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ダイヤルゲージの使い方|測定子の当て方と読み取りの手順

ダイヤルゲージは針の読み方さえ覚えれば使える、とはなりません。測った値を狂わせるのは、たいてい目盛ではなく固定のしかたと測定子の角度です。

測定子を測定面に対して30°傾けて当てると、実際には0.10mmある段差が0.087mmにしか見えません。

目量0.01mm(最小目盛)の標準型なら1目盛を超えるずれで、公差の判定が引っくり返る幅です。

マグネットスタンドのアームを長く伸ばした場合も同じで、ワークが動いていないのに針だけが振れます。

本記事では、固定からゼロ点合わせまでの手順・測定子を斜めに当てたときに出る誤差・アナログ表示とデジタル表示で変わる操作を解説します。

GOOD DIY編集部

測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

ダイヤルゲージの使い方は固定・直角・プリロードの順で決まる

ダイヤルゲージ本体は手で持って使う道具ではなく、スタンドに固定して初めて数値が意味を持ちます。段取りは3つで、固定、測定子の向き、プリロード(初期押し込み)の順に決めてください。

ステムの突き出しは短く、アームはたたむ

ダイヤルゲージの取付軸はステムと呼ばれ、直径8mmが標準寸法として広く使われています。

スタンドのクランプで締めるときは、ステムをできるだけ長く掴み、本体の突き出しを短くしてください。

アームを伸ばすほど測定圧でスタンド側がたわみ、ワークではなく支持系の変形を読むことになります。

保持力と支柱の太さで迷ったときはダイヤルゲージスタンドの選び方で解説しているマグネットの吸着力の目安が判断材料になります。

測定子は測定面に対して垂直に

スピンドル(上下に動く軸)の動く向きと、測りたい変位の向きを一致させます。

平らな面なら面に対して垂直、丸棒の振れを見るなら中心を通る線上です。

ここがずれると、後述のとおり値が必ず小さい側に出ます。

ゼロ合わせの前にプリロードをかける

基準面に当てたら、スピンドルを0.2mmから0.3mmほど押し込んだ状態を作ってから、外周のベゼル(回転する枠)を回して長針を0に合わせます。

押し込み代を残しておかないと、マイナス方向に動いたときに測定子が浮いて何も読めません。

標準型は長針1回転で1mm、短針が回転数を示す構成が一般的で、短針の位置を見落とすと1mm単位で誤読します。

針の組み合わせの読み取りはダイヤルゲージの読み方で解説しています。

ダイヤルゲージの測定子を斜めに当てるとどうなるか

傾けて当てた分の誤差は、傾き角の余弦で縮みます。

垂直から10°なら読み値は実際の98.5%で、0.10mmが0.099mm。

30°では86.6%まで落ちて0.087mmになります。

10°程度なら目量0.01mmの機種で1目盛に満たないため気付かないまま進みますが、30°は明確な読み違いです。

やっかいなのは、この誤差が必ず「実際より小さい」方向にしか出ないことです。

合否判定をしている場面では、落とすべき寸法を通してしまいます。

測定面が斜めで垂直に当てられないときは、測定子を先の丸い球面形から平形に替えて接点を安定させるか、支持ごと据え直してください。

測定子の形状ごとの向き不向きはダイヤルゲージの測定子で解説しています。

なお、てこ式(テストインジケータ)は測定子が円弧を描く構造で、はじめから一定の傾きで当てる前提になっています。アナログの標準型と同じ感覚で角度を付けると値が合わないので、狭所でてこ式を使う場合はてこ式ダイヤルゲージとの違いを先に確認してください。

