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てこ式ダイヤルゲージとの違い|狭い場所で選ぶ基準

てこ式ダイヤルゲージで最初に決まるのは目量ではなく、測定子を測定面に対してどの向きで当てられるかです。てこ式は測定子(スタイラス)が支点を中心に振れる動きを拡大して針に伝える構造なので、測りたい変位の向きから測定子が傾いた分だけ、指示値は小さく出ます。

傾き30°なら指示値は実際の変位のおよそ0.87倍で、目量0.01mmで丁寧に読んでも13%ぶん足りません。指示範囲も0.2mmから1.0mm程度しかなく、標準式のように数mmのストロークを当てにする使い方はできない構造です。

本記事では、てこ式ダイヤルゲージの目量と指示範囲の決め方・測定子の角度と長さで指示値が変わる仕組み・ステム径とあり溝で分かれる取付規格を解説します。

GOOD DIY編集部

測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

てこ式ダイヤルゲージは狭い場所の振れを読む測定器

てこ式ダイヤルゲージは、英語ではダイヤルテストインジケータと呼ばれ、JIS B 7533で規定されています。

本体の横から出た細い測定子が支点まわりに振れ、その回転を歯車で拡大して針が動く作りです。

測定子の先端は球状で、当たった面に沿って滑りながら上下の差を拾います。

スピンドルがまっすぐ出入りする標準式のダイヤルゲージと比べたときの違いは、測定子が横向きに突き出していることです。

穴の内側、段差の奥、旋盤のチャックに掴んだワークの側面など、標準式ではスピンドルを押し込む方向が取れない場所に当てられます。

薄い本体と短い測定子でここまで入れるために犠牲になっているのが指示範囲で、0.2mmから1.0mm程度と狭く設計されています。

そのため、てこ式は寸法そのものを測る道具ではなく、基準からのずれを読む道具です。

主軸に対するワークの振れ、2面の平行度、取り付けた治具の傾き、こういった「ゼロからどれだけ外れているか」を見る場面で使います。

ストロークを使って厚みや深さを追いたいなら標準式が向くので、どちらを選ぶかで迷っているならダイヤルゲージの選び方で測定範囲と目量の組み合わせを解説しています。

目量と指示範囲はてこ式でどう読むか

目量とは目盛1つが示す量のことで、0.01mm目量なら長針が1目盛動いたときの変位が0.01mmです。

てこ式の目盛板は中央を0として左右に振れる両振れ目盛が基本で、プラス側とマイナス側の両方を読みます。

目量と指示範囲は独立して選べるものではなく、細かく読める機種ほど針が1周する範囲は狭くなります。

目量指示範囲の目安向いている作業
0.01mm0.5〜1.0mm旋盤・フライスの芯出し、振れの大まかな確認、段取り
0.002mm0.2〜0.3mm平行度・直角度の確認、治具の据え付け
0.001mm0.2mm前後研削や精密仕上げでの追い込み

選ぶ基準は、読みたい公差の大きさです。

測定器の目量は許容差の1/5から1/10程度に取るのが一般的な目安とされるため、0.05mm以内に収めたい振れなら0.01mmで足り、0.01mmを争う面なら0.002mm以下を考えます。

