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ダイヤルゲージの選び方|測定範囲と目量で決まる使い道

ダイヤルゲージを寸法測定器だと思って買うと、最初の一回で手が止まります。

目盛は0.01mm刻みでも、読めるのは基準からどれだけ離れたかという差だけで、丸棒の直径そのものは出てきません。

ゼロ点をどこに置くかは使う人が決めます。

本体だけでも測定は始まりません。

スタンドかホルダに取り付け、測る面に対してスピンドルをまっすぐ当てて、はじめて針が意味のある動きをします。

測定範囲も1mm程度の小型から10mmクラスまで幅があり、足りないストロークは当て方の工夫では埋まりません。

本記事では、ダイヤルゲージが読んでいる値の正体・スピンドル式とてこ式の使い分け・目量0.01mmと0.001mmの境目・スタンドと取付部の条件を解説します。

GOOD DIY編集部

測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

ダイヤルゲージが測るのは寸法そのものではない

ダイヤルゲージは、先端のスピンドル(測定軸)が押し込まれた量を歯車で拡大し、長針の回転として表示する比較測定器です。

比較というのは、あらかじめ決めた基準に対してプラスかマイナスかを読む、という意味になります。

基準をどこに取るかは、定盤の面だったり、ブロックゲージを積んだ高さだったり、回転させる前の一点だったりと作業ごとに変わります。

そのため、同じ精密測定器でもマイクロメーターとは役割が違います。軸の直径が19.98mmなのか20.01mmなのかという絶対値が欲しいなら、マイクロメーターの選び方で解説している測定範囲の考え方から入ったほうが早く、ダイヤルゲージが得意なのは「1回転させたときに何mm振れたか」「端と端で何mm傾いているか」という差のほうです。

目量0.01mmの機種では、長針が1回転して1mm、その1回転ぶんを小さな短針が1目盛ずつ数えていく構造が一般的です。

長針が2周しているのか3周しているのかを短針で確かめないと、0.3mmの差を1.3mmと読み違えます。

針の往復とマイナス表示の読み方はダイヤルゲージの読み方で詳しく解説しています。

スピンドル式とてこ式というダイヤルゲージの2タイプ

形で分けるなら2タイプです。スピンドルが本体から直線に出る標準型と、先端のレバーが振れて動くてこ式に分かれます。

スピンドル式(標準型)

測定子が押し込まれる向きと、測りたい変位の向きが一致するタイプです。

定盤の上で平面の高さを比べる、プレスの下死点を見る、旋盤の往復台の動きを追うといった、正面から当てられる作業に向きます。

測定範囲が5mmや10mmと広い機種を選べるのもこちら側で、1本目に買うなら標準型が無難です。

てこ式(テストインジケータ)

測定子が支点を中心に揺動するため、本体の厚みが薄く、穴の内側や溝の底、加工機のテーブルとワークの隙間にも入ります。

その代わり、測る面に対して測定子を傾けて当てると指示値が実際より小さく出ます。

どこまでの角度なら許容できるのかを含め、てこ式ダイヤルゲージとの違いで選ぶ基準を解説しています。

狭い場所が主戦場でないなら、2本目に回して差し支えありません。

目量0.01mmで足りる作業、0.001mmが要る作業

目量は1目盛が表す量で、一般的な機種は0.01mmです。0.001mmまで刻む精密タイプもありますが、分解能が10倍になっても測定の確からしさが10倍になるわけではありません。

0.01mmを選ぶ場面

丸棒の振れ、治具の平行度、機械の据付でのガタの確認など、数十µm単位の差を見つけたい作業はこちらで足ります。量販される本数も多く、価格は安い側に収まります。

0.001mmが必要になる場面

軸受のはめあいや研削後の仕上がりのように、許容差そのものが数µmで指定されている工程では0.001mmが要ります。

ただしこの領域では、手の体温でワークが伸びる、定盤と室温が違う、測定子を当てる圧力が一定でない、といった要因が指示値を動かします。

測定環境を整えないまま細かい目量の機種だけ買っても、針が落ち着かずに読めません。

当てる力と待ち時間の作り方はダイヤルゲージの使い方で解説しています。

スタンドと合わせて初めてダイヤルゲージは測れる

ダイヤルゲージは単体で自立しないので、マグネットスタンドかホルダ、または専用の測定台と組み合わせます。

ここで精度を落とすのは、ゲージ側ではなく保持側です。

アームを長く伸ばして先端に本体を付けると、測定子が押し返される力でアームがたわみ、ワークは動いていないのに針が戻ってきます。

マグネットベースの保持力は製品ごとに差があり、貼り付く面が塗装されていたり、鋳物の肌が粗かったりすると公称どおりには吸い付きません。

スイッチをオンにしたあと、スタンドを軽く横から押して動かないか確かめてから測り始めてください。

保持力の見方とアームの構成はダイヤルゲージスタンドの選び方で解説しています。

旋盤やフライス盤の芯出しのように、主軸を回しながら針を読む作業では、スタンドの固定先が回転側か固定側かで意味が変わります。振れの数値をどう半分に割って調整へ反映するかはダイヤルゲージで芯出しする手順で解説しています。

