墨出しもっててくんとは?1人で墨を打つ重しの使い方と選び方
墨出しもっててくんは墨つぼそのものではなく、墨つぼから引き出した糸の端を床に押さえておくための重しです。
四ッ柳屋の墨出し補助器具で、鋳物鉄にメッキをかけた本体に鋼製のピンが付き、重さは3.2kgあります。
墨つぼの先端にあるカルコ(糸を固定するための針)が刺さらないコンクリートスラブや塗膜の上では、糸の端を誰かに踏んでもらうしかなく、そこで2人目が必要になります。
その2人目の代わりに置くのがこの道具です。
本記事では、墨出しもっててくんの正体・カルコが刺さらない床で要る理由・糸をピンに掛ける手順・床専用とPlusの違い・文鎮やレーザー墨出し器との使い分けを解説します。

GOOD DIY編集部
測る道具の選び方の専門メディア。レーザー墨出し器・水平器・ノギスから測量機器まで、メーカー公式資料で確認した仕様と廃番型番を掲載。カタログの数値の読み方から、自分の作業に合う機種の選び方を解説します。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
墨出しもっててくんは墨つぼではなく糸を留める重し
販売しているのは四ッ柳屋です。
本体は鋳物鉄にメッキ加工を施したもので、径83mm、ピンを装着した状態の高さが155mm、重さは3.2kgになります。
ピンは鋼製で、こちらもメッキ加工です。
墨を出す機能は本体側にありません。
墨つぼは手元にあるものをそのまま使い、もっててくんは糸の端を一点で押さえる係として床に置かれます。
ピンの先端にはくびれた部分があり、ここへ墨つぼの糸を引っ掛けて固定する仕組みです。
糸は金具の穴に通すのではなく、くびれに掛けるだけなので、打ち終わったあとは外して次の位置へ移せます。
重さ3.2kgという数字は、本体を握ったときの重さではなく、糸を張ったときに動かないための自重だと考えると用途が分かりやすくなります。
四ッ柳屋は、一般的なコンクリートスラブ床であれば約10m程度の糸を引っ張っても動かない想定で設計したとしています。
糸を強く張るほど端が持ち上がろうとするため、押さえる側には相応の重量が要るという作りです。
カルコが刺さらない床で墨出しもっててくんの出番になる
墨つぼは通常、先端のカルコを下地に刺して糸の端を固定し、張った糸を弾いて墨を打ちます。
木の下地やベニヤなら針が入るので一人でも打てますが、コンクリートスラブ・金属デッキプレート・塗床・タイルには刺さりません。
刺さらない床では糸の端が固定できず、相方に押さえてもらうか、自分で何かを乗せて代用することになります。
この「押さえる役」を道具にしたのがもっててくんです。
四ッ柳屋は、従来より1.5倍の量は軽く出せるようになるとしています。
人を一人拘束していた工程が消えるので、墨の本数が多い日ほど差が出ます。
汎用の重しで代用している現場もあります。
ただし文鎮や工具箱を乗せる方法では、糸を掛ける位置と基準点がずれやすく、押さえ直すたびに墨が太る原因になります。
重しで代用するときの選び方は墨出しの文鎮と墨つぼ用の重しの選び方で解説しています。
墨出しもっててくんの使い方はピンのくびれに糸を掛けるだけ
糸を掛けてから本体を据える
墨つぼから糸を引き出し、ピン先端のくびれた部分に掛けます。
次に、打ちたい基準点にピンの先を合わせて本体を置き、反対側まで糸を引き出して張ってから弾きます。
糸を掛ける前に本体を置いてしまうと、掛け直すときに位置がずれるので、糸が先です。
置く前に当たり面のゴミを払う
床にコンクリートの粉や砂利が残っていると、3.2kgの本体でも接地が点で支えられて傾きます。
傾いた状態で糸を張ると、張力で本体ごと回って基準点から逃げます。
置く場所を手やほうきで一度払ってから据えてください。
打ち終わったあとは、糸を巻き取る前にくびれから外します。
張ったまま巻き取ると、ピンに糸が食い込んで切れやすくなります。
