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シリンダゲージの使い方|内径を0.01mmで測る手順と基準

シリンダゲージは、穴の内径そのものを読む道具ではありません。

ダイヤルゲージの針が示すのは、あらかじめ合わせた基準寸法との差だけです。

50mmでゼロを合わせてから穴に入れ、針が+0.03を指したなら内径は50.03mm、という読み方になります。

そのため、買うときに最初に決まるのは目量でも精度でもなく、測りたい穴の径が替えロッドの組み合わせに収まるかどうかです。測定範囲は10〜18mm、18〜35mm、35〜60mmのように帯で分かれていて、1台で全域をまかなう製品はありません。

本記事では、比較測定という原理・測定範囲が替えロッドとワッシャで決まる仕組み・目量の選び分け・レンジが合わないときに起きる読み違いを解説します。

GOOD DIY編集部

測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

シリンダゲージは内径を比較で測る測定器

シリンダゲージは、ダイヤルゲージを上部に取り付けた棒状の本体の先に、穴の内壁へ当たる測定子を持つ構造です。日本産業規格ではJIS B 7515にシリンダゲージが、組み合わせるダイヤルゲージにはJIS B 7503が定められています。

針が示すのは基準寸法との差

測定子が穴の壁に押されると、その動きがてこを介して上のダイヤルゲージへ伝わります。

目盛が0を指したときの寸法は、使う人が先に決めるものです。

外側マイクロメーターの測定面の間に挟んで合わせるか、リングゲージやブロックゲージを基準にして合わせます。

このゼロ合わせの精度より測定結果が良くなることはないため、基準側の道具のほうが先に問われます。

マイクロメーターを持っていない場合の選び方はマイクロメーターの選び方で解説しています。

最小値を読むために本体を振る

穴に差し込んだだけでは、測定子が直径上に乗っているとは限りません。

本体を前後にゆっくり倒すと針が振れ、折り返す点が直径の位置になります。

内径の場合は測定子の押し込みがいちばん戻る点、つまり指示の最小値が答えです。

この振り方を省くと、斜めに当たったぶんだけ実際より大きい値を読みます。

測定範囲は替えロッドとワッシャで決まる

本体に付属するのは、長さの違う交換式の測定子(替えロッド)と、厚みを足すワッシャです。

測定子を替えればおおまかな径が決まり、ワッシャで細かく段を詰めます。

製品ごとに区切り方は違いますが、流通しているものは次のような帯に分かれています。

測定範囲の帯よく当てる対象該当する人
10〜18mm前後小径のブッシュ、ピン穴小物部品の加工・補修をする人
18〜35mm前後コンロッド小端部、軸受エンジン部品を分解整備する人
35〜60mm前後軸受ハウジング、中径の穴機械加工の中仕上げを見る人
50〜150mm前後シリンダボア、大径スリーブボアの摩耗やテーパーを測る人

帯が重なる径では、どちらを選んでも測れます。

ただし帯の端ぎりぎりの径は、替えロッドの突き出しが最大か最小に寄るため扱いにくくなります。

測りたい径が帯の中央寄りに来るものを選んでください。

目量は0.01mmと0.001mmのどちらが要るか

標準的なダイヤルゲージの目量は0.01mmで、1目盛が10μmにあたります。

摩耗で何十μm広がったかを見る用途ならこれで足ります。

一方、はめあい公差が数μm単位で指定されている穴を確認するなら、目量0.001mmのダイヤルゲージを組み合わせたタイプでないと判定そのものができません。

0.001mmを選ぶなら、測る側だけ細かくしても意味がない点に注意してください。

ゼロ合わせに使う基準が0.01mmの精度しかなければ、読み取りの細かさは見かけ上のものになります。

μm台を扱う場合は、ブロックゲージを基準にする運用が前提です。

等級の読み方はブロックゲージの等級とリンギングで解説しています。

また、目量が細かいほど温度の影響も表に出ます。

手で握った熱で本体とワークが伸びるため、測る前に室温へなじませる時間が要ります。

0.01mmで足りる作業にまで0.001mm機を使うと、作業が止まる時間のほうが増えます。

測る穴からシリンダゲージを決める手順

条件を順に当てはめれば、候補はほぼ1つに絞れます。

  • 測りたい穴の最小径と最大径を書き出し、両方が1つの測定範囲帯に収まるかを確認する
  • 穴の深さを測り、本体のステムがその深さまで届くかを確認する。深い穴では使用深さの表記が長いタイプを選ぶ
  • 必要な読み取り単位を決める。摩耗量なら0.01mm、はめあい公差なら0.001mm
  • ゼロ合わせに使う基準(マイクロメーター・リングゲージ・ブロックゲージ)が手元にあるかを確認する