測定範囲とステム径が取付の可否を決める

買う前に突き合わせる数字は、測定範囲と取付部の寸法です。

測定範囲は、スピンドルが動ける全ストロークを指します。

段差が3mmある面を比べるのに1mm範囲の機種を選ぶと、針を持ち上げた時点で測定範囲の外へ出てしまいます。

逆に、ストロークが長い機種ほど本体は大きくなるため、入る隙間が減ります。

取付側では、本体の背面から出ている円筒部分の直径が合うかどうかを見ます。

ステムと呼ばれるこの部分は8mm径のものが広く流通していて、スタンドのクランプ側も8mmを前提にした製品が多くなっています。

背面に耳金(みみがね)と呼ばれる取付金具が付く機種なら、ボルト止めで機械に固定する使い方もできます。

先端の測定子は交換式です。

平面には球面、球面や丸棒には平面、溝の奥には細い棒状と、相手の形で選び分けます。

付属品のままでは点で当たらない場面もあるので、形状ごとの向き不向きはダイヤルゲージの測定子で解説しています。

ダイヤルゲージの狂いをどう疑うか

カタログに載っている指示誤差は出荷時の値なので、落下や長期使用のあとも同じとは限りません。工具箱の中で測定子をぶつけただけでも、スピンドルがわずかに曲がって動きが渋くなります。

手元でできる確認

定盤や平らな面の上にスタンドで据え、測定子を数回押し込んで放したときに、毎回同じ位置へ針が戻るかを見ます。

戻る位置がばらつく、途中で針が飛ぶ、ストロークの端で動きが重くなる、のいずれかが出たら測定には使わないでください。

スピンドルに油を差して誤魔化すと、ゴミを呼んで症状が悪化します。

校正は手元では完結しない

指示値が全体にずれているかどうかは、ブロックゲージや専用のテスタなど、基準になる寸法と突き合わせないと判断できません。

設備がなければメーカーや校正事業者に出すことになります。

費用は機種と内容で変わり、見積を取るまで確定しないので、事前に窓口へ問い合わせてください。

よくある質問

ダイヤルゲージとダイヤルインジケータは別物ですか

同じ道具を指します。

英語表記をそのままカタカナにしたのがインジケータで、カタログによってはダイヤルインジケータと書かれています。

てこ式のほうはテストインジケータ、ピックテストなどとも呼ばれます。

1本目はスピンドル式とてこ式のどちらを買えばよいですか

測る場所が開けているならスピンドル式です。

測定範囲を5mmや10mmから選べて、正面から当てるぶん読み違えも起きにくくなります。

穴の内側や機械の隙間にしか入らないと分かっている場合だけ、てこ式を先に選んでください。

ダイヤルゲージで軸の直径は測れますか

直径の絶対値は出ません。

基準にした寸法との差しか読めないため、20mmのブロックゲージなどで0点を作り、そこからの差として間接的に求める形になります。

直径そのものを一度で読みたいならマイクロメーターのほうが適しています。

落としたあとも、ゼロに合わせ直せば使えますか

0点を合わせ直しても、目盛全域のずれや動きの渋さは直りません。押し込んで放したときの戻り位置を数回確かめ、少しでもばらつくなら使用を止めて点検に出してください。

まとめ

ダイヤルゲージ選びで最初に決まるのは、目量でもメーカーでもなく、測る場所に本体と測定子が入るかどうか、そして必要な変位量がストロークに収まるかどうかです。

そのうえで、開けた面ならスピンドル式、隙間ならてこ式と形を決め、許容差が数µmで指定されている工程に限って0.001mmの機種を検討すれば、候補はかなり絞れます。

スタンドの保持力とアームのたわみまで含めて1セットだと考えておくと、買ってから測れないという事態を避けられます。

ぜひ本記事の測定範囲とステム径の見方を参考に、手持ちのスタンドと組み合わせられる1本から選んでください。

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