墨が薄く出るときは、押さえ側ではなく墨つぼの綿や墨汁の量を疑ってください。糸の端が動いていないのに線が細いのであれば、重しの問題ではありません。
床専用とPlusは壁に使えるかで分かれる
ラインナップは2つあり、「墨出し器具もっててくん」が床専用、「墨出し器具もっててくんPlus」が床と壁の両用です。
Plusは長ピンを装着したときの最大幅が183mmになります。
壁の墨を打つ機会があるならPlus、床の通り芯や間仕切りの墨だけならベーシックなほうで足ります。
選ぶときに確認したいのは、手持ちの墨つぼの糸がくびれに掛かるかどうかです。
糸の太さや巻き取り口の形状は墨つぼごとに違うため、使っている墨つぼとの組み合わせで試せるなら試してから決めるのが確実です。
取扱いのある店舗や時期は変わるので、入手できるかは販売店で確認してください。
もう一点、3.2kgという重さは腰道具に下げられる重量ではありません。
工具箱か資材と一緒に運ぶ前提になるため、1日に打つ墨が2〜3本で済む日まで持ち込むかは判断が分かれます。
逆に、スラブの上で一日中墨を打つような工程では、この重さが動かない理由そのものになります。
汎用の重し・墨出しメイト・レーザーとの使い分け
糸の端を押さえる専用品は他にもあります。
墨つぼを一人で使うための固定具としては墨出しメイトの仕組みと使い方で解説している製品もあり、どちらも「カルコが刺さらない面で糸の端を留める」という同じ課題に向けた道具です。
重しで押さえるか、器具で挟むかという方式の違いで選ぶことになります。
レーザー墨出し器を持っていれば重しは要らない、とはなりません。
レーザーは基準の線を空中に示す道具で、その線を床に墨として残す作業は別に発生します。
長い直線を一発で、しかも消えない形で残すなら、墨つぼを弾くほうが早い場面は今も多くあります。
機種選びの軸はレーザー墨出し器の選び方で解説しています。
墨汁を使いたくない場所では、粉で線を出すチョークラインが選択肢になります。
あとで消したい仮墨や、養生の上に打つ線に向く方式で、粉の色による見え方の違いは墨出し用チョークの色と使い分けで解説しています。
糸の端を押さえる必要があるのはチョークラインでも同じなので、重しは共通して使えます。
よくある質問
どのメーカーの墨つぼでも使えますか
糸をピン先端のくびれに掛ける方式なので、特定の墨つぼ専用ではありません。
ただし糸の太さや巻き取り口の形は製品ごとに違い、すべての組み合わせで同じように掛かるかは確認できませんでした。
手持ちの墨つぼで掛かり具合を見てから判断してください。
10mより長い距離でも動きませんか
四ッ柳屋が示しているのは、一般的なコンクリートスラブ床で約10m程度の糸を引っ張っても動かない想定という説明です。
床の仕上げや粉じんの量で摩擦は変わるため、それ以上の距離で必ず止まるとは書けません。
長い距離を一度に打つときは、弾く前に糸を軽く張って端が動かないか確かめてください。
カルコが刺さる床でも使う意味はありますか
刺さる床であればカルコで足ります。
使う意味が出るのは、刺し穴を残したくない仕上げ面や、何度も同じ点から打ち直す場面です。
カルコは繰り返し刺すと穴が広がり、基準点そのものが甘くなります。
壁の墨を打つときはどちらを選びますか
壁にも使うならPlusです。
床専用のほうには壁面で使うための長ピンが付きません。
床と壁の両方を打つ工程が続くなら、はじめからPlusを選んだほうが買い直しになりません。
まとめ
墨出しもっててくんは、カルコが刺さらない床で墨つぼの糸の端を押さえる3.2kgの重しで、2人目の手を置き換えるための道具です。
床だけならベーシック、壁も打つならPlusという分かれ方になり、確認すべきなのは手持ちの墨つぼの糸がピンのくびれに掛かるかどうかの一点だけになります。
レーザー墨出し器を持っていても、床に消えない線を残す作業は別に残るため、併用する前提で考えて差し支えありません。
ぜひ本記事の使い分けを参考に、自分の現場の床仕上げと墨の本数から選んでください。