先に0.001mmを買っておけば万能という考え方はうまくいきません。

指示範囲が0.2mmしかない機種では、測定子を当てる位置決めの段階で針が振り切れてしまい、ワークを回す前の段取りに時間を取られます。

両振れ目盛の読み違いを避ける手順はダイヤルゲージの読み方で解説しています。

測定子の角度と長さで指示値はどう変わるか

測定面に対して傾けるほど指示値は小さく出る

測定子が動く方向と、測りたい変位の方向とのなす角をθとすると、針が示すのは実際の変位にcosθを掛けた値です。

実際の変位を知りたければ指示値をcosθで割ります。

10°なら指示値は実変位の約0.98倍、20°で約0.94倍、30°で約0.87倍となり、角度が浅いうちは誤差も小さいものの、30°を超えると無視できません。

実務での対処は2つです。

測定面に対する傾きを15°程度までに収めて当てるか、角度を把握したうえで補正係数を掛けるかのどちらかになります。

狭い場所では傾きを選べないこともあるので、その場合は角度を読んで補正するほうが現実的です。

スタイラスを交換すると拡大比が変わる

てこ式は支点から測定子先端までの長さで拡大比が決まるため、付属より長いスタイラスに替えると、同じ変位でも針の振れが小さくなります。

長さの比に応じた補正が要るので、精度を求める測定では純正の長さに戻してください。

先端の球も摩耗すると径が変わり、当たり方が変わります。

形状ごとの使い分けと交換手順はダイヤルゲージの測定子で解説しています。

取付部はステム径とあり溝のどちらかで決まる

てこ式の取付方法は、円筒状のステム(軸)をホルダーのクランプ穴に差す方式と、本体側面のあり溝(ダブテールと呼ばれる台形の溝)を専用クランプで挟む方式に分かれます。ステム径はφ4mmが多く、スタンドやホルダー側の穴はφ6mmやφ8mmが一般的なので、その差を埋める変換スリーブが付属するか別売で手に入るかを買う前に確認してください。

あり溝式は、本体の向きを変えずにクランプ位置だけで姿勢を作れるため、主軸に吊って芯を見る使い方で扱いやすい形です。ただしクランプは機種ごとに溝の寸法が決まっているので、他社のホルダーがそのまま付くとは限りません。

保持する側も測定の精度を左右します。

マグネットスタンドのアームが長いほど、測定子を押し当てた反力でアームがたわみ、ゼロ点が動きます。

保持力と支柱の剛性の見方はダイヤルゲージスタンドの選び方で解説しています。

てこ式ダイヤルゲージの仕様はカタログのどこを見るか

商品ページで確かめる項目は、目量、指示範囲(測定範囲と書かれることもあります)、測定子の長さ、ステム径またはあり溝の有無、本体の向き(平行型か垂直型か)の5つです。

平行型は目盛板が測定子と同じ面に向き、垂直型は目盛板が測定子に対して立っています。

機械に取り付けたときに目盛が自分の側を向くかどうかで、作業のしやすさが変わります。

精度についてはJIS B 7533で指示誤差の許容値が定められているため、仕様欄に規格への準拠が書かれているか、検査成績書が付くかを見てください。

ここに書かれている数値は出荷時のものであって、使い続けた状態を保証するものではありません。

落下させた後や長く使った後は、ブロックゲージやテストインジケータ用の校正器で自分で点検するか、校正に出す前提で考えてください。

取扱いは販売店や時期によって変わるため、変換スリーブや交換用スタイラスが同梱されるかは、購入予定の店の構成品表示で確かめるのが確実です。

芯出しに使う前提なら、ホルダーとクランプまで含めた一式で揃っているかを見ておくと、届いてから取り付けられないという事態を避けられます。

実際の振れの読み方と調整の進め方はダイヤルゲージで芯出しする手順で解説しています。

よくある質問

てこ式と標準式はどちらを先に買うべきですか

作業する場所で決まります。

旋盤やフライスの芯出し、穴の内側、段差の奥など測定子を横から入れる場面が中心ならてこ式です。

厚みや深さの差を数mmにわたって追うならストロークのある標準式が要ります。

どちらも兼ねる機種はないため、片方しか買えないなら使用頻度の高い作業に合わせてください。

測定子は測定面に斜めに当ててもかまいませんか

当てること自体は可能ですが、指示値が実際の変位より小さくなります。

傾きθに対して指示値は実変位のcosθ倍で、30°では約13%小さく出ます。

15°程度までに収めるか、角度を把握して補正してください。

測定子が面に対して立ちすぎると滑らずに引っかかるので、その点でも浅い角度で当てます。

目量0.001mmのてこ式を選べば精度の高い測定ができますか

目量は読み取れる最小単位であって、測定器の誤差そのものではありません。

0.001mm目量は指示範囲が0.2mm前後と狭く、位置決めとゼロ合わせに手間がかかります。

読みたい公差が0.01mm以上なら0.01mmか0.002mmのほうが段取りは楽です。

マイクロメーターの選び方では、0.001mmが本当に要る条件を解説しています。

まとめ

てこ式ダイヤルゲージは、指示範囲0.2〜1.0mm程度という狭さと引き換えに、標準式では入らない場所の振れを読める測定器です。

目量は読みたい公差の1/5から1/10を目安に選び、細かい目量ほど指示範囲が狭くなる関係を踏まえて決めてください。

測定子は測定面に対して浅い角度で当て、傾きが避けられない場面ではcosθで補正します。

取付はステム径とあり溝のどちらかで決まり、ここが合わないとスタンドに固定できません。ぜひ本記事の目量と指示範囲の対応、角度による補正の考え方、取付規格の確認手順を参考に、自分の作業に足りる1台を選んでください。

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