この4つのうち、後から足せないのは1番目と2番目です。

目量はダイヤルゲージを付け替えれば変えられますし、基準器は買い足せます。

測定範囲と使用深さだけは本体の構造で決まるため、ここを外すと買い直しになります。

レンジが合っていないと内径が違って見える

測定範囲の上限ぎりぎりで使うと、替えロッドの突き出し量が多くなり、測定子が穴の壁に当たる角度が浅くなります。

この状態では本体を振っても折り返し点がはっきりせず、どこが最小値なのか読み取れません。

反対に下限側で詰めすぎると、測定子が引っ込みきって可動範囲を使い切り、針が動かなくなります。

深さの不足も同じ結果を招きます。

シリンダボアは入口付近がいちばん摩耗するため、上・中・下の3か所で測って差を見るのが基本です。

ステムが途中までしか届かなければ、いちばん知りたい下側のデータが取れません。

なお、穴径をおおまかに知りたいだけならノギスの内側ジョウでも読めます。

ただしジョウの先端は厚みがあり、直径線上に当てにくいため、μm台の差を追う用途には向きません。

読み取り単位ごとの使い分けはノギスの最小読取値と選び方で解説しています。

シリンダゲージの仕様表で確かめる3行

商品ページで見るべき行は決まっています。

仕様表の行読み方
測定範囲替えロッドとワッシャをすべて使ったときにカバーできる径の帯。測りたい径が中央寄りに来るかを見る
使用深さ(測定深さ)穴に差し込める長さ。深い穴を測るならここが足りているかを確認する
目量・ダイヤルゲージの有無0.01mmか0.001mmか、本体のみかセット品か。本体のみの場合は取付軸の径が合うかを見る

ダイヤルゲージの取付部は、ステム径8mmのものが広く使われています。手持ちのダイヤルゲージを流用するつもりなら、この径が一致しているかを先に確かめてください。

よくある質問

シリンダゲージとボアゲージは別の道具ですか

同じ道具を指して使われることがほとんどです。

内径(ボア)を測るという意味でボアゲージと呼ぶ人と、シリンダの摩耗測定から入ってシリンダゲージと呼ぶ人がいる、という違いになります。

商品名としてはどちらの表記も使われているため、検索するときは両方で探してください。

ダイヤルゲージは別に買う必要がありますか

セット販売と本体のみの両方があります。

すでに目量0.01mmのダイヤルゲージを持っているなら本体のみで足りますが、取付部のステム径が合うかどうかを確認してから選んでください。

取扱いは店舗や時期によって変わります。

穴が規定の径に入っているかを確認したいだけでも必要ですか

合否だけを見るなら、シリンダゲージよりピンゲージのほうが手順が短く済みます。

ピンが入るか入らないかで判定できるためです。

シリンダゲージが要るのは、どれだけずれているか、円周方向で径が違っていないか、深さ方向でテーパーが付いていないかという「量」を知りたいときです。

まとめ

シリンダゲージ選びで後戻りできないのは、測定範囲の帯と使用深さの2つです。

目量はダイヤルゲージの付け替えで変えられますし、ゼロ合わせの基準器も後から足せます。

測りたい穴の径と深さを実寸で書き出してから仕様表の3行を見れば、候補はほぼ1台に絞れます。

読み取りの精度は、ゼロ合わせに使った基準器を超えません。

μm台を追う作業なら、本体より先に基準側を整えるほうが結果が安定します。

ぜひ本記事の決め方の手順を参考に、手持ちの基準器と測る穴の寸法から機種を絞ってください。

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