ダイヤルゲージスタンドの選び方|マグネットの保持力
ダイヤルゲージのスタンドは、マグネットの吸着力より先に、ゲージ側の取付部に合うかどうかで決まります。
背面のねじ穴で留める機種と、円筒の軸(ステム)をクランプで挟む機種では、スタンドに求める形がそもそも違います。
てこ式にはアリ溝で留める取付も混じるため、同じクランプでは挟めないことがあります。
ミツトヨかピーコックかというメーカー単位ではなく、機種単位で取付部を確かめるのが先です。
ここを外すと、スタンドだけ届いてもゲージが載りません。
本記事では、スタンドのタイプ別の向き不向き・取付部の合わせ方・吸着面と支柱の長さの制約・純正と汎用の線引きを解説します。

GOOD DIY編集部
測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
ダイヤルゲージのスタンドは何のために使うか
ダイヤルゲージは本体を固定して初めて数値が意味を持ちます。
手で持って測定子を当てると、押し付ける力の強弱がそのまま針の動きになり、同じ場所を二度測っても読みが揃いません。
スタンドは測定子の位置と押し込み量を一定に保つための道具で、言い換えればゲージの一部です。
固定が必要になる場面としていちばん分かりやすいのは芯出しです。
主軸やワークを回しながら針の振れ幅を読む作業では、ゲージが少しでも動けば、ワークの振れとゲージ自身の揺れを区別できません。
読み取りそのものの手順はダイヤルゲージの使い方で解説しています。
回しながら読む段取りについては芯出しの手順で振れの読み方まで扱っています。
もうひとつが比較測定です。
基準となるブロックでゼロを合わせ、ワークと差を読む使い方では、ベースの平面度と支柱の剛性が測定結果に直接乗ります。
マグネットベースと測定台が別物として売られているのは、この用途の違いによるものです。
スタンドを選ぶときに合わせる取付規格
スタンド側にはゲージを掴むクランプ(ホルダ)が付いていて、ここがゲージ側の取付部と噛み合わなければ組めません。合わせる点は取付方式と寸法の2つで、方式が合っていても径が違えば固定できません。
ステムで挟むか、背面のねじ穴で留めるか
標準形のダイヤルゲージは、測定子が出ている側に円筒状のステムが伸びていて、これをスタンドのクランプ穴に差し込んで締めます。
クランプ穴の径とステムの径が合うことが条件で、径が1種類しかないわけではないため、手持ちのゲージの仕様で実寸を確認してください。
スタンド側の穴が大きい場合は、径を埋めるブッシュで合わせられることもありますが、適合はスタンドごとに違うので購入前に確認が要ります。
もう一方が背面取付です。
ゲージの裏面にねじ穴があり、L字の金具(ラグ)を介して固定する方式で、ステムを使わずに取り付けられます。
背面に取り付ける金具は機種ごとに形が決まっているので、汎用のスタンドを買っても金具が付属するとは限りません。
てこ式は取付部が別物になる
てこ式ダイヤルゲージは本体が薄く、アリ溝や細いステムで留める設計のものがあり、標準形と同じクランプには収まらないことがあります。
狭い隙間に差し込む使い方が前提なので、スタンド側も細身のホルダを選ぶことになります。
標準形との使い分けはてこ式ダイヤルゲージとの違いで解説しています。
吸着する面が鉄でなければマグネット式は選べない
マグネットスタンドはレバーで磁力をオンオフし、鉄の面に吸い付けて使います。
工作機械のテーブルや定盤(じょうばん)、鉄骨のように磁性のある面であれば、片手で位置を決めてレバーを倒すだけで固定できます。
一方でアルミのテーブル、銅合金、樹脂の治具には吸着しません。
ステンレスも種類によって磁性が弱く、吸着力が大幅に落ちる場合があります。
吸かない面に据えるなら、クランプで挟む固定具か、ベースを置いて使う測定台を選んでください。鉄の面でも塗装が厚い場所や、切粉が載った面では吸着が甘くなるので、据える前に当たり面を拭き取り、押しても動かないことを手で確かめてから測定に入ります。
アームを伸ばすほど先端が下がる
関節付きのマグネットスタンドは自由度が高い反面、アームを長く伸ばすと自重で先端が下がり、測定子の当たり方が変わります。ゲージ本体が重い機種や、ストロークの長い機種ほどこの傾向が強くなるため、必要な高さぎりぎりまで縮めて使うのが基本です。
測りたい位置が高ければ支柱の長い機種が要りますが、長い支柱に重いゲージを載せると今度は振動を拾います。
測る場所の高さとゲージの重さを両方見て、余裕を持たせすぎない長さを選んでください。
ゼロ合わせを繰り返す作業では、ベース側に微動つまみのある機種のほうが手数が減ります。
純正スタンドと汎用品はどこで線を引くか
取付方式と径さえ合えば、汎用のマグネットスタンドで足ります。
芯出しや据付の振れ確認のように、相対的な変化量だけを読む作業では、スタンドの素性が数値を左右する場面は多くありません。
メーカーを揃えることよりも、吸着力とアームの構成が作業に合っているかを見てください。
純正や専用品を検討したほうがよいのは、取付部が独自形状の機種を使う場合と、寸法の絶対値を記録に残す検査で使う場合です。
比較測定でミクロン台の差を読むなら、ベースの平面度と支柱のたわみが結果に含まれるので、関節で角度を変えるタイプのスタンドでは代用できません。
この用途では鋳鉄や石のベースを持つ測定台を選びます。
測定子を交換して当たり方を変える前提なら、スタンド側のクランプ位置に余裕があるかも見ておくと扱いやすくなります。先端の形状による使い分けは測定子の選び分けで解説しています。
よくある質問
マグネットスタンドはアルミのテーブルでも使えますか
使えません。
磁力で吸着する方式なので、アルミ・銅・樹脂の面には固定できません。
ステンレスも種類によって吸着力が落ちます。
鉄以外の面に据えるなら、クランプで挟む固定具か、置いて使う測定台を選んでください。
スタンドのクランプ穴とゲージの軸の径が合いません
径を埋めるブッシュで合わせられる場合があります。
ただし適合する組み合わせはスタンドごとに違うため、手持ちのゲージの軸径を実測したうえで、スタンドの対応寸法を確認してください。
背面のねじ穴で留められる機種なら、そちらの金具で固定する方法もあります。
てこ式のゲージを同じスタンドに付けられますか
付けられないことがあります。
てこ式は本体の取付部が標準形と異なり、アリ溝や細いステムで留める設計のものがあるためです。
両方を1本のスタンドで使い回したいなら、ホルダが交換できるか、変換用の金具が用意されているかを先に確認してください。
手持ちで測ってはいけないのですか
大まかな段差の有無を見るだけなら手持ちでも分かりますが、数値として読むなら固定してください。
手で押し付けると力の強弱が針に乗り、同じ場所を測り直しても読みが揃いません。
測定範囲や目量の選び方はダイヤルゲージの選び方で解説しています。
まとめ
スタンド選びで最初に決まるのは吸着力ではなく、ゲージ側の取付部に合うかどうかです。
ステムをクランプで挟むのか、背面のねじ穴で留めるのかを確かめ、径が合わなければブッシュで埋められるかまで見ておけば、買い直しは避けられます。
据える面が鉄でなければマグネット式は選べませんし、アームを伸ばすほど先端は下がります。
ぜひ本記事の取付方式の確かめ方と吸着面の条件を参考に、手持ちのダイヤルゲージの仕様を確認してからスタンドを選んでください。