使い方でよくある失敗と、その場での直し方

針がゼロに戻らない

同じ基準面に5回続けて当て、毎回同じ値に戻るかを見てください。

戻り方がばらつくなら、スタンドの緩みかスピンドルの動きのどちらかです。

まずクランプとアームの関節を締め直し、それでも再現しないなら内部の問題なので、現場での分解はやめて点検に回します。

動きが渋いからといって機械油を差すのは逆効果で、油が粉じんを抱き込んで余計に動かなくなります。

測定子が緩んで値が飛ぶ

測定子はねじ込み式で、M2.5のねじが使われている機種が多くあります。

測定中に当たりが変わって突然0.05mm単位で値が跳ぶときは、たいていここが緩んでいます。

交換や締め直しのあとは、必ず基準面でゼロ点を取り直してください。

ワークと測定器に温度差がある

精密測定は20℃を基準に規定されています。

切削直後の部品や、冬場に屋外から持ち込んだ材料をすぐ測ると、寸法そのものが変わっています。

0.01mm単位を争う測定では、同じ室内に置いて温度がなじむまで待ってください。

スタンドと基準面はどこまで代用が利くか

最低限そろえたいのは、本体を保持するスタンドと、ゼロを取るための平らな基準面の2つです。

基準面には精密定盤を使うのが本来ですが、工作機械のテーブル面や、平面度の出ている鋼材の面で代えている例もあります。

どこまで許されるかは、読もうとしている値の桁で決まります。

0.1mm単位の当たり確認なら機械のテーブルで足りますし、0.01mm単位の判定には定盤かブロックゲージが要ります。

代用してはいけない部分もあります。

ステムをバイスや万力で直接くわえると、軸がわずかに変形してスピンドルの動きが渋くなり、元に戻りません。

クランプは必ずステム用のものを使ってください。

測定範囲や目量そのものが作業に合っていない場合は固定方法では解決しないので、ダイヤルゲージの選び方で解説している測定範囲と目量の対応から見直すほうが早いです。

アナログ表示とデジタル表示で変わる操作と、点検の間隔

アナログ表示は当てた瞬間に針が動き、振れの向きと速さがそのまま見えます。

旋盤のチャックに掴んだ丸棒を回して振れ幅を追うような作業では、数値より針の揺れ幅のほうが読みやすく、ダイヤルゲージで芯出しする手順でも針の振り幅を基準に調整していきます。

電池切れで止まらない点も利点です。

デジタル表示は符号が数字で出るため、プラスとマイナスを読み違えません。

任意の位置でゼロリセットでき、測定値を外部に出力できる機種もあります。

一方で、表示が安定するまでわずかに待つ必要があり、オートパワーオフから復帰したあとはゼロ点を取り直してください。

電池残量が減ると表示が不安定になるので、長時間の測定に入る前に交換しておくと中断せずに済みます。

点検の間隔を一律に決めることはできませんが、落下させたあとと、分解や修理から戻ったあとは表示方式を問わず確認が必要です。

カタログに書かれた精度は出荷時の値なので、ブロックゲージで数点を当てて、指示値がどれだけずれているかを自分で把握しておいてください。

毎日使う環境なら、年1回の校正を基準に、作業内容の要求精度で前後させる運用が一般的です。

よくある質問

ダイヤルゲージを手で持って測ることはできますか

できません。

測定圧で本体が動いてしまい、ワークの変位と手の動きが分離できなくなります。

短い距離の当たり確認であってもスタンドかホルダーに固定してください。

長針が1周すると何mmですか

目量0.01mmの標準型では、長針1回転が1mmにあたります。1mmを超えた分は短針が示すので、長針だけを見ていると1mm単位で読み違えます。

プリロードはどれくらい押し込めばよいですか

0.2mmから0.3mm程度、長針が20目盛から30目盛ぶん動く位置が目安です。押し込みすぎると測定範囲の端に寄り、プラス側に動いたときに逃げ場がなくなります。

落としてしまった場合、そのまま使ってよいですか

外観に傷がなくても、ゼロ点と指示値の確認が済むまでは判定に使わないでください。基準面に数回当ててゼロに戻るか、ブロックゲージで既知の寸法が出るかを見て、ずれていればメーカーの点検に出します。

まとめ

ダイヤルゲージの数値を決めているのは、ステムをどれだけ短く掴んだか、測定子を測定面に垂直に当てられているか、プリロードを残してゼロを取ったかの3点です。

斜めに当てた誤差は必ず小さい側に出るため、気付かないまま合否が入れ替わります。

ぜひ本記事の手順と点検のタイミングを参考に、測る前の据え付けから見直してみてください。

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