行があるかを確かめてください。

穴の径と溝の幅からデプスゲージを絞る手順

決める順番は4つあり、上から順に候補が消えていきます。

  • 基準にする面の広さ … ベースが載り切るか。穴径より明らかに広い面が要ります
  • 測定子が入るか … 溝幅や穴径より細い先端かどうか
  • 深さの範囲 … 最大値に余裕があるか、ロッド交換が必要か
  • 読み取り値 … 0.05mmで足りるか、0.01mm以下が要るか

ベースが穴の縁に掛かると測定自体が成立しない

最初に見るのはベース幅です。

穴径がベースの幅に近いと、ベースの端が穴の中へ落ちて基準面が下がります。

細長いベースの小型品か、ブリッジ状の補助台を併用する形になります。

深さではなく突き出し量や高さ側を測るなら、ハイトゲージの選び方で扱っている測定範囲の考え方のほうが近いです。

0.001mmが必要になる場面は限られる

マイクロメータ形は1μm単位で読めますが、必要になるのは図面の公差が二桁μmで切られている部品の検査くらいです。

一般の機械加工や組み付けの確認なら0.01mmで足ります。

0.001mmを読むことの意味と、そこまで要るかどうかの判断はマイクロメーターの選び方で解説しています。

チェンソーとタイヤでも「デプスゲージ」と呼ぶ

同じ語が、測定器ではない物を指す分野があります。

チェンソーのソーチェーンでは、カッターの前にある低い突起をデプスゲージ(またはレーキ)と呼びます。

これは深さを測る道具ではなく、刃が一度に食い込む量を決める部位で、目立てではこの突起の高さをヤスリで下げて調整します。

自動車の整備では、タイヤの溝の残り深さを測る小型の器具をタイヤデプスゲージと呼びます。構造は精密測定用と同じで、ベースをトレッドの山に当てて測定子を溝底まで降ろす形ですが、読み取りは0.5mm刻み程度のものが多く、用途も残溝の判定に絞られています。

検索すると、この3つが同じ語で並びます。精密測定用を探すときは「ノギス形デプスゲージ」「デプスマイクロメーター」のように読み取り方式まで入れて絞るほうが早いです。

基準面が浮けばその分だけ深く出る

誤差のほとんどはベースの当たり方で生まれます。

切粉やバリがベースの下に挟まれば、浮いた分だけ測定子は余計に降り、深さは実際より大きく出ます。

反対に、ベースの端が穴の面取りや段差に掛かって沈めば、その分だけ浅く読みます。

どちらも0.1mm単位の話ではなく、挟まった切粉1枚で結果が変わります。

当てる前に、ベースの当たり面と相手の面を拭く。

これだけで再現性がかなり変わります。

測定子を底に当てるときも、押し付けて撓ませないよう一定の力で止めてください。

マイクロメータ形にラチェットが付いているのは、この力加減を揃えるためです。

0点の狂いは定盤とブロックゲージで見る

落下のあとや久しぶりに出したときは、平らな定盤の上でベースを載せ、測定子を定盤面まで降ろして0を指すか確かめます。

任意の深さでの狂いを見るなら、既知の寸法を積んで比較する方法があり、その基準になる器具はブロックゲージとはで等級の読み方まで解説しています。

カタログの器差は出荷時の値なので、使い込んだ個体は自分で確認してください。

よくある質問

ノギスのデプスバーだけでは足りませんか

浅い段差を0.5mm単位で把握する程度なら足ります。穴の中心付近を測る場合や、0.1mm以下を読みたい場合は、基準面の狭さが誤差になるので専用品を使ってください。

デジタル式とダイヤル式はどちらを選べばよいですか

読みたいのが絶対の深さならどちらでも同じです。

基準の1個を0にして、残りをその差で判定する検査が多いならデジタル式が向きます。

電池切れを避けたい現場や、針の振れで良否を見たい作業ならダイヤル式です。

仕様のどこを見れば使えるか判断できますか

測定範囲・最小読取値(目量)・器差・ベースの寸法・測定子の形状と太さの5項目です。商品ページで基準面の寸法が省かれていることがあるので、その場合はメーカーの仕様図か取扱説明書で確かめてください。

まとめ

デプスゲージは基準面と測定子の2点だけで深さを決める測定器なので、読み取りの細かさより先に、ベースが載る面があるかどうかで候補が決まります。

読み取り値は、一般的な確認なら0.05mmから0.01mm、公差がμmで切られた部品だけがマイクロメータ形の領域です。

表示の刻みと器差を混同せず、落下のあとは定盤で0点を見直してください。

ぜひ本記事のベース幅・測定子・測定範囲・読み取り値という順番を参考に、手元の穴と溝に合う一本を選んでください。

あなたへのおすすめ